第3話「坊ちゃんと満月の流星群」
アリスとのビリヤード勝負に負けて、二人で街へ出かけることになった坊ちゃん。人に触れないよう厚手の仮装をしたものの、普段は訪れない街の雰囲気や人の多さに困惑気味。
さらには人ごみに流されて坊ちゃんはアリスとはぐれてしまったうえ、迷子にまでつかまってしまう。一方、坊ちゃんを探す中、アリスは白いローブの女性に声をかけられ……。
デートを掛けた勝負
ピアノの次はビリヤードを嗜んでいる坊っちゃん。ひょんなことからアリスと対決をすることになる。
しかも「負けた方が何でも言うことを聞くなんて条件」が付いている。
ビリヤードのキューや台を使って巧みに、その胸部装甲を見せつけたりとセクハラに余念のないアリスさんだが、そのセクハラを利用(?)して、坊っちゃんに勝利をおさめる
して、アリスのお願いとは……?
『街に出掛けて欲しいのですが』とお願いするアリス。
なーんだと落胆する坊っちゃんだったが、紛れもなく街へのデート。
しかし、人混みの多いところなど坊っちゃんにとっては天敵のような場所…それを躊躇っていると、アリスは坊っちゃんへどうしても街にいきたいとおねだり。
そんな誘惑に勝てるやつがいるものだろうか。かくしてアリスとのデートが決定した坊っちゃん。
顔をなぜかペストマスクの変装で隠し、接触しても大丈夫なくらいの格好で街へと繰り出すことに。街ではかなりの人出だが、どうやら坊っちゃんの呪いは鉄板越しなどなら、接触しても問題がない様子
しかし、全身鉄で覆われた仮装は坊っちゃんには文字通り荷が重い…。
「坊っちゃんと街でデートするのが夢だった」と語るアリスをよそに、坊っちゃんはどんどんと人の波に飲まれてしまう。
そんな中で、骸骨の仮面をした謎の女性にアリスは母親の名前を呼ばれて腕を掴まれる。彼女の素性も目的もわからなかったが、母親の知り合いだと語るのだが…。
果たして二人は巡り合うことができるのか。

一番近くにいるのに一番遠い
アリスとはぐれて、なんかんやと街をさまよううちになぜか迷子の子どもになつかれてしまう。
泣きつかれた子どものため、目の前にあったピアノを演奏してあげることに。
まさに現代のストリートピアノのアーティスト、その音色に周りもあわせて演奏の輪が広がっていく。
雰囲気はまさしくお祭り。その様子に久しくにぎやかな雰囲気を味わっていなかった坊っちゃんの心も躍る。
なんとか坊っちゃんもアリスと合流ができたのだが、その雰囲気に飲まれるようにもう少し付き合ってほしいと提案する。
夜まで過ごしたアリスとのデート。しかし、街ではにわかに、森の洋館に死神が住む、として坊っちゃんの黒い噂が流れている事実を知ってしまう
悲しそうな顔をする坊っちゃんを、アリスは時計塔の屋上へと連れ出す。
そこでアリスは街に伝わる童話を披露する。それは「婚約の予定を立てていた姫君と王子だったが、嫉妬した魔女が王子を月まで連れ去ってしまう。王子を思いながら王女は月にキスをするという悲しくも儚げな話」
一番遠くにいるのに近くに感じている二人。
そんな二人とは対照に、一番近くにいるのに遠く感じるアリスと坊っちゃん
坊っちゃんは自分のせいで、アリスを楽しませることができなかったと反省している。それでもアリスはは「二人でいるだけで楽しかった」と相変わらず両思いの二人の影が重なるのだった。
10年に一度の大流星群
後日の晩、アリスに手紙で呼び出された坊っちゃん。
小屋に付くと、なぜか全裸待機のアリスというラッキースケベを挟みつつ、坊っちゃんに癒されてほしいとアロマキャンドルを用意したアリス。
なぜかベッドに誘われる坊っちゃん…ゴクリ…いやら…嫌な予感しかしない。
服を脱がされる坊っちゃん…。これは…。
まあそんなことは一切なく、いろいろと心配したアリスが睡眠導入のために、アロマキャンドルやカモミールティーを用意して本当に坊っちゃんを癒やすためのものだという。
絶対わざと勘違いさせているだろ…思いつつも素直にアリスの奉仕を受ける坊っちゃん。
そんなアリスに見せたいものがある誘う、坊っちゃん。それは、“10年に一度の大流星群”。
10年前に自分が見た、宝物のような景色をアリスとも共有したかったんだという
普段なら言えない、自分の気持ちを告白すると決意する坊っちゃんだったが……結局、アリスに翻弄されて伝えられず仕舞い。
でも、こんな二人の関係性が一番いい距離感なのかもしれない。
じれったい関係性はどうなる
なんだかいつもより坊っちゃんとアリスの距離が縮まったような気がする3話。
“ふれあいたい、でもふれられない”という物理的にも精神的にもじれったさが残るモヤモヤしたラブコメながら、見ていて飽きさせない感じがまたよい。
時折入るシリアスな展開も、それをうまくコメディーに昇華しているのがこの作品のうまいところ。
果たしてこの二人が心身ともに触れ合える日がくるのでしょうか。