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TVアニメ「 グランベルム 」 第11話「たとえさよならが届かなくても」

自分の存在について悩む満月は、九音の姉である四翠に出会う。四翠と話しをするうちに、心を動かされた満月は、新月にメッセージを送る。一方、新月は自分が願ったせいで満月を苦しませていることに悩み涙する。満月と話をするうちに、堪えきれなくなった新月は家を飛び出すのだった…。
新月と満月
『あなたは…』
そこに現れたのは呪いをかけられたはずの四翠。

「あなたに会ったことあるかも。そんな気がします。私ね、ずっと目が覚めなかったらしいんです。眠り続けたままずっと…」
「世界って、奇跡の連続だと思いません?お腹が空いたなぁと思って、食べ物を買いに出て、なんかちょっと涼しくて気持ちいいなぁって思って、こっちに来て…そしたらあなたが座っていて」
出会いは奇跡ですね…。なんてARIAも真っ青な恥ずかしいセリフ禁止なことをいう四翠。
「まるで誰かが導いてくれているような」
そう…四翠の復活の裏には導くものが必ずいるのだ…。
『九音って子…知ってますか?』 という満月の問いに四翠は、九音の存在は忘れていた。
一方の新月も満月と同じようにマギアコナトスの選択に悩んでいた。
子供の頃のアンナとの会話を思い出す。そして、その幸せな日々、後のアンナの嫉妬心による暴走。その全てがマギアコナトスにより作られたもの。

新月のところに満月から連絡が入る。
電話越しに満月は、「私は生まれない方がよかったのかな?」と問いかけてくる。
どう答えても、真実ではない質問。
アンナの家を出た新月は、寂しさをまぎらわすために考えた。
魔力を使えば人形が動き、話し、心を持つことがもしかしたらできるんじゃないだろうか。
そんなほんの些細な、とても恐ろしいことを考えたことで、新月は魔力なんてなくなったほうがよいと考えはじめた。
魔力は万物の理をねじ曲げる力。人が持ってはいけない力。それを簡単に手に入れてしまったら…。
ここからの挿入歌…マジで切ない。
しかし、同時に考えてしまった。プリンセプスの魔術師になることができればあなたみたいな存在を生み出すことができるかもと。
自分の傍に居てくれる誰かを…私を慰めてくれる誰かを生み出すことができるかもと

ごめんなさい…私が強くあれば、マギアコナトスは反応しなかった。ごめんなさい、私がありもしない夢を見なければ…ごめんなさい!
ごめんなさいと必死に謝る新月
ありがとうとお礼を言う満月
新月の心の弱さが満月を生み出したのかもしれない 、それでも私は「なにもないわけじゃない」ということが気付けた。
それはクラスメートがご飯を食べてるときに、ふとした会話。満月という、よくご飯をくれた子がいたけど最近会えていないといった会話を聞いたのだ。
「なくならないんだよ、なくならない…そう思った」

