前回のトロプリ
ショートコント11本!
エルダの家出
エルダが積み木で城を作っていると、執事のバトラーがドアを叩いて入ってきました。
バトラー「今日はエルダさんがやる気パワーを取りに行く当番です」

そのせいで、崩れてしまう積み木。
エルダ「酷い! せっかくお城をつくったのに!」
バトラー「いい加減にしなさい。遊びは後回しです」
わがまま言わず大人になれというバトラーに対し、わがままを繰り返すエルダ。
エルダはついに、「こんなところもう戻らない!」と家出を決行しました。
大人になったら、何になる?
そんな中、街では「大人になったら、何になる?」というテーマのイベントが開かれようとしていました。
学校では、イベントに向けてビデオメッセージの撮影が行われます。
「大人になったらサッカー選手になる」
「大人になったら世界旅行に行く」
「大人になったら女優になる」
「大人になったら100階建ての家に住む」
と、各々夢を語る生徒達。
さんご「大人になったらお母さんのコスメショップを一緒にやる」
ローラ「大人になったら女王になる。もちろん、大人になる前でもOKよ」
ブレない2人に対し、まなつは大人になったらなりたいものが思いつきませんでした。
そのイベントは、あおぞら市が主催する子供たちが1日職業体験をする「大人になったら、何になる?」というイベントでした。
まなつたちの学校は、イベントに協力しているようです。
まなつは職業ガイドの本を手にして、「やっぱ大事なのは今だよ~」と、今やりたいことしか考えられず……。
みのりは本に関わる仕事がしたいそうです。
あすかは……?
そんなまなつたちの様子をうかがっていたエルダは、
「子供のままだったらず~っと遊んでいられるし、みんなから可愛いって言ってもらえるし、お菓子だってい~~っぱい貰えるのに」
と、大人になることを嫌がっていました。
両親が子供の頃の夢
まなつはみんなを連れて帰宅します。
家には父が島からこちら側の家に来ていました。
まなつパパ「なるほど、大人になったらか」
まなつ「お父さんは子供の頃からスクーバのインストラクターになりたかったの?」
父親に聞いてみるまなつ。
しかし、父親の子供の頃の夢は、
まなつパパ「小学校に入る前は、消防車になりたかったな」
まなつ「ええっ!?」
あすか「消防士さんじゃなくて、ですか?」
まなつのパパさんは、南の島に消防車がなかったから、憧れたそうです。
小さな子供だと、そういう大胆な夢を持つこともありますよね。

