前回のブラクロ
修業した。
ヴァーミリオン廷
アジトに帰還するなり、すぐさまアネゴレオンに連れ去られてしまうアスタとノエル。
やってきたのはヴァーミリオン廷。三大王家のひとつ、ミモザちゃんやアネゴレオンたちの家ですね。
ミモザ「アスタさんも呼ばれたんですね」
そこにはミモザちゃん、兄のキルシュもいました。
アスタ「なんなんだこの集まりは?」
ミモザ「わかりません」
けれど、なにやら深刻そうなフエゴレオン団長の顔。
ノエル「スペード王国がらみのことで、なにか勅命が言い渡されるのかも」
フエゴレオン「この会合は我が国の将来に、きわめて重大な影響を及ぼすものと心得てもらいたい」
口外禁止とのことで、
アスタ「極秘任務ってことか」
高まる緊張感。
しかし。
テレジア先生を祝う会
あらわれたのは、テレジア・ラプアール。
ゴーシュの妹マリーちゃんを預かっている教会の老シスターですね。
なんとこの集まりは
フエゴレオン「シスター在勤15周年を記念しねぎらうためのものだ」
アスタ「いやでもさっき、我が国の将来に重大な影響を及ぼすって」
フエゴレオン「テレジア先生は現在、未来ある子供たちを育てておられる」
というわけで、シスターであるテレジア先生をお祝いするパーティなのでした。
アネゴレオンいわく、わざわざ触れ回ることでもないから、他言しないようにしたとのこと。
テレジア先生は、フエゴレオンとアネゴレオンことメレオレオナの2人の教育係だったこともあるお方です。
テレジア「やれやれ、図体ばかりでかくなって、メレオ嬢もフエゴ坊も」
この2人をそんなふうに呼べるのは、テレジア先生だけですね。
アスタ「そういえば、レオはなんでいないんすか」
フエゴ「さらなる鍛錬をしたいと申し出があったので許可をした」
こうして、豪華な食事を前にはじまるパーティー。
ひっそりと潜入しているゴーシュ
テレジア「長いこと王都を離れていたせいか、すっかりこうした豪華な料理が性に合わなくなっちまった」
とはいうけれど、教会の子供たちにもご馳走してくれるということで、テレジア先生はパーティーに参加したのです。
現れた子供たちの中には、マリーちゃんもいました。
そして、マリーちゃんにも内緒でグレイの変身魔法を使い、子供の姿になったゴーシュまで。
アスタ「この氣は……」
と、気づきかけるも気づかないアスタ。
ゴーシュの変装を見抜いたテレジア先生は、「(マリーに)どんだけ会いたいんだよ」と呆れます。
かくし芸
食事の後は。
フエゴ「おまえたちでテレジア先生を楽しませるかくし芸をやってくれ」
と無茶振り。
ノエル(この私がかくし芸!?)
アスタ(なにを隠せばいいんだ!?)
かくし芸がなんなのかわかっていないアスタ。
テレジア「私からもお願いするよ。子供たちを楽しませてやってくれ」
テレジア先生は、自分がお祝いされることよりも子供たちのことを一番に考えていました。
とくいがるキルシュと、お兄様は存在自体がかくし芸、と兄には毒を吐くミモザちゃん。
そして、ノエルは母がこんな時はまっさきに動くと聞き、自分も水魔法の水芸を披露。
すっかり魔法の扱いが上手になったノエル。
アスタ「かくし芸ってそういうことか!」
と、アスタは剣を2本出して皿回しをします。
子供たちに大好評で、場所は違えど教会暮らしで子供の扱いにもなれているアスタはさすがですが、その剣は悪魔の力が宿ったものなんですけどね。
真面目過ぎるフエゴレオン団長
フエゴ「みなよくやってくれた」
テレジア「で、フエゴ坊はどんな芸をやってくれるんだい?」
フエゴ「えっ」
真面目で気品あるフエゴレオン団長も、テレジア先生の前ではおとなしく従うしかなく。
フエゴレオンは卵を三つ掴み、同時に魔法で熱します。
同時に熱した卵の温度を調節し、それぞれ異なる熟し具合のゆで卵をつくってみせました。
高度な魔力操作が必要な芸でしたが
子供「つまんない」
フエゴ「なんだと!?」
真面目過ぎる性格故に、子供には不評で。
アネゴレオンも、芸は勢いだと子供たちに魔法で迫力あるたかいたかいをしてあげて、怖がられてしまいました。
そんな2人を見て、「かわってない」というテレジア先生。
いわく、フエゴレオンとアネゴレオンは優秀だけど手のかかる子供だったそうです。
いくつになっても子供
真面目で、テレジア先生の考えたメニュー以上の訓練をし、オーバーワークしてしまったフエゴレオン。
自由すぎて、暴れまわっていたアネゴレオン。
だけど、テレジア先生が自由にさせてくれたおかげで、今のアネゴレオンがあるのです。
2人はテレジア先生に感謝していました。
けれど。
そんな2人も幼いころは魔力の操作が下手だったそうです。
テレジア「うまれつきの魔力が大きいと、子供の頃はそうなりがちでね」
それをうけ、ノエルは自分もちょっと遅かっただけで、普通なんだと安心して。
アネゴ「はずかしい思い出と言えば、フエゴレオンが小さい時、うっかり家宝のツボを割ってしまったこともあったな。あれは私が割ったことにしてかばってやったんだが」
フエゴ「あれは姉上が割ったのを私のせいにしたんですよ」
アネゴ「ほう。お前の中ではそういうことになっているのか」
記憶違いからか、口論に発展し、ついにはリアルファイトに突入する2人。
テレジア「お前たちはよく見とくんだよ。ああいう大人になっちゃだめだよ」
と子供たちに言い聞かせるテレジア先生。
ミモザちゃんもキルシュと兄妹の口論を始めて。
アネゴ・フエゴの喧嘩がエスカレートし、ゴーシュはマリーちゃんが危ないと介入し、返り討ちに。
アスタ「これ以上はシャレにならないっすよ!」
危険すぎる姉弟喧嘩を
テレジア「いいかげんにおし!」
とめたのはテレジア先生でした。
いくつになっても、団長になっても、先生にはかなわないようです。
テレジア「ふたりとも30すぎて家壊す喧嘩してるんじゃないよ!」
そんなこんなで騒がしくなったけれど、フエゴレオンとアネゴレオンの気持ちは嬉しいテレジア先生でした。
アスタ「紅蓮の女豹かっこいいっす」
というわけで、アネゴレオンとフエゴレオンの子供な一面という貴重なシーンが描かれたエピソードでした。
主人公たちに大切なことを教えたり、人の上に立つ存在である大人たちの子供な面。
そこをしっかり描いてくれるのは良質な作品ですね。