テレビアニメ『 ISLAND (アイランド)』は、2016年に「フロントウィング」より発売された、全年齢対象のPCゲームが原作のアニメ化作品。
ギャルゲーの世界観
「浦島」という小島に流れ着いた主人公が、その島特有の「バイモン病」という風土病によって閉ざされてしまった島の未来のために、そこで知り合ったヒロインたちと立ち上がるという内容の恋愛アドベンチャー作品です。
その魅力は、ギャルゲーの伝統であるSFや伝奇ものであること。
例えば、主人公の切那(せつな)は、初登場時は記憶喪失として登場しますが、自分の身元すらわからない設定は、名作ゲーム『AIR』や『ダ・カーポ』などを思い出させられる定番の方式。
そして、「浦島御三家」という、島の名家出身の三人がヒロインであることや、そのうちの一人が神社の巫女で、島の風土病である「バイモン病」という島特有の闇の歴史に関係していることなどは、Leafの『痕(きずあと)』や、07th expansionの『ひぐらしのなく頃に』を彷彿とさせられる、伝奇ものジャンルです。
そして、プロデュースに「志倉千代丸」が参加しているところなどからも、同じく南の島での日々を描いた『ロボティクス・ノーツ』や、主人公に自分が未来から来たという断片的な記憶があるところなどは『シュタインズ・ゲート』を彷彿とさせられ、過去のノベルゲームのフォーマットを踏まえて作られていることが、非常によくわかる伝統的な世界観になっています。
「運命の赤い糸」で結ばれる女性ヒロインたち
本作のヒロインは、謎の多い不思議キャラの御原 凛音(おはら りんね)/ CV 田村 ゆかり、勝気な元気っこの枢都 夏蓮(くるつ かれん)/ CV 阿澄 佳奈、小さくて可愛い巫女さんの伽藍堂 紗羅(がらんどう さら)/ CV 山村 響という三人で、超豪華声優が担当しています。特にメインヒロインを田村ゆかりさんが務めるのは、ファン待望のキャスティング。
三人それぞれが、物語の核心に関係する重要な役割を持っていますが、ストーリーが「ヒロインを一人ずつ攻略」していくことで、少しずつ明らかになっていく展開もゲーム原作ならでは。
そして一度クリアしたシナリオを繰り返し遊ぶことで、少しずつ全体のループ構造が明らかになったり、何度も同じ時間を過ごすとこで未来を変えようというシナリオは、時にヒロインとの時空を超えた「運命の赤い糸」を演出しますが、今回もメインヒロインの名前が「輪廻転生」を意味する「凛音」であることや、第一話のサブタイトルが「またあえたねあなたと」であることからも、こうした作品であることが伝わるはず。
果たしてこの作品では、一体誰とどういう結ばれ方をするのでしょうか?それはこの作品、最大の見どころのひとつです!
舞台が、島( ISLAND )であることについて
また、舞台設定が島であるということで、ミステリー的な魅力が強く発揮されているのも今作の特徴。
外界から閉じられた空間で行われる何が起こるかわからないドラマを、ミステリー用語で『クローズド・サークル』と言いますが、本作も同様に島の秘密が少しずつ明らかになっていく展開は、まさにミステリーアドベンチャーそのもの!ささいな言葉や行動が、島の謎や秘密に繋がっていくため、何もないシーンでもドキドキしてしまいます。
それを堂々とタイトルにしていることからも、一体この島( ISLAND )とは何なのかというところが、本作最大の見どころ。
果たして、この島は何なのか?自分はどこから来たのか?凛音とは誰なのか?
これらが、明らかにされたとき、あっと驚く大どんでん返しがあなたを待っています!
この島( ISLAND )に、これでもかと詰め込まれた、SF、伝奇、ミステリー、恋愛アドベンチャーという全部盛りアニメ「 ISLAND 」。
未見の方は、ぜひお試しあれ!