数多くあるアニメソングの中でバンドやアイドルといった‘グループ’の曲ではなく作詞、作曲を自ら行い歌う‘シンガーソングライター’の方の曲で私が好きなものを3曲ピックアップして紹介していこうと思います。
シンガーソングライターの歌うアニソンは、歌と楽器一つという形でやっている人が多いせいなのか、グループのアニソン以上に歌詞や曲調がしっかりと耳に残ります。
歌声で人の心を動かせるってすごいことですよね。
好きだけど伝えるのは照れ臭い「スキナノカナ」
2017年4月から9月まで放送されていたテレビアニメ「境界のRINNE」第3シリーズのエンディングテーマ、歌っているのは、北海道で結成された2人組音楽ユニットのSoftly。
歌い始めに「君のこと別にすきじゃないよ強がってるわけじゃないけど」と言っているのにすぐ後から「素直になって笑って見せてよ」と逆のことを言っているからツンデレなのかな?
サビの「放課後 二人で歩いたときに あたしはきみが好きだと思ったんだ」という歌詞が片思いを女の子が実感して一人でドキドキしているのが想像できて聴いているだけなのにキュンキュンする。
人と比べるって辛いけど成長するきっかけをくれる「ミカヅキ」
2015年7月から 9月まで放送されていたテレビアニメ「乱歩奇譚 Game of Laplace」エンディングテーマ、歌っているのは福岡県出身の女性シンガーソングライター・さユり。
歌い出しが「今宵も頭上では 綺麗な満月がキラキラ 幸せそうに世界を照らしている」という明るい歌詞だけど、サビで「それでも 誰かに見つけて欲しくて 夜空見上げて叫んでいる」という孤独な表現の歌詞に変わるところから女の子の‘他人はちやほやされているのに自分はなぜ誰にも気づいてもらえないのだろう’と悩んでいるように聴いていて感じた。
誰かに愛されちやほやされている人を‘満月’、ひとぼっちで寂しく孤独な人を‘ミカヅキ’と天体に例えているのがすごくおしゃれ。
曲調・歌詞の両方から夏らしさを感じられる「夏夕空」
2008年7月から9月まで放送されていたテレビアニメ「夏目友人帳」第1期エンディングテーマ、歌っているのは。鹿児島県奄美市名瀬出身の男性シンガーソングライター・中 孝介。
ギターの優しい音色とゆったりとした歌声が聴いていてすごくリラックスできる。
歌い出しの「色づく 西空に 差し込む一筋の陽 夕立の雨上がりに 気付く夏の匂い」という歌詞が雨上がりの夏の夕方という情景がはっきりと思い浮かび懐かしい気持ちになる。
2番Aメロには、‘鬼灯’、‘夏祭り’、‘鳴り響く風鈴(すず)の音’といったように夏の行事や植物の名前が使われていて歌詞から涼しさを感じられる。
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人の思いだけでなく季節感も歌詞や曲調から感じられる
やはり、シンガーソングライターのアニソンは使われる楽器が少ない分、歌詞に込められているメッセージが強く感じられました。一曲一曲を聞くと、そのアニメの情景が目の前に広がるような感覚に陥ります。
特に今回ご紹介させて頂いた中でも、「夏夕空」の曲が筆者に与えてくれたのは、夏目友人帳で描かれていた優しい自然の風景、ゆっくりと流れる夏目の時間をぼんやりと思い出し、またアニメを見たくなってしまいました。
こうやって、たまにアニソンを聴いて、好きだったアニメを思い出すのも、ちょっと違った楽しみ方としていいかもしれませんね。
文章:あそしえいつ T.A
(c)緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会