5月29日に公開予定だったアニメ映画『思い、思われ、ふり、ふられ』がコロナ禍の影響で延期になり、9月18日に公開されます。このコラムがアップされる頃にはもう公開しているでしょう。
原作・咲坂伊緒、監督・黒柳トシマサ、脚本・吉田恵里香の、4人の高校生男女が主人公のラブストーリーです。筆者は原作コミックを見ているので、4人のリアルな恋愛観、心情、成長が見もので、見ていてドキドキハラハラされるに違いないと感じました。
アニメ映画公開に先駆けて実写版『ふりふら』が8月14日から公開されているので気になる方はこちらもご覧ください。
ネタバレにならない程度に書いていきますが、注意してください。
4人の登場人物はみんな不器用
人見知りでいつも下を向いている由奈は、理央に出会って初めて生身の異性に恋します。いろいろな心の移り変わりと、理央の優しさ、恋愛観に傷つきながらも成長していきます。この話で一番成長したのは由奈ではないかと思うくらい変わっていきます。由奈を知る登場人物は皆由奈のことをすごいと感じています。
恋愛に積極的な朱里も、恋愛観と自分が実際に恋して感じることが違ってすれ違いが生じてしまうことが不器用だと感じました。そんな朱里も、登場人物に影響されながら成長していきます。
モテモテ王子様タイプの理央は秘密の恋をしていましたが、その相手の登場人物の気遣いや由奈のまっすぐな恋に影響され、心情が変わっていきます。一度は由奈のことをふりますが、心変わりをしていき、葛藤に苦しむところが不器用だと感じました。
一番恋愛から遠いと感じた和臣は、だんだん登場人物に恋をしますが、秘密を知ってしまったため、登場人物に告白することを躊躇してしまうところが不器用です。
4人とも不器用ながら、恋愛を通して成長していく高校生らしく初々しい過程を見てください。
家族が絡みながらも成長する4人の登場人物に注目
普通のアニメに親や家族がキーパーソンになることはあまりないと思いますが、この作品ではいやほど家族が絡んできます。あえてそうすることによって心情がよりリアルになってきます。
将来の進路という、普通の高校生が必然的に味わう出来事も描かれています。出会いがあるから離れなくてはならないところもあるのかなと思わせるところも出てきます。それにも家族が絡んできます。
原作コミック、実写版映画と比べて楽しむ
原作コミックは全12巻あって全部読破するのにちょっと時間がかかりますが、登場人物の細かい心情が丁寧に描かれています。実写版映画を見たときここが省かれているな、ここが変わっているなと感じて面白かったです。
興味があればぜひとも読んでください。映画を見る前でもいいですし、見た後でもいいです。実写版映画と比べても面白いでしょう。
実写版映画では神戸がロケ地でしたが、とてもきれいに撮られていました。アニメ版も、PVを見る限り実写版では難しい表現をとてもドラマチックに丁寧に描かれているので、筆者はどんなふうに表現されているか実際に見るのが楽しみです。
登場人物の心情がどんなふうに描かれているかを見るのもポイントでしょう。
このように、作品では4人それぞれのリアルな恋愛観と心情と成長が描かれているので、4人の心の移り変わりをハラハラドキドキして見るのがいいでしょう。
原作、監督、脚本、声優、音楽のどれも素晴らしいので、きっといい作品であるでしょう。特に脚本は原作者に気を遣っているので、原作コミックファンは期待してもいいでしょう。いえ、きっと想像以上に素晴らしい作品であると期待しています。