マギアコナトスが記憶を操作して、存在がなくなったとしても、心の中にはきっと残っている。なにもなかったわけではない。
「食べて美味しいとか、何か着たときに暖かいとか、風が気持ちいいとか、夏が暑いとか、嬉しいとか、悲しいとか、頭にくるぞとか、眠いとか。そういうのもさ、なんかすごい。気持ちがあったり、かと思うと無意識に反応するところもあったり…それだけですごいって思う」
生きているという当たり前のことがすごいんだと、魔力なんかたとえなくてもこの世界には素敵なことがあふれているんだと。
そんな当たり前のことに気づくことができた、だからこの世から魔力をなくしてほしい…とあらためて新月にお願いをする満月。それが満月の出した答え。
「満月がなくなって、新月になる。夜空を照らしていた真っ白な光がなくなると真っ暗闇になるような気がするけど、そうじゃない」
「新月だから見える星、満月だった時には見えなかった星が…だから、満月がなくてもきっと大丈夫」
泣けるなああおい…。まさかここでネーミングの伏線を回収してくるとは……。
選択することはなにかを捨てること
満月と新月は、寧々のところにある提案をしてに向かっていた。
それはみんなでキャンプをすること。
グランベルムを前に緊張感のないことをと怒る寧々だったが、その提案を尊重してあげるべきでは?と諭される。
「選択することはなにかを捨てること」
「結局思い通りにはならない…それが魔術師なんじゃない?」
満月は消えることを選び、生きることを諦めた…だから最後の思いで作りに貢献してあげるべきという姉妹たちに…寧々はなにやらまだ考えあるような…。
そんなこんなでキャンプへと向かった一同。
寧々ちゃんの高所恐怖症というちょっとかわいいところが見れつつ 、新月が絶望的に料理ができないという一面も見れつつ…という最後の対決の前の日常回。
しかし、新月は満月の様子を見て、かつてのアンナを思い出してしまう。
手先が器用で、頭もよくて、自分にはないものをみんなもっている。でも自分には魔術師としての才能を除けばなにもない。
「なにもないことなんてないよ。新月ちゃん教えてくれたんだよ」
良いことを言いやがる…。しかし、魔力が不安定なのか、消えかけているのか満月の存在を希望は記憶することができない…。確実に近付いている満月の最期。
夕方になり、四翠はとある曲を披露する。それは「もし自分に妹がいたら」という思いを込めた歌だという。
魔力でどんなに書き換えても、決して消えることはないんだと改めて実感する満月。
キャンプの締めにと花火を楽しむ一同…だったが。満月が花火の光で「バイバイ」と文字を描いた直後に…姿を消す。
同時に満月がいたことを、新月を除くその場の全員の記憶から消去される…。
それは満月が頼み、寧々の魔術を解いてもらうようにいったんだという…寧々からの魔力供給をうしなった満月はその存在が全員から認知されなくなった。
それでも新月だけは、満月が見えるし満月を覚えていたのだ。
満月は新月にあらためて
「迷っちゃダメ。ちゃんと魔力をなくして、帰ってきて。そうすれば願っていた世界が待っている。一緒にみているよ。私は新月ちゃんの心だもん」
魔力をなくして。
そして、再び赤い満月が空にあがっていくのだった。
新月の選択はどっち?
最後のグランベルムを前に、あらためて満月が新月に対して「魔力をなくしてほしい」と求める。
決して自分の存在はなくならない、なぜなら私は新月の心から生まれた存在だから…と。
かーーーーーーーーーーーー。
切ない…あまりにも切なすぎる回でした。
新月がひたすらに謝っているのに、それにありがとうと答える満月。
そして、「満月が無くなって新月になる。夜空を照らしていた真っ白な光が無くなると、真っ暗闇になるような気がするけどそうじゃない。星はある。新月だから見える星。満月だった時には見えなかった星が…。だから満月が無くてもきっと大丈夫」
この満月と新月の対比。なくなっても見えなくなってもずっとそばにいる…というネーミングの伏線回収ですよ。
そしてキャンプでは意外とみんなのダメな部分が垣間見えました、しかし満月はすべてにおいて苦手なものがなく描かれていました。そのあたりも、人間っぽさがないところ を描いていたのかもしれないですね。
さあいよいよ終盤戦。新月と水晶の対決は?そして新月は自身と満月…どちらをえらぶのか。
グランベルム の各話を振り返りチェック!
- TVアニメ『グランベルム -プリンセプスのふたり- 』第1話「世界で唯一の魔術師」
- TVアニメ『グランベルム』第2話「私がここにいるために」
- TVアニメ『グランベルム』第3話「満月に鐘は鳴る」
- TVアニメ『グランベルム』第4話「風水師リンフェンフェン」
- TVアニメ『グランベルム』第5話「小さな少女の小さな願い」
- TVアニメ『グランベルム』第6話「魔石」
- TVアニメ『グランベルム』第7話「ミス・ルサンチマン」
- TVアニメ『グランベルム』第8話「魔術師になるということ」
- TVアニメ『グランベルム』第9話「ノクターン、染め上げて」
- TVアニメ『グランベルム』第10話「もの思う人形」
- TVアニメ『グランベルム』第11話「たとえさよならが届かなくても」
- TVアニメ『グランベルム』第12話「マギアコナトス」
- TVアニメ『グランベルム』最終話「世界で唯一のふたりのために」
- 良作画のド派手ロボットバトルと声優の演技に魅了『グランベルム』<総括>