『劇場版「文学少女」』読書の秋、純文学の世界が紡ぎだす透明感ある物語

文学少女

秋といえば、運動の秋!? 食欲の秋!? いややっぱり読書の秋!! 図書館で物思いに耽りながら読書をする文系女子ってたまらないと思いませんか…?
そんな読書の秋にぴったりなアニメ!?『劇場版” 文学少女 ”』をご紹介します。

本を「食べちゃう」くらいに深く激しく愛している自称「 文学少女 」の文芸部部長「天野遠子」。過去のとあるトラウマから本はおろか国語の授業ですら嫌悪感をもっている作家の「井上心葉」。
天真爛漫な遠子に振り回され様々な事件に巻き込まれる心葉、この二人が織りなす、ちょっと不思議でそして心温まる、甘く、優しい物語。

原作はライトノベル「”文学少女”」シリーズ、その中の第五巻にあたる『慟哭の巡礼者』をメインストーリーに劇場アニメ化されたのが本作なんです。

純文学をモチーフに紡がれる世界観

「”文学少女”」シリーズの特徴として、各巻ごとにそれぞれモチーフにしている文学作品があること。
第一巻の『死にたがりの道化』では太宰治の「人間失格」、第二巻の『飢え乾く幽霊』ではエミリー・J・ブロンテの「嵐が丘」といった具合に、それぞれ題材となり文学作品になぞらえて展開が進んだり、
オマージュが含まれたり、時には作品の魅力を語ってくれたりと元ネタとなる作品を知っているとより楽しめるようになっているんです。

そして劇場版では宮沢賢冶の名作「銀河鉄道の夜」がモチーフになっています。
「銀河鉄道の夜」の人物である、ジョバンニとカムパネルラを作中の人物である心葉と幼馴染の美羽に当てはめてて物語は進んでいくのです。

ヤンデレ幼馴染

上述にでてきた、幼馴染の「朝倉 美羽」は心葉のトラウマの禍根となった人物でもあります。そして彼女との再会が物語を大きく重たい展開へと動き出していきます。
美羽はいわゆる「ヤンデレ」キャラで、彼女を熱演するのが「平野綾」さんなのですが、この平野綾さんの熱のこもった演技が圧巻です。 かなりドン引きするような言動を言わされたりします…
彼女の心葉に対する心情を吐露するシーンは見どころの一つです!

ストーリーと映像美

そしてもう一つの見どころはやはり、透明感のある映像美とストーリー。
重たい人間関係を描いている中盤から、しっぽりとした心温まる屋上でのラストシーンへの移り変わりはとてもきれいにまとまっている。

劇場版ならではのクオリティで描かれる作画は、観ていて世界観にすいこまれていきそうなほどだ。
特に『銀河鉄道の夜』にかけた「プラネタリウム」のシーンは最大の見どころなので要チェックだ!

劇場アニメ以外にも、OVAや短編アニメなども制作されていて、ほかの作品も観るとこの作品の補間ができてより一層楽しむことができますよ!

秋の夜長、読書のかわりにこのアニメを観て純文学の世界に想いを馳せてみてはいかがですか?