前回のブラクロ
パトリ、仲間になる。
ネロ、ついにしゃべる。
このページの目次
喋りだしたネロ

「精霊だ!」「高貴な精霊に違いない!」
喋ったネロに跪く魔法騎士たち。
ネロ「サッサト空間ダセ」
ネロ「コノママデハエルフガ入ッタ人間ガ元ニハ戻レナイカモシレナイ」
フィンラル「ネロ、おまえは……」
言霊魔法の性質
そのころ「影の王宮」では、ヤミ団長が悪魔と戦っていました。
闇魔法の一閃で斬り裂いた悪魔の体でしたが、すぐに回復してしまいます。
悪魔「刃の嵐」
ヤミ「なんでもありかてめええええ」
ヤミ団長は降り注ぐ刃をさばきつつ、考えます。
悪魔の「言霊魔法」は、
①言葉にした魔法を出す
②物質を動かすなど命令を与える
というもの。
これにより複数属性の魔法や、魔法ではない物質の具現化をすることができます。
刃の嵐は、具現化と操作という2つの効果を使用したもの。
ヤミ(オレたちに直接死ねと命令しないのを見る限り、なにか制限はあるはず)
シャルラ(効果範囲……私の荊に枯れていない部分があったのは、距離……それもあるが、おそらくは魔力量)
さらに、「言霊魔法」の命令は
・相手を直接殺せない
・魔法にこめた魔力量が上回った分だけ影響が出る
というものだと推察。
ヤミ(ひとつ見えてんのは)
ヤミ団長とシャルラは悪魔の攻撃をさばきつつ、「言霊魔法」を見極めていきます。
そして、ヤミ団長の放つ闇魔法の斬撃は、悪魔も回避します。
つまり、「言霊魔法」も闇魔法には通じないということ。
ヤミ(やはり避けた。避けられるんじゃだめなんだけど)
戦況は不利

そして、「宿魔の剣」を持つリヒトが、闇魔法を吸収し軌道を変える形で悪魔へ放ちました。
悪魔「ほとんど眠っているようなものなのに、よくそれだけ動けますね」
しかし、
・悪魔の魔力量はエルフより上
・リヒトは覚醒しきっていない
という状況。戦況は不利です。
さらに、悪魔は奪ったパトリのグリモワールを使い、さらに邪悪な魔力を高めました。
黒い空間から飛び出す、触手の海のような物体。
悪魔「すみませんが私は、あなた達とはまったく異なる生物なんです。次元が」
シャルラ「これは、あちらの世界の――」
通常の魔法が効かない
そのころフィンラルは、パトリたちが使った魔石を回収し、ネロに言われるがまま初代魔法帝ルミエルの石像にはめこみました。
すると石像が光り――。
フィンラル「これは、魔力――」
悪魔の出した触手の波は、
・魔法を吸収する
・触れると魔力、生命力が奪われる
という強力な魔法。闇魔法は通じますが、触手も再生します。
ヤミ団長はのまれかけたシャルラを助け、片腕を負傷してしまいます。
生命力を奪われた腕は、刀を握ることができなくなってしまいました。
さらに触手は、階下のアスタたちを襲います。
アンチ魔法は通じる
パトリの光魔法、ユノの風魔法を受け付けない触手。
アスタは襲われたミモザ&ライアを助け、触手にのまれます。
けれど、魔力のないアスタには触手が効かず、アスタは普通に脱出。
パトリ(あれにもアンチ魔法は通じるのか。それに無傷だって?)
ユノ「魔力がない体はのみこむ意味がないってことか?」
パトリ「なんというやつだ」
アスタ「おい何引いてんだっ!」
さんざん無個性で落ちこぼれ扱いされてきた魔力0が、ここでは大きな意味を持っています。
ノゼル「国を救い全員でここを出ることが我々の勝利だ」
そこでノゼルは、切り札となるアスタにユノとパトリをつけて、自分とミモザちゃんは仲間たちと合流して脱出するという作戦を提示しました。
こうして、動き出すメンバーたち。
さすがは団長、対応力があります。
ルミエルとネロ
そのころ。
石像から復活した初代魔法帝ルミエルと、鳥から少女の姿になったネロ。
ネロ「おかえりなさいませ、王子」
ネロの美少女っぷりに興奮しつつも、ジト目を向けられ素に戻るフィンラル。
フィンラル21歳は、ストライクゾーンが広いですね。
少なくても15歳(ノエル)は範囲内で、巨乳も貧乳もいけるようです。
ルミエル「影の王宮から、この世のものではない魔力を感じる。あいつが体を手に入れたのか」
ネロのモノを封じ込める魔法により、500年間眠っていたというルミエル。
2人は悪魔のいる「影の王宮」へと向かいます。
ルミエルの光魔法で移動し、ネロの「封緘(ふうかん)魔法 逆解(さかとき)」により、閉ざされた「影の王宮」への道を開きます。
そしてネロは500年前のことを思い出していました。
500年前