まなつママの小学生時代の夢はバレリーナでしたが、上達せずやめたそうです。
その後獣医になりたいと思い直し、中学生になったら今度はネイリストに憧れたそうです。
まなつパパも、消防車の次はパトカーで、その次は海賊で、料理人やカメラマンにも憧れたとのこと。
まなつ「お父さんもなりたいもの、いっぱいあったんだ」
まなつパパ「まなつと同じだ。だから夢は1つでもいっぱいでもいい。大事なのは」
2人「「今!」」
まなつママ「私も今、水族館で働きたいって思ったの」
まなつパパ「とにかく、今なりたいものがあってもなくても、未来には無限の可能性があるってことだ」
学生時代から夢を1つに絞って貫いている人の方が珍しいですし、大人になっても夢や目標を持ち続けたり、そのために努力することもできますからね。
夕方、まなつはみんなを見送り、みんなは
あすか「まなつの両親はかっこいいな」
さんご「凄く自由だよね」
みのり「勇気が出た」
と、まなつの両親の自由で楽しそうな姿に背中をおされていました。
一方、チョンギーレはエルダの家出を知り、「腹が減ったら戻ってくるだろ」と考えていました。
しかし、エルダは夜のスーパーに忍び込み、お菓子を漁っていました。
けれど、「チョンギーレやヌメリーにあげたら喜ぶかな」と、仲間たちのことを考えはじめて……。
将来の夢を持つ子供たちと、大人になりたくないエルダ
そして、ついにイベントの日。
街の街頭モニターに、子供たちの「大人になったら」メッセージ動画が流れ始めます。
様々な夢を掲げる子供たち。
あすか「結局、まなつは何にしたんだ?」
まなつ「それは見てのお楽しみ」
と、街を歩くまなつたち。
そんな街の様子を見て、大人になりたくないエルダはイライラしていました。
そこへチョンギーレが来て、ヤラネーダの素を渡します。
チョンギーレ「とっととやる気パワーを集めて、屋敷に戻ってこい」
そして去っていくチョンギーレ。
チョンギーレさんはなんだかんだでエルダに優しいですね。
というわけで、子供たちのやる気パワーを奪い始めるエルダ。
まなつたちはプリキュアに変身し、これを迎え撃つことに。
エルダ「もっと奪ってやる。子供のやる気パワーなんてなくなっちゃえ」
エルダは逃げ遅れた子供たちを見つけて、ヤラネーダを差し向けました。
それを阻止するキュアサマー。
キュアサマー「なんでそんなことするの!」
エルダ「大人になるなんて馬鹿げているから決まってるじゃん」
エルダ「ずっと子供のままの方が楽しいに決まっている」
キュアサマー「そんなことない。大人になっても楽しいことはいっぱいあるよ。お父さんとお母さんを見ていればわかる」
エルダ「大人になればもう遊べないし、お菓子だって食べらなくなるんだよ」
キュアサマー「大人になったって、お菓子を食べればいいし遊べばいい」
エルダ「みんなそうやって勝手に大人になって、エルダのこと置いて行っちゃうんだ!」
エルダ「あんただって言ってたじゃん! 大人になったら、何になるかなんてわからないって! 今が一番大事だって! エルダ聞いてたんだから!」
キュアサマー「そう、いつだって今が一番大事だよ。だから、私は大人になったら――」

ここで、街頭モニターから流れるまなつの映像。
まなつ『大人になったその時の私が、一番なりたいものになる!!』
キュアサマーはヤラネーダに反撃し、そのままみんなとの合体技でエルダを撤退させました。
おうちに帰るエルダ
こうしてアジトに戻ることになったエルダでしたが、やる気パワーを集められずに帰ってきてしまったことを気にしていました。
そこにヌメリーがやってきて――。
ヌメリー「こんな時のために貯金しておいたやる気パワーよ。これ持ってバトラーのところへ行ってらっしゃい」
と、エルダを抱きしめました。

今も、大人になってからも、その時やりたいことを貫くと決めたまなつ。そんなまなつの夢を、彼女らしいと思う仲間たち。そして、まなつはローラが女王になってもずっと友達でいる、と夢をつけたすのでした。
トロプリ34話感想
エルダは大人になりたくないと思っていますが、ひょっとするとそう考えるようになったきっかけは、”エルダが大人になれないから”なのかもしれませんね。
原因はわかりませんが、今回の発言からエルダはずーっと子供のままの状態でいるように思えます。
そうだとすると、可哀そうな存在ですね。
最後には報われてほしいものですが……。
まあ、大人になりたくないから大人になれない、という可能性もありますが。
それはそれとして、エルダの”大人になりたくない”という気持ちもわからなくはないです。
大人になれば仕事や責任が増えますからね。
けれど、大人になっても夢を持てるし、お菓子を箱買いできるし、ニチアサを観てゲームをしてイベントに行って友達と遊ぶこともできます。
結局は、どう考えてどう生きるか次第なんですよね。
結婚し、家族のために働くか。
夢を追い続けるか。
趣味と仕事が一体化している人もいれば、逆に働くのが辛く苦しむ人もいる。
だけど、エルダのことを想っているチョンギーレやヌメリーも、わりと自由で楽しく生きている大人たちなんですよね。エルダが大人になっても、仲間たちの関係は変わらないし、3人でお菓子を食べて、楽しむ遊ぶことはできるはず。
エルダもいつか、そのことに気づく日がくるはず。