カルト的人気を誇る作品「チャージマン研!」
皆様は「チャージマン研!」というアニメをご存じでしょうか?
1970年代にテレビ放送されましたが、2000年代に各所動画サイト等で話題になり、一気に知名度を上げました。AT-Xやキッズステーション、AbemaTVでも放映されるほどの静かなブームになっています。
主人公である「泉研」という少年が「チャージマン」に変装(変身)し、「ジュラル星人」と呼ばれる悪役と戦うストーリーなのですが……
とにかくツッコミどころが多すぎるのです。
チャージマンって…?
研は普段は普通の少年であり、両親と妹の「キャロン」、そしてロボットの「バリカン」と暮らしています。地球侵略を目論むジュラル星人と研は戦いますが、いつからジュラル星人と戦うようになったのか?そもそもチャージマンとはなんなのか?などの謎は、作中では一切語られません。
「みんなが真似すると僕、困るから!」と言って変装する姿は他人に見られたくない様子ですが、家族や知り合いの前でもためらうことなく、そして隠れることもなく、普通に変装しています。
5分アニメなのに尺が…
約5分のショートアニメですが、物語冒頭に話と関係ないシーンを入れたり、終盤で特にやることがなくなり長々と引き画を映す、などの尺稼ぎが多々見受けられます。
例えば、冒頭に恐竜が暴れているシーンが映り、今回の敵かな?と思っていたら研が観ている映画のワンシーンであり、その後一切その映画について語らず……普通のアニメなら伏線と捉えられるシーンも尺稼ぎに使用しているのはある意味独特の感性であり、そこがツボに入る方もいるかもしれませんね。
やることが回りくどいジュラル星人
研の自宅を知っているにも関わらず自宅を直接襲うことをしなかったり、人目のつかない場所に研を連れてきてわざわざ変装するところを見たがったり、絶滅しそうだった蝶を数十年かけて改良し人を襲わせたり……ジュラル星人はやることが回りくどく、手間がかかる作戦をよく行っています。
自宅を知っているなら罠を仕掛けるなり直接ミサイルを撃ち込むなりそれなりに成果の出そうな攻撃の仕方があるのでは…?という視聴者の考えを置いてけぼりに、毎回繰り出されるジュラル星人の珍妙な作戦がチャー研の楽しみの一つとも言えます。
悪役よりもある意味怖い、泉研
そもそも主人公である研自身、そこはかとない狂気をはらんでいる節があります。
とある博士が連れ去られる場面をただ眺め、その博士の頭の中に爆弾が仕掛けられていることを見抜くと、自身が操縦するスカイロッド号という飛行メカに同乗させ、「お許しください!」と博士をスカイロッド号から落としジュラル星人の戦艦にぶつけ爆発させます。
未視聴の方がこの文章を見たら、なにを書いているんだ?と思うかもしれませんが、だいたい合ってます。
まさかの舞台化、様々なチャー研の楽しみ方
https://www.clie.asia/cha-ken/
2019年、まさかのミュージカルになりました。研役が4人いる(複数のシーンで演じ分けているのではなく、同じ場面で4人で演じています)、キャロン役が男性だったりとこちらもツッコミどころが豊富な舞台となっています。とても好評だったそうなので次の舞台もあるのなら楽しみですね…!
普通のヒーローものとして観るか、キャラクターの言動にツッコミを入れながら観るか、この描写は隠された設定なのではないか?と考察しながら観るか……チャー研の楽しみ方はあなた次第です!
文章:kyouei-のいせ