TVアニメ「魔女の旅々」第1話『魔女見習いイレイナ』【感想コラム】

TVアニメ「魔女の旅々」第1話『魔女見習いイレイナ』【感想コラム】

早くも2020年10月を迎え秋アニメの季節になりました。秋アニメはアニメスケジュールのずれが原因なのか夏クールよりもアニメ本数がかなり多い気がします。 「魔法科高校」「ラブライブ!」「ヒプマイ」などなど非常に注目作も多い秋クール。

その中で、白石定規によるライトノベルが原作の魔女・イレイナが様々な場所で出会う人々との物語を時にはブラックに、時には感動的に描くオムニバスファンタジー「魔女の旅々」にフォーカスを当てて感想記事を書いていきたいと思います。

余談ではありますが、同じ作者の作品である「リリエールと祈りの国」というライトノベルも同じ「魔女旅」シリーズの世界観やキャラクター受け継いでいる作品なのでこちらも是非アニメ化をしてほしいところである。

アニメ「魔女の旅々」第1話『魔女見習いイレイナ』 あらすじ  

イレイナは『ニケの冒険譚』を読み、魔女になって旅をする夢を抱く。 試験に合格し、あとは他の魔女に弟子入りして一人前になるだけなのに、どの魔女からも門前払い。遂に怪しげな「星屑の魔女」に弟子入りを頼むことにする。

作品の世界観

TVアニメ「魔女の旅々」第1話『魔女見習いイレイナ』【感想コラム】
画像引用元:© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会

まずは本作の簡単な世界観のご紹介を。 魔法が当たり前にあり、魔法の使える遺伝子を持った「魔法使い」が存在する中世のような架空の世界。 本作の主人公であるイレイナは魔法使いの最高位である「魔女」という存在に若干15歳という若さで成った所謂、天才少女

厳しい昇格試験などが行われ、魔道士、魔女見習いと昇格していくのですが、すでに「灰の魔女」という二つ名を持っています。 第1話では彼女が魔女として旅に出る前、師である星屑の魔女・フランの下で修業をしていた時期が描かれます。

天才少女・イレイナ

TVアニメ「魔女の旅々」第1話『魔女見習いイレイナ』【感想コラム】
画像引用元:© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会

幼いころから本を読むことが好きだった少女・イレイナ。彼女が一番お気に入りの本が『ニケの冒険譚』という魔女のニケが世界各地に旅をした記録を綴ったもので、イレイラもニケのような冒険をしてみたいと目を輝かせます。 そんなイレイラの望みに彼女の両親は「大きくなって魔女になったら旅に出ても良い」という、些細な口約束をします。

それはあくまで子どものイレイナに対してのジョーダンのような口約束。 しかしイレイラは勤勉に魔女の勉強を重ね史上最年少という14歳で「魔女見習い」へと昇格を果たすのでした。 「魔女見習い」から「魔女」へとなるには他の魔女に弟子入りし一人前と認めてもらわないといけないのですが……。 彼女が天才すぎるが故に、平和国・ロゼッタの魔女たちは彼女を面白く思わずなかなか師が決まりませんでした。魔女の世界もなかなかにシビアな競争世界なようです…。

しかし、そんな魔女界でも有名なイレイナを知らない一風変わった、森にすむ「星屑の魔女」のウワサを聞いたイレイナはその魔女の元を訪ねてみることに。 期待半分で訪ねたイレイナは、自分の存在を知ってなおも弟子入りを許してくれた星屑の魔女・フランの元で魔女としての修行を積むことになります。

フランの与えた試練

TVアニメ「魔女の旅々」第1話『魔女見習いイレイナ』【感想コラム】
画像引用元:© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会

朝食を作ってほしいというフランは「ステーキが食べたい、ダメならその辺の雑草。じゃあパンが食べたい」という超絶マイペースで、どちらかというと変わり者という印象。 まったく魔女としての修業は行われず、フランはイレイナにお使いや、料理、雑用しか頼まずイレイナはうんざりと感じてきます。 そんなイレイナに突然フランは「試験を行う」と言い出すのですが、それは「師であるフランと魔法で戦う」というもので、フランは全力でイレイナに向かい魔法をぶっ放してきます。 その魔法の攻撃に、いくら天才のイレイナとはいえまったく歯が立たない。細い目で表情を変えずに攻撃を繰り返す姿まるで悪役…。ちょっと怖い…。

これまで史上最年少で魔女見習いに昇格し、試験では「退屈でした」と言ってしまうくらには少し傲慢で、これまで挫折を知らないイレイナの初めて味わう敗北でした 初めて味わった屈辱に思わず涙を流してしまうイレイナ。泣かせてしまったことを本気で慌てるフランは魔法の蝶を出したり、雑草で冠をつくったり、炎でお手玉をしたりとあの手この手でイレイナを慰めようとするも涙を止めることができず…。 最後にフランはイレイナを抱きしめて落ち着かせようとします。イレイナはそれでもフランに抵抗し、我慢して我慢して、それでも「これだけ努力を重ねても認められない」と他の魔女に忌み嫌われる自分や周りの存在が許せずにはいられませんでした。

しかし、フランのやってきたことには裏がありました。 あえて失敗や挫折を与えるように仕向けてほしいとイレイナの両親からの頼みで、イレイナに魔法を教えずにいたのでした。 それでもイレイナはキツイ雑用に我慢し、目標のためならば努力を惜しまない勤勉さを見せ、フランは決してイレイナが才能だけの存在ではないと感じたのです。 しかし、その忍耐強さこそが強さであり弱さでもあると説きます。自分自身のために時には自己主張すべきなんだと生まれて初めて投げられた言葉にイレイナは胸を打たれたのでした。 それからイレイナはフランの元で、自分自身に素直になりながら時にぶつかりながらも充実した修行を行っていきます。

イレイナはついにフランから認められ、「灰色の魔女」という二つ名をもらいフランはイレイナの元から去っていくのでした。 両親からは必ず帰ってくるという条件をつけ無事に魔女となったイレイナは当初からの約束であった、旅に出向きます。

魔法使いのファンタジーだけど魅力は魔法にあらず!?

TVアニメ「魔女の旅々」第1話『魔女見習いイレイナ』【感想コラム】
画像引用元:© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会

いい話だな~~~!!!! 魔女の旅々という作品から思わずただのファンタジー作品だと連想しちゃいますし、実際ファンタジー作品ではあるんですけど、この作品って魔法が当たり前に存在する世界の人間たちのすごく人間くさ~い部分を濃く描いている作品なんですよね!

この先にイレイナが旅先で訪れる国の人々の話もそういった「人間の芯の部分」を表現したストーリーがたくさん出てきます。あくまで「魔法使い」や「魔法が」メインのお話じゃないところが魅力なんです。 天才魔法少女の苦悩とか、今回のフランがイレイナにとった行動も、魔法を使ってイレイナを落ち着かせようとしますが上手くいかず、最終的には人の温もりで落ち着かせるといった、魔法ではできないことを人間がすることできるといったメッセージみたいなが感じられてすごくジーンとくるシーンでした。

こうした世界観やキャラクターたちにすごく引き込まれるものを感じた第1話でした。

魔女の旅々 アニメ情報

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