第9話「坊ちゃんとアリスと聖夜の誓い」
屋敷でクリスマスパーティーを開くことになった坊ちゃんたち。ヴィオラも参加するべく馬車で屋敷に向かうが、その馬車には御者に変装したウォルターも同行していた。
この機会に坊ちゃんの様子を探ろうと屋敷に潜入したウォルターだが、彼が最初に屋敷で出会ったのはパーティーに招待されていたカフで……。
カフとザイン
季節はクリスマス・イブ。
この1年で随分知り合いや友人が増えた坊っちゃん。屋敷にはカフやザイン、ヴィオラもやってくる予定でパーティーにしようとアリスから提案される。
今までパーティーだなんてやってこなかった坊っちゃんは途端に不安に苛まれてしまう。
「クリスマスは屋敷から出てはいけない」と釘を刺されてしまったヴィオラだったが、ロブに会うために当然屋敷を抜け出す準備をはじめます。
その様子を隠れて見ていたのが次男・ウォルター。馬車で別邸へと向かうヴィオラを尾行するようだ。
別邸には早速カフとザインがやってきます。
意外にもサンタを信じるピュアな魔女と判明したカフさん、部屋の飾り付けをはじめますがすぐに「できない」と投げてしまいますがそんなカフを優しくフォローするザイン。
なんだかんだと優しさをみせたと思いましたが、「何かイタズラしようぜ!アリスちゃんに!」と秒で前言を撤回したくなる一言を放ちます。
「このリボンでぐるぐると巻いてみたら…」なんて思春期中学生のような提案しているところへ、案の定のカフの炎の魔法で焼き鳥にされてしまうザイン…。いたしかたない…。
ようやくアリスとカフがツリーの飾り付けを終わらせ、それをザインに見せると、ザインも坊っちゃんに言われた「直接褒めたほうがいい」という言葉を思い出し珍しく、カフを褒めてみる。
照れ隠しに寝たふりをしてしまうカフ。やはり、なんだかんだと仲の良さが垣間見えたカフとザインのAパートでした。
次男の苦悩

長い時間馬車を乗り継ぎ、別邸にやってきたヴィオラは一目散にロブの元へと駆け出す。しかし、肝心のプレゼントを落としてしまう。
一方の馬車に潜入していたウォルターはヴィオラの様子を見て、さらにコンプレックスが爆発!そして、ロブに渡すはずのプレゼント拾う。
別邸に忍び込んだウォルターだったが、あまりにも静かすぎる屋敷内を不信に思う。しかも目の前にはサンタ服!罠だといいつつも、なぜかウォルター。
しかもそれをカフに目撃されてしまう!初めてサンタを見たカフは大興奮
ウォルターがサンタなんかじゃない…と言おうとすると寂しげな表情に。それを見てしまったウォルターは咄嗟にサンタであると言い出します。
ウォルターも嘘をつけない、良いやつ感が半端ないですね。しかも、勢いでさっき拾ったヴィオラのプレゼントをカフにあげてしまいます
ばれないうちにその場を去りたいウォルターvs絶対にサンタを逃さないカフの謎の対決が始まってしまった一方で、ヴィオラは落としたプレゼントを探していました。
しかも、ウォルターが来ていたサンタ服はロブが用意したものどんだけ要領が悪いんだウォルターくん…。
みんなが集まっている部屋の煙突からなにか黒い物体がオチてくる
それは、炭と化したサンタもといウォルターでした。「サンタです」というセリフに全員が「無理がある」とツッコミ。
いきなりの弟の登場に戸惑いつつも坊っちゃんは、久々に見た弟をかっこよくなったと褒めるが…次男アレルギーのウォルターにはそれが煽りにも感じてしまう。
ウォルターはヴィオラに、なんで兄の元に行くんだ!と問い詰めると、ヴィオラは坊っちゃんの事が別に好きで来てるわけじゃないし、返答しなぜか余計に傷つけられる坊っちゃん。
そこにヴィオラのプレゼントを持ったカフが登場し、もう部屋はてんやわんやに。
ウォルターは真剣に「兄の呪いがとけなかった場合の条件付きで、家を継ぐことを許されたスペアなんだ」と、次男なりに家族からひどい言われようをされていることを告白。
しかし、わちゃわちゃとしている部屋の中ではそれも耳に入らず…。
なんとかプレゼント騒動も落ち着き、ウォルターは坊っちゃんに向かって『勝負しよう。先に呪いの真実に辿り着いた方が家を継ぐ。負けたらそいつが永遠のスペアだ』と勝負を申し込む。
なぜか、カフの横乳のアングルから写された兄弟同士の対決が始まった…。
その後は、ようやく始まったクリスマスパーティーを楽しむ面々。パーティーも終わり雪の中をアリスとを歩く坊っちゃんは、あらためて友達や自分を慕ってくれる人たちができて、これからは前向きに生きることを誓うのでした。
楽しく平和に進むけど、シリアス展開への布石か…?
わちゃわちゃと楽しく行われた裏で判明した、次男・ウォルターくんの苦悩。
兄の坊っちゃんにやたら敵対心むき出しなのは、長男のスペアとまで言われ自分を否定されたことを見返したいから。でも、敵対心の中にしっかり兄を認めている部分も垣間見え、きちんと兄弟愛も感じられたのはいいポイントですね。
しっかりしていそうでどこか抜けているところも、なんとなくらしさを感じます。ウォルターも加わってますますバラエティ感が増しました。なんとなくシリアスが足りない気がするので、今後がちょっと怖い…。
さて、クリスマスパーティーも終わり、あらためて自分が信頼できる友人や仲間に慕われていると感じた坊っちゃん。あの頃の孤独さはもうなく、呪いに対して前向きになることをアリスに誓うのでした。