500年前、ネロことセクレは、(鳥にネロと名付けたのはアスタたち)”ものを開け閉めする魔法”しか使えず、落ちこぼれ扱いをされていました。
一方ルミエルは、王族の中でも優れた魔力を持つ天才でした。
しかし、あらゆる魔法に興味を持ち、ネロの魔法にも可能性を見ます。
セクレは、自分を受け入れてくれたルミエルと共に、魔道具の研究をします。
魔力や属性に恵まれていない人でも使える、より平等な世界づくりのための研究でした。

そんなルミエルは妹のテティアと共に、リヒトたちエルフと知り合い親交を深めていきます。
エルフの高い魔力と、ルミエルたちの魔道具。
合わさることで、2つの種族が平和に平等に暮らせる世界を夢見て――。
しかし、リヒトとテティアの結婚式当日。
500年前の真実
ルミエルは悪魔に取りつかれた大臣の不意打ちを受け、とらわれてしまいます。
ルミエル「邪悪なマナの魂」
ルミエル「文献にあった別の世界の生き物 悪魔!?」
悪魔は国王たちをたぶらかし、エルフを襲わせました。
ルミエルがセクレに助けられ、リヒトたちの元へ駆けつけると――。
人間たちはルミエルの魔道具を使い、エルフを虐殺・魔力を奪っていました。
ルミエルとセクレが開発した魔道具は、魔力を分け与えるもの。
王族たちの攻撃が光魔法だったのは、ルミエルの魔道具を使ったからです。
そして、絶望したリヒトはグリモワールを5つ葉に変えてしまっていました。

リヒト「やはり、君ではなかったんだな」
リヒト「すまない、一瞬だけ君を疑ったことを許してくれ」
ルミエルの姿を見て、彼が無実であることを理解しますが、すでに闇からは逃れられず。
リヒト「私たちの信じた未来の、君は希望だ」
リヒトはこのまま悪魔にグリモワールと体を奪われるよりは――と、魔石の力を使って最上級の禁術を発動。
自ら、自身を魔神に変えてしまいました。
魔神に変わることで体を悪魔から護りましたが、しかしもはやリヒトは化物。
ルミエル「やめるんだリヒト!」
リヒト「ルミエル……私を……殺してくれ」
リヒトはすべてをルミエルに託すのでした。
今回までのポイント
・悪魔の「言霊魔法」には制限がある
直接相手を殺せない、「言霊魔法」で込めた魔力が相手の魔力を上回る分だけ影響が出る
・闇魔法は「言霊魔法」で防げない
・悪魔の出した触手の魔法は、普通の魔法を吸収する
アスタには効かない=アスタは対悪魔の切り札、ヤミ団長もまた重要なポジションにいる。
・500年前の王宮は3つ分かれていない
現在のクローバー城は3代王家に分かれていますが、当時の城は1つだったようです
・魔神はリヒトだった
悪魔は4つ葉のグリモワール持ちを絶望させ、5つ葉に変えることでグリモワールと体を得る。
リヒトはそれを防ぐべく、自ら禁術で魔神となり、体を護ることの引き換えに怪物となった。
あとは自分をルミエルに殺させるつもり。
・ルミエルとセクレは魔道具を研究していた
エルフを殺し、魔力を奪ったのは魔道具の力。
・悪魔のことが文献にあった=500年以上昔にも悪魔との接触があった?
ちなみに、「影の王宮」は古代のエルフが人間にたくした――そうですが、その詳細も不明です。
「言霊魔法の悪魔」の件とは別に、500年以上昔にも悪魔やエルフ、人間のやり取りがあったのかもしれません。
・リヒトとライアが凄い
そしてもう一つ考察ですが――
悪魔は”ルミエルとの直接対決”を避け、準備して罠にはめました。
リヒトは闇に染まりましたが、フルスペックの彼は
・断魔の剣
・宿魔の剣
・滅魔の剣
・グリモワール
をもっています。
グリモワールなし、宿魔のみであの強さです。
もしかすると、「剣魔法」の断魔でアンチ魔法の効果を使えたかもしれないリヒト。
悪魔がリヒトを闇に染めたのは、5つ葉のグリモワールを得るためだけではなく、強すぎるリヒトとの対決を避けたかったから、かもしれません。
それだけ用意周到な悪魔が、最初に倒したのはライアでした。
闇魔法も模倣できるライアは、もしかすると悪魔の魔法を模倣できる可能性があった??
ヴェットの獣魔法→魔獣魔法、ファナの体が再生する禁術、パトリの光魔法→魔光魔法のように、悪魔のいる”あちらの世界”の影響を受ければ、魔模倣禁術魔法とかやれるかも??
だから、最初にライアを潰したのかもしれません。
ライアさんの可能性に震えます。