「あの花」、「ここさけ」の岡田麿里さんが、不登校から人気脚本家になるまでの物語

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」・「心が叫びたがってるんだ。」などの人気作の脚本を手掛ける、岡田麿里さん。

そんな岡田さんは、ご自身による著書『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』で、幼少時代から現在に至るまでの様々な出来事を赤裸々に語っています。

これを読めば岡田さんがなぜこのような名作を生み出せたのか、その秘密が分かります。今回は、この本のポイントを簡単にご紹介したいと思います。

©KOKOSAKE PROJECT

不登校だった学生時代

岡田さんは小学生の頃から登校拒否(現在でいう不登校)を経験し、長い時間を自宅で過ごすことが多かったそうです。当然ご家族や学校とのぶつかり合いやトラブルなどもあり、ここまで語っていいのかというほど、そのやり取りを赤裸々に描かれています。

そんな生活が続き、将来に不安を感じていた岡田さんにとって、地元の埼玉県秩父市は閉鎖的で息苦しい場所だったそう。周囲を山に囲まれている秩父から、外の世界に出たいと思っていた岡田さんの葛藤が語られています。

特に印象的だったのは、学校の担任の先生と続けていた作文課題のエピソードでした。当時書いた作文が、後に脚本家になったときの大きな支えになったそうです。詳しくは本を読んで確認してほしいですね。

外の世界・東京へ

高校を卒業した岡田さんは、ゲーム専門学校に入学するため、東京に出てきます。同年代の仲間たちと話したり、都会の便利な生活に衝撃を受けたり、岡田さんの人生にとって大きな転機になった様子が、作中でも語られています。

学校卒業後はVシネマなどの脚本関係の仕事をしながら、少しずつアニメのお話の仕事を始めるようになった経緯が詳しく紹介されています。アニメ業界で尊敬している恩師や、仕事現場での衝撃的なエピソードなど、岡田さんのキャリアを知るうえで、参考になるお話ばかりです。

もがきながらも書く仕事をたくましく続けていく岡田さんの言葉は、特に今脚本家を目指している方にとって、大きなエールになるかもしれません。

そして「あの花」・「ここさけ」へ

©ANOHANA PROJECT

アニメ業界でキャリアを重ね、オリジナルアニメの脚本を任されるようになった岡田さん。このあたりでは「あの花」で不登校の主人公が登場するお話を書こうとした経緯や、作品の裏側についても詳しく語られています。

「あの花」の主人公・じんたんが住んでいる家のモデルは、秩父にある岡田さんのご実家であるなど、驚く情報ばかりでした。また監督を務めた長井龍雪さんや、キャラクターデザインを担当した田中将賀さんとのエピソードもあり、アニメファンとしては興味深い内容です。

2作目となった「ここさけ」の制作が難航したお話など、順風満帆ではない、モノづくりの大変さや難しさにも触れており、現場の様子がよく伝わってきました。また本の終盤では、岡田さんのお母様との関係性が濃く描かれており、岡田さんのお母様への思いが溢れた内容になっています。

幼少期から現在に至るまで、岡田さんの人生が全てわかると言っても過言ではない、濃厚でインパクトの強い本になっています。この作品を読んで「あの花」などを見直すと、また違った気持ちになるかもしれませんね。

気になった方は、ドラマもチェック!

本著を原作にしたドラマが、NHKで2018年に放送されています。主演は元AKB48の前田敦子さん。原作を読んでもっと岡田ワールドを知りたいと思った方は、ドラマ版もぜひチェックしてみて下さい!

書籍情報

学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで 著・岡田麿里 (文藝春秋刊)

山田尚子 演出監督アニメ作品おすすめ3選!京アニが誇る天才女史が凄い