前回のブラクロ
言霊の悪魔に勝利したアスタたち。
リヒトとルミエル、エルフたちは天へ。パトリ、ライア、ファナ、ヴェットは残る。
そして、死んだはずの魔法帝ユリウスが子供の姿で現れて……。
[kanren postid=”157072″]今回は感想のほかに、補足・解説も交えます。
ユリウス復活
「やぁ、なんとか生きてたよ。小さくなってしまったけど」
ショタ化したユリウス。まさに、ショタウス。
ヤミ「いやいや完全に死んでたよ」

ヤミ「なにかオレに託してたよね返してくんないオレの決意」
とヤミ団長。
魔法帝ユリウスは、自分の願う平等で魔法と人間の可能性に満ちた世界を、自分の信じたヤミ団長に託しました。
ユリウスの意思を継ぎ、言霊悪魔を斬ったヤミ団長でした。
ヤミ「まぁ、もう二度と会えねえと思ってたツラをおがめたんだ。悪い気はしねえッス」
と、怒った後に素直になるヤミ団長。
ヴァンジャンスの誓い

ヴァンジャンス「ユリウスさま、私は……」
ユリウスに忠誠を誓いつつも、パトリのことも想い、結果的にユリウスを一度死なせ、クローバー王国を危機に陥れた戦犯ともいえるヴァンジャンス。
彼に対し、ユリウスは言います。
「王国を裏切った罪は重い」
そう言いながらも、復旧までの間、「君を遊ばせておくつもりはないよ」とも言います。
ヤミ「それは甘すぎるんじゃねーか」
ヤミ団長は言いますが、ヴァンジャンスを団長に任命し、そしてパトリに負けてしまったこと。
責任は自分にもある、とユリウスは考えます。
ヴァンジャンスは、今度こそその力をクローバー王国のために使うと決め、再度忠誠を誓いました。
魔法帝不在の意味
そして。
アスタ、ノエル、ミモザ、セクレを呼びつけるユリウス。
ユリウスは3つの困ったことがある、と言います。
①魔法帝がいなくなったこと
ヤミ「ここにいるじゃねーか」
ヤミ団長はあっさりとばらしますが、ユリウスの魔導書は紙1枚になってしまい、大幅に弱体化しています。
国王絶対主義派の貴族への影響力も弱まってしまいます。
ユリウスが復活したのは、旅の途中に見つけた魔道具スワローテイルのおかげでした。
13年分の魔力をスワローテイルに込めて、それが発動し子供の姿で復活したのです。
セクレ(あなたの名を引き継ぐものの命を救いました――)
セクレは王子を想います。
スワローテイルは、セクレの名を持つ魔道具。ルミエルとセクレが作った、平和のための魔道具でした。
ダイヤモンド王国ハート王国スペード王国
ユリウス「このままだとクローバー王国が外国に滅ぼされてしまう」
ユリウス「もしくはアスタくんが死んじゃう」
ユリウス「またはその両方だね」
ユリウスは言いました。
ユリウス「アスタくん、君の黒い力は悪魔によるものだ」
ノエル「やっぱり――」
ノエルが最初にブラックアスタを見たときに感じた違和感。
ノエルは思い出します。アスタの姿は、祖母から聞いた、悪魔の言い伝えと同じ姿でした。

