アニメ「スーパーカブ」第5話『礼子の夏』 あらすじ
礼子の自宅に招かれた小熊。そこで目にしたのは傷だらけになった礼子のカブだった。少し気になりながらも、料理をし始める小熊。食事中、礼子が話し始める。夏休みの間、「近くて遠い場所」に行っていた、と。
今回は異色の礼子回
夏休みのアルバイト経験を経て、カブ乗りとしても人間的にも成長した小熊。 一方で、「デカイことをやりたい」と豪語していた礼子。そんな礼子の家に初めて呼び出された小熊は礼子の“とある挑戦”のお話を聞かされます。 今回は珍しく小熊以外にスポットの当たる回となります。
近くて遠い場所
初めて訪れた友人の家。タンクトップ一枚という夏とは言え、非常にラフな恰好の礼子に向かいいれられ小熊は初めての礼子の家の中に入ります。 礼子も小熊同様に一人暮らし中ですが、その家はログハウスで家の中に、そのままバイクを入れられる非常にワイルドな生活をおくっていました。 質素な部屋…というよりは、バイクのためのバイカーの秘密基地のような印象の部屋。
小熊は礼子の郵政カブがひどく傷んでいるように見える。 小熊が夏休みにどこにいっていたのか尋ねると「近くて遠い場所」というなぞなぞのような返答。
礼子の挑戦
礼子の挑戦。それは富士山をカブで走破すること 「近くて遠い場所」は山梨からはいつも近くに見えている富士山、しかしのその山頂となるとはるか彼方に遠い場所。 礼子はそこを自慢のカブで走破することを目標にしていました。 礼子は富士山中のお店に物資を届けるアルバイトをしながら、密かに挑戦を続けます。何度転んでもバイクがボロボロになってミラーが割れても。
その挑戦のきっかけになったのは、とある二輪冒険家の本を読んだことから。礼子は教室でも本を読んでいる描写がありましたが、小熊がカブで世界を広げているように礼子にとってのファクターは本というわけですね。
それこそ昔は、バイクで登ることに挑戦する人はいたけれど、今は危険だということや環境保護の観点などから登ることができないといいます。 ましてや礼子のカブは急斜面やオフロードを想定しているわけではないただのカブ。
しかし、一度火の着いた礼子の挑戦心は消えるわけがありません。 礼子のカブに、オフロードテイストの太めのタイヤを採用しているハンターカブのパーツを取り寄せてカスタマイズ さらには、富士山を登頂する許可が降りないので夏休み中を使って、富士山中のお店に物資を運ぶバイトをする代わりに、走路のチェックをするという名目でバイクでの登頂に目をつむってもらうこと。 バイトの志望動機にもはっきりと「富士山をバイクで登りたいから」と書く、潔さ。
「何でこんなことするんだ?」という店長からの当然の問いに、「自分があれを乗り越えられる人間か、知りたいから」という、アルピニストばりのセリフを吐く、生粋のバイクバカといっても過言ではない礼子。 何度も何度も何度も転び、その度にパーツは少しずつ破損し、それでも富士山を上へ上へと登り続ける礼子。時には高山病に苦しみながら、それでも挑戦を辞めようとはしない。 「ちくしょう!」と悔しがる様…絶対に女子高生じゃない……。
しかし、悔しさがいっぱいで、笑顔すら忘れていた礼子。本来、カブに乗っている理由は「楽しいから」その本質すら見失いかけていたことに気付きます。 これまで何度も転んだ悪路。バイクのサスペンションも、フレームもタイヤもすべてはギリギリ、あとは礼子の腕次第。 悪路の衝撃は強引に抑え込むしかない。
「いける!まだいける!」と「無茶だ!怖い!」という、心の声が葛藤を続ける。 高所は酸素も薄い、意識をしっかり保つ。礼子をここまで奮い立たせる本当の理由は、小熊に対して自らがいった「カブとならどこへでもいける」という言葉 その言葉を証明するために礼子は富士山をひた走る。
しかし、最後の最後、カブは登り切ることは出来なかった。 それでも礼子の心は暗く淀んではいなかった。
次なる目標
「バカみたい」 そんな礼子に投げかけた小熊の冷静な一言。 でも、そんなバカなことをするのが最高に最高に最高に楽しい。礼子の笑顔がそれを証明していました。 そのまま礼子の部屋に泊まることにした小熊は、心の底では悔しがっている礼子に「私のカブなら登ってみせた」と言い放つ。
そんな小熊は、次なる目標として自動二輪免許を取ることを掲げる 50ccの原付きバイクから解放され、二輪免許を取ることで小熊の世界はまた広がろうとしていた。
「スーパーカブ」は熱い熱いバイクアニメだった
今回はこれまでのゆるいバイクアニメから、熱血バイクアニメへと変貌してしまった回でした…。 カブをオフロード用パーツでチューンナップして、富士山の悪路をひた走る礼子。そのバックでかかる熱いBGM。 あれこれなんのアニメだったっけとさっかくさせてくれる回でした…。 礼子のバイクに掛ける情熱が口だけじゃない本物としれたこともそうですが、ほんまに女子高生か!?と思わせてくれる描写が多かったですね。
「バカみたい」という小熊の一言がすべてなんですけど、そのバカを全力でやることが楽しい!っていうのはわからなくもないけど少々おっさんの思考かなって思っちゃいました。 次回はお金を手に入れた小熊の新たなる挑戦を描きます。