TVアニメ「あんさんぶるスターズ!」第二十話『オータムライブ~後編~』【感想コラム】

TVアニメ「 あんさんぶるスターズ! 」第二十話『オータムライブ~後編~』【感想コラム】

玲明学園の正門前で、イヴの2人との接触に成功したつむぎ、真緒、あんず。夢ノ咲学院の生徒である3人が玲明学園にいることを不思議に思うイヴでしたが、真面目な話があるのだと察してくれたようです。

ジュンはトリスタがアダムに苦しめられているのを見抜き、身内に不利になることはあまり言えないと悩みますが、日和は「つむぎにはお世話になったから」と話をしてくれることになりました。

凪砂の生い立ち

話をする場所として選ばれたのは、日和家の財団が経営する飲食店です。日和はアダムの2人について、”凪砂は生涯の親友”だが”相方の毒蛇(茨)についてはよく知らない”と言います。エデン(アダムとイヴが合体したユニット)はビジネスとプライベートをくっきり区切っているため上っ面しか知らないのだと。

そして陰謀論めいていてバカバカしい話かもしれない、と前置きしたうえで乱凪砂の生い立ちについて語りだします。昔、ある”芸能界を裏から支配する権力者”が亡くなったあと、その人物が秘密裏に一人の美少年を囲っていたことが判明しました。権力者に囲われていた美少年、それが乱凪砂でした。綺麗な部屋でお人形のように飾られていた凪砂は、発見された当時中学生ほどだったにもかかわらず、まともな教育も受けていませんでした。

その後一時的に日和の家に引き取られた凪砂は、当時から「アイドルになりたい」と言っており、日和も一緒に過ごすうちに同じ夢を見るようになります。夜遅くまで歌って踊るのは、2人にとって楽しく笑い合える幸せな時間だったのです。しかし最近の凪砂は事務所の戦略や茨の思惑もあり、過激なことをしています。凪砂が茨の思惑通り動くのは、幼少期の生い立ちからして特に理由なく従っている可能性が高いと日和は言います。

日和「光すら出口を見つけられず、永遠に囚われてしまう深い穴。そこにいる彼を、君たちは見つけ出さなきゃいけないね。Trickstarが今戦っているのは、そういう子なんだね。」

トリスタVS毒蛇

一人レッスンをこなすスバルに、茨が話しかけます。茨はスバルに、自分が用意したホテルに泊まるべきだった、弓弦が手配した旅館は全然だめだと言います。弓弦が旅館を新たに手配したことで、監視カメラでトリスタの動向を探る、という茨の作戦が失敗したのです。スバルの携帯がメッセージを知らせ、次のレッスンへと向かう後ろ姿に茨の顔は悔しそうにゆがみます。

トリスタの気持ちをバラバラにしたのも、一致団結し強さを発揮されるのを避けるための茨の作戦でした。スバルのタブレットには真緒からたくさんの、クマのイラストスタンプが送られてきます。懐かしいと笑うスバルの後ろでは、茨も同じ画面を見ていました。しかし、茨には連続して送られてくるスタンプの意味までは分かりません。

ステージの設営

TVアニメ「 あんさんぶるスターズ! 」第二十話『オータムライブ~後編~』【感想コラム】
画像引用元:(c)Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

豪華なオータムライブの舞台を見つめる真に、設営の手伝いをしていた弓弦が声を掛けます。トリスタの舞台設営について、秀越学園の生徒は手を付けてはくれない、過剰にもてなしているのに本音が透けていると弓弦は言います。手伝いに戻った弓弦を見ながら、真は「無邪気で間抜けなふりをして、もっと深みまで踏み込もう」と考えていました。

そのとき真は、目の前の舞台に凪砂の姿を見つけます。凪砂は、アダムとトリスタのステージが対面になっているのに気づき「茨性格が悪すぎる。トリスタを潰すのはどうかと思うけど。」と独り言をつぶやいています。凪砂を見た真は、浮世離れして不思議な存在、だけど息苦しそうだと昔の自分と重ねていました。

真の姿を見つけた凪砂は声をかけ、個人であがいても運命は変えられないと言い切ります。トリスタじゃアダムに勝てないという意味かと真が尋ねると、勝ち負けではないという答えが返ってきました。凪砂は、夢を見ていられるトリスタが羨ましいのだと言います。

一方で茨と弓弦は久しぶりの再会を果たしていました。2人は、かつて軍隊のようなところにいた頃に知り合っていたのです。茨に対し、「泥臭い戦場の犬だったあの頃と何も変わらない。」と冷めた目で言う弓弦。茨は「弓弦は姫宮さん家の飼い犬になった。」と蔑むように言い放ち、2人のいる空間は重く暗い雰囲気です。

トリスタ側の策略とは

北斗とスバルは、真緒からのメッセージをしっかりと正しく解読していました。真緒はスタンプのみのメッセージで「あんずと玲明学園に行きイヴの二人に色々聞いた。」と現状を伝えていました。トリスタ4人の練習時間が取れないことや、個人レッスンばかりなのは秀越学園側の作戦だとスバルと北斗は気づいていました。

