もともとは京都の裏通りの小さなお店、居酒屋のぶ。
地元のお稲荷さんに巣食う白狐のイタズラで、店先を異世界につなげられてしまった。
当然、訪れるお客さんは異世界人ばかり。
その中でも徴税請負人のゲーアノートさんは高額な税を搾り取り、潰れた店もあるというほど人々から恐れられる存在である。
が、彼の活躍がお見事なのだ。
「私の一生はキャベツを食べ続けるだけで、終わるところだった」
居酒屋のぶをターゲットにして、客としてやってきた。
店内を見渡すと、異世界では高級とされるガラス製品に満ち溢れている。
証拠はいくらでも揃っているようだとほくそ笑みながら、「キャベツの塩昆布あえ」をひたすら食べ続け、いつしか容器の中は空に。
上記のセリフを吐きながらも、おかわりを要求するのだった。
「アガペー」(神の愛)
大好物はパスタのようで、しのぶちゃんの賄い料理ナポリタンを横取り。
ナポリタンの赤さに驚き戸惑いながらも、勧められるまま、まずは粉チーズをかける。
「この組み合わせを考えたやつは天才だ!」
続いてタバスコをかけて食べる。
「これは生命、宇宙、全ての答え!」
やがて気分は最高潮に達し、上記のセリフへ。
満足したゲーアノートさんは「のぶ」潰しを諦め、口の周りにナポリタンソースを付けたまま、意気揚々と人通りの中を帰っていくのであった。
「あなたは何故ラガーの味をご存じなのですか?」
豪商にして帝国参事会議長バッケスホーフが、居酒屋のぶにちょっかいを出す。
お店の買収を断られた腹いせに、お店で「トリアエズナマ」として出しているビールを、ご禁制のお酒「ラガー」であると主張して店を潰そうとするのだ。
そしてその調査員にゲーアノートさんが駆り出されてきた。
調査の結果を報告するゲーアノート。
密輸されたラガーは37樽。
そのうち30樽は隣国へ、6樽は南方へと国外へ運ばれた。
残る1樽の行き先はなんと「バッケスホーフ商会」!
「わかっていないのは、誰の口に入ったのかと言うことだけです」
そして上記のセリフへ。
こうしてバッケスホーフの目論見を退けたのだった。
「ウナギ弁当は3つでお願いしますよ」
バッケスホーフを退けたとはいえ、ラガーがご禁制であることには変わりはない、トリアエズナマの販売は当分自粛するように釘を刺しながらも上記のセリフ。
悪役として登場したかと思えば、まったく・・・爽快な気分にさせてくれちゃって。
普段、毅然としているかと思えば、狼狽したり、泣き出したり、色んなリアクションを見せてもくれるゲーアノートさんを紹介しました。