ブラックアスタとセクレにある角は、ヴェーグという禁術の呪い。
悪魔の住まう、別の世界と通じたあかしなのだとユリウスは言います。
ユリウス「どうやら騎士団には、同種の呪いを受けているものがいるようだ」
クローバー王国の付近には、3つの大国があります。
・侵略国家ダイヤモンド
・中立国秘境国家ハート
・謎の多き冬の国魔神国家スペード
クローバー王国の左右に隣接するハートとダイヤモンド。
間に強魔地帯を挟んだ、勢力を増しているスペード。
戦いで疲弊しきった魔法騎士団には、外国勢力に対抗する力がありません。
これが、ユリウスの言う困ったことでした。
※ダイヤモンド王国にはマルスとラドロスがいます。
[kanren postid=”79528″]※過去に登場した街キテンは、ダイヤモンド王国とクローバー王国の国境沿いにあります。
[kanren postid=”107180″]魔女の森は、スペード王国・ダイヤモンド王国・クローバー王国に近い強魔地帯のあたりに存在。
[kanren postid=”115291″]描かれていはいませんが、金色の夜明けはスペード王国の諜報部隊を迎撃済み。
※功績発表時に触れられていました。
[kanren postid=”118755″]魔法議会
さらに、転生により一時的に敵へ回った騎士たちの処遇も危ないところ。
アスタ「全部悪魔の仕業だったってわかれば」
アスタは真実を明かそうとしますが、
ユリウス「そこで魔法議会は悪魔の力を裁判にかけて断罪するだろう」
ユリウス「騎士団の身代わりとして、下民のアスタくんはうってつけだからね」
とユリウス。
外国勢力に対抗する魔法騎士団員を裁かないようにするため、切り捨てやすいアスタを悪魔とし、すべての罪をかぶせたうえで断罪する。
ということです。
魔法議会はクローバー王国の中でも強い力を持った勢力。
その中心にいるのは、現国王の属するキーラ家です。
キーラ家
そのキーラ家の国王アウグストゥス・キーラ・クローバー13世は、偶然通りがかったフッハことセッケのことを命の恩人だと思っていました。
王「下々の者にも可能性があるというのは、こういうことであるか」
と勘違い。
そこへ賊が出現し、襲い掛かりますが
「国の、城の危機に乗じて王家にあだなす反王政の貴族ども。貴様らは悪だ」
現れた男――ダムナティオの天秤魔法により、賊たちの魔力が小さくなります。
賊を一掃したダムナティオは、秤を見て言いました。
「この反応、ついに現れたな」
ダムナティオは、王家のために悪魔つきであるアスタを断罪するつもりでした。
アスタの断罪
数日後。
復興作業中の騎士団員たち。

アスタとセクレは議会に呼ばれ、話せば通じると思い真実を語るべく2人で建物へ。
しかし、議会はアスタとセクレに手錠をかけました。
ダム「議長であるダムナティオ・キーラが、黒の暴牛アスタの断罪を執り行う」
観覧席には、国王の姿も。
国王は無能そうですが、この件に関しては
・選抜試験時に失礼な態度をとられた
・真実を何も知らない
という状況なので、アスタを悪だと思ってしまうのも仕方のないところ。
下々の者にも一応は目を向けようとしたり、選抜試験を普通に観戦したり。
そこまで悪い人ではないようです。
だからといって無能なことには変わりないようですが。
裁判を観覧する貴族たちも、アスタを下民と知るなり見下します。
セクレ(魔法帝ユリウスが努力してきたのに、いまだにここまでの差別と偏見が)
セクレ(そもそもここには、そういう人間しか集められていない)
自分の命か、仲間の命か
ダムナティオは、アスタに耳打ちします。
アスタが罪を否定すれば、議会は魔法騎士団員たちの罪を裁きます。
アスタが他者を切り捨てられない人間であることを見抜き、あえてアスタにそれを教えるのです。
ダム「下民1人と国防のかなめ。天秤がどちらに傾くかは自明だ。貴様の言う悪魔はどこにいるのだろうな」

アスタ「だから、悪魔はオレたちが倒したんだ! そのためにネロもすげー長い間、必死に頑張って――」
ダム「悪魔がいないならば、順番にさばいていくしかなくなるな」
ダムナティオはマリーを連れ出します。
マリーは
・没落貴族の娘
・兄のゴーシュは犯罪者だった
・転生の影響で騎士団員たちを襲っている
という状況。
さらに、アスタの仲間です。
ダムナティオはマリーの行いを断罪しようと、攻撃。
アスタはダムナティオの目論見通り、聴衆の前で悪魔の力を使い、マリーを助けました。
アスタ「お前のやり方はよくわかった。オレはお前の正義を認めねえ」
ダム「分かり合えはしない。悪魔などとは」
というわけで、新章突入。
シルヴァ家(ノエル)、ヴァーミリオン家(ミモザ)はルミエルの子孫です。
ルミエルの時代を終え、クローバー王国の王城は
シルヴァ家
ヴァーミリオン家
キーラ家
それぞれの王族の居住区にわかれました。
あとから現れたキーラ家が、現在の国王の属する勢力にして、魔法議会を抱える巨大勢力です。

彼らキーラ家と、キーラ家を支持する貴族たちの抑止力になっていたのが、魔法帝ユリウスでした。
ユリウスは弱体化したので、人前においそれと姿をさらすわけにはいきません。
弱体化がバレればますます抑止力としての力は失われますし、他国に侵略する機会を与えることにもなりかねません。
そんな状態ではじまるアスタ断罪。
ダムナティオはアスタのことを調べ上げ、アスタを悪魔として裁くべく、あえて目の前でマリーを攻撃し力を使わせました。
そのことから、かなり慎重で下準備を万全に行ってから動く人物であるとわかります。
ここから、さらに話が動きますのでお楽しみに。