トリスタは、それぞれが敵の策略にはまったふりをして、対策を練っていたのです。レッスン後スバル、真、北斗が旅館に戻ると、真緒から新しいメッセージが届きます。内容は、「調査のためだけに玲明学園に行ったのではない、臨時講師をしているある人物との接触も目的。」だと書かれていました。そこまで読んだとき、背後から「ほっちゃん!」と、ある人物の声がしました。

北斗の父、現る

振り向くと、そこにいたのは北斗の父親でした。北斗の父である氷鷹誠矢は、アイドル業界の生ける伝説と呼ばれており玲明学園などで臨時講師もしています。いきなりの父親の登場に北斗は軽くパニックに陥りますが、そんな息子をよそに「ほっちゃんのパパです。」とお茶目に自己紹介し挨拶をする誠矢。

照れから反抗的になる北斗ですが、その様子を見ていたスバルは「父さんと言い合えるのは羨ましいよ、ほっけー。」と素直な気持ちを告げます。誠矢はスバルの元へ行くと、スバルくんもお父さんにそっくりですね、と抱きしめ優しく言葉を掛けます。父に似ていると言われたスバルは照れながらも、そう言われるのはうれしいと笑顔です。

ところでホッケーパパは何しに来たの?とスバルが聞くと、あんずと真緒に頼まれて来たのだと誠矢は答えました。

オータムライブ当日

ライブ当日、舞台裏では北斗がサポートの生徒にお礼を伝えます。リベンジマッチという名目ですが、勝ち負けはないよねと真。スバルは、お客さんを集めて盛り上げられたら勝ちと独自のルールを作り北斗も賛成します。弓弦とつむぎは、秀越の人は全く手伝ってくれなくなったと雑務に戻ります。アダムも、勝利以外考えていません。

あんずの作戦と団結力

結局アダムの2人は悪意を向けなかったね、と話す真は、”トリスタをコズプロに入るよう仕向けて取り込むつもりだった”という茨の策略に気づいていました。一人で様々な手段を使い情報収集をしていた真は、アダムと本気で敵対するのはかなり危険だと分析しました。スバルは、凪砂の言葉で打ちのめされていた真緒を気遣います。

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画像引用元:(c)Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

しかし真緒は、「もう気にしてない、今回言われてよかった。俺は懐中電灯なのかもしれない、3人がまぶしく輝くからその光で自分も星だと思い込んだのかもしれない。」と少し自虐的です。サリーはお星さまだよ!とスバルはなんとか真緒に自信を取り戻してほしいと必死です。

ずっと大人ぶってたけど、みんなと同じ夢を見る子供だと自覚した、と続けた真緒は「懐中電灯じゃありえない熱量を爆発させて、お前らとおなじ星になる!」と完全に立ち直ったようです。この真緒の言葉でトリスタにはキラキラの笑顔が戻り、より団結を深めます。そしてあんずの声でスタンバイしたトリスタは、アウェーであるはずの場所なのに客席に自分たちのうちわを持ったファンが大勢いることに驚きます。

実はこれはあんずの作戦でした。あんずが北斗の父に頼んだのは、玲明学園や系列校でトリスタを宣伝してもらうことだったのです。父の協力もあり、アウェーに感じないステージでトリスタは魅力全開のパフォーマンスをします。トリスタの今回のステージはいつもの爽やか・元気というイメージとは違い、大人っぽくかっこいい雰囲気に仕上がっています。楽曲もクールな『BREAKTHROUGH!』です。

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画像引用元:(c)Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

アダムのステージ

トリスタのステージを眺めていたアダム。今日は台本はいらない、使えないと茨に告げた凪砂は、トリスタを噂通りの革命児だと評価します。久しぶりに愉快だと凪砂は楽しそうですが、仕掛けた策をことごとく見破られたことが仇になったと茨は少し面白くなさそうです。凪砂は、スバルの父親から歌を教えてもらった過去を思い出し、今あの人の子供(スバル)と敵として向き合うのは運命だと感じていました。

今日のアダムのステージは威風堂々とした、王者のようにふるまうのは避けるべきだと判断し、いよいよアダムのパフォーマンスが始まりました。その瞬間会場の空気がガラリと変わったのを、トリスタも観客も感じ取ります。

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画像引用元:(c)Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

凪砂「父はアイドルを愛していたから芸能界を支配し、無数のアイドルを世に生み出した。愛はわからないけど、私がアイドルになればわかるようになるのかな。ただそれだけを求めている。」

圧倒的なステージを見たトリスタは、アダムの実力を思い知らされます。

北斗「乱凪砂が歌った瞬間に、すべてがひっくり返されてしまった。」スバル「悔しいけどやっぱりとんでもない。」真「今はアダムが優勢かもしれないけど、まだまだ大接戦だよね。」真緒「見てろよアダム。いつか眩しいって怯ませてやる。今は懐中電灯でもいつかきっと。俺は絶対にお前らに土下座なんてしてやらないからな。」それぞれの想いを胸に、オータムライブは幕を閉じます。

アダムの圧倒的な強さ

今回のオータムライブではしっかり策を練って挑んだことやステージのパフォーマンスから、トリスタの成長そして実力をつけたことが伝わってきました。それでもアダムのステージは、トリスタの作り上げた空気を変えすべての観客を魅了する圧倒的なものです。

『SS』までに、トリスタがさらに成長するのが楽しみです。

あんさんぶるスターズ! の各話を振り返りチェック!


あんさんぶるスターズ! アニメ情報

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