穂村千夏(ほむら ちか)ことチカは、たまたまテレビで見た吹奏楽コンクールに感銘を受け、進学先の清水南高校ではフルートの吹けるキュート乙女をめざし、吹奏楽部に入部する。
同じく新入部員の美少年、上条春太(かみじょう はるた)ことハルタは、9年ぶりに再会した幼馴染であった。
幼い頃、チカに虐められたことなどが原因で女嫌いになったハルタと、イケメン吹奏楽部顧問の草壁信二郎(くさかべ しんじろう)を奪い合うことになった。
ハルタとチカは、部員不足の吹奏楽部を立て直すため、草壁先生の気を引くため、部員集めに学校中を駆け回る。
わたしは弟に恨まれている~成島美代子(なるしま みよこ)

全国大会出場経験もあるオーボエ奏者。
演奏会中、弟が病院で一人寂しく息を引き取った。
弟は自分を恨んで死んでいったに違いない。
パズル好きだった亡き弟が遺した全面真っ白のルービックキューブ・・・それは弟が自分に与えた罰だという。
ハルタが真っ白な面に色を塗り足したところ、そこに亡き弟の姉への本当の思いが浮かび上がる。
ぼくは親に捨てられた~マレン・セイ
アメリカ人の父はプロのサックス奏者。
中国系アメリカ人のマレン・セイ、アメリカ人に育てられたが、実の両親は中国人。
その実の親から、中国の一人っ子政策と足の障碍が原因で煙たがられ、旅行鞄ひとつでアメリカへ養子に出されたと思っていた。
入部を賭けて、演劇部員と吹奏楽部員と、の即興劇「脱出ゲーム」・・・制限時間内に、理由を付けて対象者をその場から退場させるか、留まらせるか・・・対決に参加。
実の親が持たせた旅行鞄の暗証番号「2099
が「爱你久久(永遠に愛している)」の語呂合わせだと指摘。
その真偽を確かめさせるべく、中国の実の親元へ「さあ、行ってこい!」
ぼくは隠れ家からは絶対に出ない~檜山界雄(ひやま かいゆう)
周りからは、お寺の息子でありながら、不登校のひきこもり問題児だと思われていた。
実は、お寺の離れに無届の老人施設を作り、家族から邪険にされていた7人の老人を住まわせていた。
親とコネのあったFMラジオ局の協力を得て、施設からパーソナリティーとしてラジオ番組「七賢者への人生相談」を配信、そのために不登校となっていた。
隠れ家がバレて、番組も最終回にせざるを得なくなった。
七賢者曰く、「最後の相談者はお前だ、界雄」
ハルカとチカが向かう先には事件あり
事件があってもそこに悪人など存在しない。
むしろいい人ばかりです。
「ハルチカ」は、長い夜を過ごすにはうってつけの、見たことない人にはぜひ見てもらいたい涙腺うるうる物の感動話集です。