伝説の勇者ダ・ガーン – それは初期3部作の中では、最もハードなストーリー
勇者シリーズ全8作のうち、ダ・ガーンまでの3作は特に初期3部作として扱われます。というのも、この3作は全て谷田部勝義氏の監督作品であるため。初期3部作で完全にシリーズの基礎が固められ、残る5作はそれを独自に発展させた形で製作されたと言えるんじゃないでしょうか。
また、ファイバードの主人公は宇宙人でしたが、今作の主人公は再び地球人の少年に戻ります。ただし、今回の主人公・高杉星史は巻き込まれる形で勇者たちの戦いに関わるのではなく、“地球の意思”によって勇者たちの隊長として見出され、彼らと共に戦場に赴くことになるのでした。
エクスカイザーから続けて観てくれている視聴者の成長を考え、物語の対象年齢はファイバードから更に上がり、設定は更にハードなものに変わっています。今回の敵が狙うのは、プラネットエナジーと呼ばれる“惑星の生命エネルギー”そのもの!地球を死の星にさせないため、地球そのものが外敵との戦いに備えて生み出した勇者達は地球上の全ての命を背負って戦わなくてはいけません。そのため、メインテーマは「エコロジー」となっています。
主人公の成長も見逃せない
地球の意思たる宝珠・オーリンを手にし重い使命を託された星史ですが、普段の彼は能天気なお調子者。小学6年生にして多忙な両親の仕事を理解し、家で1人留守番をしながらも友人たちと明るく過ごしています。(父は防衛機構軍の大佐、母はニュース番組の看板キャスター)
最初のうちは使命感ゼロで隊長としても未熟さが目立っていますが、幹部達との戦いや仲間であるセイバーズの戦死と復活、そしてプラネットエナジーを解放されアフリカ大陸が引き裂かれる事態などを通して急激に成長していくのです。
今回の敵は“軍”!次々と送り込まれる幹部達を退けろ!!
オーボス軍と呼ばれる軍団の目的は、地球上のどこかにある5つの“解放点”と呼ばれるポイントを刺激することでプラネットエナジーを奪い尽くすことであるため、今までの敵陣営よりも無慈悲さが強調されています。 それは構成員への扱いにも及び、失敗が続いた幹部は更迭され、処罰を受けた後に再登場する点も特徴的。
そんなオーボス軍に所属する傭兵・セブンチェンジャーはセイバーズに致命傷を与えるなど視聴者に強いインパクトを与えますが、最も驚かされるのは彼自身が異星で目覚めた“勇者”である事でしょう。彼はオーボス軍によって全ての解放点をヒットされ、プラネットエナジーが解放された直後に目覚めたことで自分の星を護る使命を果たせず、母星の王子でその星のオーリンの持ち主であるヤンチャーを匿いながら、仇を討つためにオーボス軍に潜入していたのでした。
オーボスを倒すためにヤンチャーとセブンチェンジャーが必要と考え、探し続けていたのが“伝説の力”とよばれる物。地球に眠るそれを発動させるために必要な条件を満たすこと、それが物語のクライマックスになります。
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人気声優さんもいるよ!
主人公の星史を担当するのは、現在もポケットモンスターのサトシ役で活躍を続ける松本梨香さん。実はこれが2度目の主人公役。勇者シリーズの動画に松本さん在籍時のJAM Projectの楽曲が使われると、「星史が歌ってるぞ!」と書かれたりします。
主役ロボのダ・ガーンと、動物達の代表となる勇者ガ・オーンを共に速水 奨さんが担当。エクスカイザーに続いて2度目の出演です。
星史と衝突することもありましたが、最終的には共にオーボスと戦う仲間になったヤンチャーを担当するのは高野 麗さん。最近はFate/Grand Orderのフランシス・ドレイク役などで声を聞いた方もおられるかも。
ヤンチャーを護り育てた最大の理解者セブンチェンジャーは子安武人さん。デビュー5年目のまだまだ若手と言える時期の声が聞けますよ。
初期3部作でしっかりと培われた基礎から、それぞれ独自の発展を見せてくれる後半5作品へ。勇者シリーズは広がっていきます。
- シリーズはここから始まった『勇者エクスカイザー』
- 今日も世界平和を目指す!『太陽の勇者ファイバード』
- 初期3部作の最後を飾る『伝説の勇者ダ・ガーン』
- 正義の力が嵐を呼ぶぜ『勇者特急マイトガイン』
- 物語の舞台は実は2020年!『勇者警察ジェイデッカー』
- シリーズ唯一のコメディ作品!『黄金勇者ゴルドラン』
- 特撮の要素を取り入れた変身ヒーロー!『勇者指令ダグオン』
- 彼らの物語は、今も語られている最中!『勇者王ガオガイガー』