前回のブラクロ
デビルビリーバーは国境を越えようとしていた。
立ちはだかる強魔地帯


デビルビリーバーのボゥは、魔力がほとんどない故に努力し、独学で薬の知識と技術を身に着けました。
そんなボゥのことを、ダズーは尊敬していました。
嵐の中、悪魔を崇拝する国民たちを集め進軍するダズーとボゥ。
この世界にも爆弾はあるようで、魔法ではなく爆弾で崖を切り崩し、国境を目指します。
しかし、クローバー王国とスペード王国の間にあるのは、強魔地帯。
荒れ狂う天候や、魔力の激しい乱れ。いつだけ常時ダメージを受けるような危険なところ。
セクレ「魔法騎士といえども、強魔地帯をこえるのは至難の業」

とセクレは言います。
アネゴレオンが修行場に選ぶような過酷な世界が強魔地帯です。
魔法騎士ではないどころか、魔力もろくにないダズーたちに超えられるはずはない。
そうセクレは思います。
アスタ、追いつく
一方マグナは、ヤミ団長に通信を飛ばすも、強魔地帯付近なため魔力が乱れ通信が不能になっていました。
そこでマグナは通信の届く場所を求めて移動。
アスタとノエルには動かないよう言いつけますが
アスタ「ネロが心配なんだ」

と、動き出すアスタ。
アスタ「俺たちはわかりあえるはずだ」
ノエル「話し合ってわかりあえるなら、最初から……」
といいつつも、アスタに従い共にダズーを追いかけるノエル。

ダズーとボゥは、お互いを支えにして生きてきました。
そんな2人の前に、到着するアスタとノエル。
セクレ「アスタ……」
アスタ「やっと追いついたぜ」
魔力の少ない者たち
ノエルはダズーたちと共にいる人々を見て、気づきます。
ノエル「この人たち、魔力をほとんど感じないわ」
ノエル「魔法をほとんど使えない人たちが、この国にはこんなにいるの……」
改めて、この国の現状を知るノエル。
ノエル(私たち魔法騎士が、守るべき国民を攻撃していいの?)
悩むノエルでしたが、人々は襲ってくるどころか、跪き、
「アスタ様……」
とアスタを崇めました。

否定されてきた

アスタ「ネロを解放してくれ」
ボゥ「ネロを引き渡すわけにはいかない」
交渉をするも、取りつく島を与えないボゥとダズー。
ダズーたちは、危険だと知りながらも強魔地帯越えを目指します。
魔法がすべてのクローバー王国で、ろくに魔法が使えないから。
ダズー「アスタ、あなたならわかるでしょ」
魔法がろくに使えない。
ただそれだけの理由で、さげすまれ、否定されてきた。
アスタ「でも、そんなあんたを旦那さんは認めてくれたんだろ」
アスタ「ろくに魔法が使えなくても、幸せに」
ダズー「幸せなんてなかった」
ダズーの夫と、夫の家族は、自分たちが一番下ではないと思いたいがためにダズーを利用し、内心では見下していたそうです。
ボゥもまた、薬の腕があっても、魔法が使えないというだけで実力を認められないまま過ごしてきました。
「魔法が使えないってだけで馬鹿にされて!」
と、同じ境遇を生きる人々が声を荒げます。
彼らはダズーたちに騙されているのではなく、賛同してついてきているのでした。
ボゥ「あなたならわかるでしょう」
アスタ「わかるからこそ、止めなければならねえ」
ダズーは魔力がほとんどないので、悪魔の力を欲し、その力でクローバー王国に復讐したいのだと言います。
悪魔の力を求め
ボゥ「あなたは私たちの憧れよ」
ダズー「私はあなたになりたい」
アスタ「俺は違う!」
アスタは努力し、それを否定されても誰かを恨むことはせず、ひたすらにまっすぐ生き、力を得た後も、人々のため、クローバー王国のために戦ってきました。
ボゥ「私たちもそういう風に考えることが出来たら、どれだけよかったかしらね」
ダズー「心に燃え盛る復讐の炎を消すことはできない」
そこでアスタは説得をやめて、自分がついていくのでセクレを解放するように言います。
というわけで、ダズーとボゥはアスタとノエルに手錠をします。
アスタとそのグリモワール、それにノエルを手土産にスペード王国に取り入ろうというのです。
ダズーたちが強魔地帯を抜けるために考えた方法は、
・ダズーの触媒魔法で、魔力は少ないがみんなの魔力を集めて身を守る
というものでした。
セクレ「魔力がもつかどうかもわからないわ。いえ、無理」
ダズー「だけど、誰かがたどり着けるかもしれない。その誰かが悪魔の力を授けてもらえるかもしれない」
そこへ、遅れてヤミ団長とマグナが現れました。
肝心なところがずさんな計画。
たとえばスペード王国についたところで、魔力も戦闘力もろくにないダズーたちに悪魔の力を授けるメリット、スペード王国側にもないんですよね。
さらにいえば、アスタが活躍したのはアスタの努力によるもので、それでもアスタより強い魔法騎士はたくさんいます。
ダズーたちが悪魔の力を得たとしても、ヤミ団長やアネゴレオンに勝つのは無理でしょう。
それを言っても納得はしないでしょうし、魔力の少ないものが虐げられている現状は、ユリウス魔法帝にとっても好ましくない状態。
国王には期待できないなか、ここをどう解決へ導くのか、楽しみです。