『パーマン』は藤子・F・不二雄原作のヒーローものアニメです。東京の藤子・F・不二雄ミュージアムバスに描かれている空飛ぶ、マスクをかぶったキャラクターがそうです。白黒アニメの第１作とカラーアニメの第2作があります。
第1作は1967年4月2日から1968年4月14日までTBS系列で放送されました。第2作は1983年4月4日から1985年7月2日までテレビ朝日系列で放送されました。
筆者が見たのはカラーアニメの第2作のほうです。第2作は今もGYAO!で無料で見られますし、CSテレ朝チャンネルでも見られます。有料ですがamazon Prime Videoでもみられます。ですから、第2作のことを挙げます。
昭和感いっぱいのアニメですが、マスクをかぶってマントをつければ普通の小学生の子供が空飛ぶヒーローになる、等身大のヒーローものなのです。
無理やりパーマンにされた主人公が、今考えれば気の毒すぎる
主人公はパーマン仲間から1号と呼ばれている、小学5年生の須羽ミツ夫です。それといったとりえのないごく普通の男の子ですが、バードマンという突然現れた宇宙人にパーマンに無理やり任されたのです。
パーマン仲間とともに命がけで事件にあった人を助けたり、悪の組織と戦ったりとがんばります。無償でパーマンをやりながらも、学業と両立しているのが大変です。挙句の果てにバードマンにパーマンの正体が須羽ミツ夫だとばれたら動物にされると本気で言われます。
パーマンセット（マスク、マント、バッジ）をつけたらパーマンになり、骨がダイヤモンドのように丈夫になり空を時速119キロで飛べます。ただし、不死身になるというわけではなくいろいろな攻撃にやられます。
パーマンの正体がばれたら動物にされるというのにかかわらず、パーマンの正体をあかそうという人物が絶えません。妹のガン子さえもそうです。
そんな大変な思いをしてまでパーマンを務めているのは普通に考えれば割に合わないし、気の毒だと思います。
でもパーマンになったからこそ、仲間と共に力を合わせて戦い、助けられた人に感謝され、やりがいを感じているのでしょう。等身大のヒーローだからこそ、スカッとする場面だけでなくハラハラドキドキさせられるので、子供たちの共感も大きいのでしょう。また、普通の小学生がパーマンを務めているという葛藤も子供たちの心をくすぐります。
『パーマン』は1号から4号までいる。ちょっと戦隊ものに似ているアニメ
先ほどパーマン仲間と述べましたが、パーマンは1号から4号までいます。2号はブービーというチンパンジーの子供で、バードマンが2号を決める際バッジを落として当たった人にするはずが、チンパンジーの子供に当たって2号になったというわけです。2号は仲間からブービーと呼ばれ、ジェスチャーでコミュニケーションします。
3号は女の子のパーマンです。仲間からはパー子と呼ばれています。仲間には正体を明かしてもいいはずが、パー子だけは正体をだれにも明かしません。『パーマン』を見ていけば誰がパー子なのか、パー子が正体を明かさないのか分かるのであえて述べません。いつもミニスカートなので、パンツが見えないのか筆者はハラハラします。
4号は大山法善という大阪の小学6年生の小坊主で、年の割には頼りになる存在です。ぽっちゃりとしていて、仲間からはパーやんとよばれています。パーマン仲間と初対面の時、いくらほかのパーマン仲間には正体を明かしてもいいとはいえ、あっさりと自己紹介してマスクを外したのにはびっくりしました。
ちょっと戦隊ものに似ていることはこの4人からわかります。主人公が仲間と力を合わせて戦うことは、映画版ドラえもんののび太達にも似ています。
コピーロボットとの付き合いが、話の内容を盛り上げる
パーマンには、パーマン活動をしているときのアリバイのため、赤い鼻を押せば自分のコピーになるロボットを与えられています。藤子・F・不二雄作品でいう相棒はパーマンではコピーロボットなのです。コピーは本人よりおっちょこちょいのため、ハラハラドキドキさせられて安心してパーマン活動ができないじゃないかと心配してしまいます。ちなみに、おでこをくっつけることで記憶をコピーできます。
このように、コピーがあまり頼りにならないので、こちらまでハラハラドキドキさせられます。でも、このことがパーマンの話を盛り上げるのです。
でも、子供の頃はこのコピーロボット、「欲しい！」と思ったことありませんか？私は、「どこでもドア」の次に欲しかった未来アイテムです。
パーマンは特に変身するわけでもなく、パーマンセットを身に着けるだけで正義のヒーローになれます。正体を明かせず、コピーロボットに頼ることで等身大のヒーローとなるのです。
子供たちはパーマンにあこがれるだけではなく、感情移入してハラハラドキドキさせられるのです。
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