『トロピカル~ジュ!プリキュア』第44話「魔女の一番大事なこと」【感想コラム】

前回のトロプリ

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第43話「潜り込め! 深海の魔女やしき!」【感想コラム】

過去に伝説のプリキュアと関わるも、その記憶を忘れてしまった魔女。
キュアサマーたちが魔女との対話を試みようとしますが、バトラーが邪魔をしてチョンギーレがヤラネーダにされてしまいました。

 

魔女の望みのため世界を滅ぼしたいバトラー

バトラー「さあ、魔女様。世界の破滅をとくとご覧あれ」

愚者の棺の発動が迫り、世界の破滅が目前に。
そんな中、暴れるチョンギーレ。

エルダ「世界を滅ぼすって、本当なの?」
ヌメリー「あたしだってそんなこと聞いてないわよ」

バトラーから真相を聞かされていなかったため、ヌメリーたちも困惑。

バトラー「あと少しで世界の破滅が訪れる」

キュアサマー「そんなことさせない!」

破滅を阻止させるべく、キュアサマーは攻撃をして杯にたまっていたやる気パワーをこぼさせます。
永遠の後回しを実行してしたい魔女は怒りますが、なにを後回しにしたいのかが思い出せず……。

その後キュアサマーはヤラネーダの攻撃を受けダウンしてしまいますが、エルダが落とし穴を作動させ、逃がしました。

 

魔女の過去

画像引用元:©ABC-A 東映アニメーション

一時撤退したまなつたちは、ローラから伝説のプリキュアの過去を聞きます。

ローラ「あとまわしの魔女は何百年も昔、破壊の魔女という存在だった」

どういう事情か、すべてを破壊する存在として生まれてしまった魔女
魔女は人間たちの抵抗を受け、傷ついた状態で海辺の岩場に流れ着きました。

そこで人間の少女と出会い、傷を手当てしてもらいます。

画像引用元:©ABC-A 東映アニメーション

少女アウネーテと魔女は打ち解けました。
けれど、魔女は再び人間を襲いはじめて……。

アウネーテは世界の危機を前に、当時派遣された人魚(今の女王)から変身アイテムをもらい、キュアオアシスに変身しました。そんなプリキュアの登場を知り、自ら戦いに赴く魔女。そして、アウネーテは憎むべき敵のボスが、友達になったはずの魔女だと気付きました。

 

決着の後回し

魔女「お前が……プリキュア?」
アウネーテ「貴女が破壊の魔女……?」

魔女「私は破壊の魔女。この世界を破壊するために生まれた」
アウネーテ「お願いやめて!」

アウネーテはキュアオアシスとなり、友である魔女を止めるため戦いました。

決着はつかず、魔女は”明日決着をつける”と言い去っていきます。

けれど魔女は、「明日にするわ」と言い続け、プリキュアとの戦いを後回しにし続けました。
その頃からバトラーは魔女に仕えていました。

そうして長い年月がたち、魔女は何を後回しにしていたのかを忘れてしまいました。

という話をローラから聞いたまなつ。
一方、魔女もようやく過去を思い出しました。

まなつたちは、自分たちの前に現れた伝説のプリキュアがすでに亡くなっていることを知ります。

ローラ「何百年もたって、魂だけの存在になっても魔女を止めようとしていたのよ」

その頃エルダは、チョンギーレをヤラネーダにしてしまったバトラーのことを、おかしいと思っていました。
エルダたちも面倒くさがりではありますが、世界がなくなってしまったら、お菓子を食べることも遊ぶこともできなくなってしまいます。
故に、エルダたちもバトラーのやり方に反感を抱き始めていました。

魔女とキュアオアシス

まなつたちは再びプリキュアに変身し、チョンギーレヤラネーダを浄化。
チョンギーレをもとに戻しました。

そして、友であったキュアオアシスの死を知った魔女と交戦することに。

魔女「あいつはもうこの世にはいない! ならば、私のすることは1つ! 破壊だあああ!」

バトラー「それでこそ破壊の魔女様です」

キュアサマー「話をきいて!」

魔女を止めようとするキュアサマー。

キュアラメール「貴女の大切な人はもういない! でも! その人を想う心があれば!」

心などない――否定する魔女でしたが、プリキュアを倒したくなくて戦いを後回しにしていた魔女には、すでにキュアオアシスを想う心が宿っていました。

キュアサマー「ずっと後回しにしてきた、大事なことをやろう」

画像引用元:©ABC-A 東映アニメーション

キュアサマー「貴女が本当に後回しにしてきたことは、破壊じゃなくて、仲良しになること! 人間の女の子と仲良しになること!」

キュアサマー「それが、貴女がずっと後回しにしてきた、勇気がなくてできなかったこと!」

そう叫ぶキュアサマーの言葉を受けた魔女の前に、キュアオアシスが現れました。

魔女「会いたかった……」

魔女はついに本音を口にし、

魔女「私はお前と……友達に……」

画像引用元:©ABC-A 東映アニメーション

キュアオアシスと手を取り合いました。
キュアオアシスはキュアサマーたちにお礼を言うと、魔女と共に天へと昇っていきました。

ただの魔女信者だったバトラー

エルダ「魔女様いっちゃったの?」
チョンギーレ「最後は幸せそうでよかったんじゃねーか?」

チョンギーレたちも、報われた魔女のことを想います。
しかし、魔女に尽くし魔女に心酔していたバトラーは、自分より人間の少女を選んでしまったことを悲しみ、涙します。

バトラー「こうなったら、魔女様の意志はこのバトラーが!」

バトラーは自らをヤラネーダに変え、チョンギーレ、ヌメリー、エルダのやる気パワーを奪いました。
そして、キュアサマーの攻撃によってこぼれてしまったやる気パワーを集め直すべく、今度はキュアサマーたちからもやる気を奪って――。

トロプリ44話 感想

心を知らない可哀そうなおばさんと。

純粋な少女による歳の差百合。

 

数百年の時をこえ、ついに結ばれた2人は幸せなゴールインを果たしたわけですが――。

一方で魔女様に捨てられてしまったバトラーが暴走。

やはりバトラーがラスボスっぽいですね。
しかし、魔女をも利用した真の計画があるわけではなく、ただ破壊の魔女だった頃の魔女に心酔していただけの厄介な信者だったとは。

ラスボスとしては歴代の中でもかなりの小物ですね。

今一番やりたいことをする――。

そんな、1話から貫いてきたトロプリのテーマでもあるまなつの信念が、ラスボス(正確にはラスボスはバトラーだけど)である魔女にも適応され、後回しを突破する――という綺麗すぎる流れはさすがプリキュアシリーズといったところ。
物語の軸がまったくぶれず、ストーリー・主人公や敵を含めた各キャラの行動理念がテーマとうまく絡み合う流れ。

お手本のような展開でした。

しかし……結局バトラーには野望や真の計画なんてものはなく、愚者の棺を使って”世界を滅ぼし”、そうすることで魔女の望みである”永遠の後回し”を叶えたいだけなんですよね。魔女が満足して天に昇ってしまった今、世界を滅ぼしても得られ物は何もないのですが――バトラーは勝手に満足して世界と共に心中でもするつもりなんですかね。

魔女に心酔する以外に中身がなさそうなバトラーはともかく、チョンギーレたちは救われて改心してほしいところですね。

 

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