最近動画サイトなどを中心に「TRPGリプレイ」という物語形式が人気を集めている。
TRPGといえば複数人のプレイヤーでテーブルを囲んで行うアナログゲームだが、そのプレイ風景を切り取って物語に仕立てあげたのがTRPGリプレイである。
昔から書籍でも多くのTRPGリプレイが出版されているが、ここ数年でネットで公開されるリプレイも増えた。
そんなTRPGリプレイの一つである「レッドドラゴン」が「 ケイオスドラゴン 」とタイトルを変えアニメ化されることが決定した。
そうと決まったからには知らない人に魅力を伝えるのがファンの務め。「レッドドラゴン」の大ファンである筆者が「ケイオスドラゴン」の魅力を語り尽くそう。
多くの名クリエイターによって紡がれる物語
「レッドドラゴン」は星海社のサイト「最前線」内で無料で公開されたTRPGのリプレイ(公式名称はRPF)であり、現在もなんと一部が無料で公開されている。
特筆すべきは参加しているクリエイターの豪華さだろう。
世界観を手がけるフィクションマスターは「レンタルマギカ」などのライトノベルを手がける作家、三田誠。
プレイヤーには「魔法少女まどか☆マギカ」などでおなじみの虚淵玄や現在「Fate」がアニメで放送中の奈須きのこ、夏から「デュラララ」の放送が控える成田良悟に、泣けるラノベでは右に出るものがいない紅玉いづきと美麗なイラストを手がけるイラストレーターのしまどりる
誰も彼もそのネームバリュー以上に遊び心溢れる名クリエイターたちである。そんな彼らによるキャラクターのロールプレイングはドキドキとハラハラの連続だ。
みな想像力豊かで誰の行動も読めないので、やっている当人たちですら予想できない方向に物語が転んでいく。
名作を生んだ彼らだからこそおりなせる、息をつかせぬ展開の数々に酔いしれろ!
深く濃密なワールドデザイン
戦争をする2国と植民地、そしてそれぞれに属するキャラクター。参加者らの趣味を全力で反映した濃密な設定の数々も魅力の一つだ。
例えば、奈須きのこの演じたスアロゥは手にしたもの全てが破壊されるという奇妙な呪いにかかっているという設定で、紅玉いづきさんの演じたエイハは魔物と命を共有している。
それぞれの作家性がそのままキャラクターに反映されていて、ファンならついにやけてしまうだろう。
成田良悟のキャラなんてあまりの濃さにどう説明したものかわからない。アニメで登場が楽しみである。
TRPGだからこその展開
これが普通に描かれた物語ではなく、TRPGだからこそ起こりうるのはダイスの出目による展開の変化である。
戦闘シーンなどを始めとした要所要所はダイスの出目によって左右されることがままある。プレイヤーやマスターがどんな展開を望もうともダイス次第では全くうまくいかなかったり、逆にうまく行きすぎたりする。
運の女神しか知り得ぬ展開に思わぬハプニングの数々、それらに対処するプレイヤーのロールプレイまで、普通の物語じゃ味わえないような興奮が目白押しだ。
リプレイとして公開された原作とアニメじゃまた描写が変わってくるだろうが、時に巻き起こる予想できぬ出来事はアニメでもきっちりと再現してくれるだろう。
他にもたくさんの説明しきれない魅力がある。正直、全ては語り尽くせない。
残りの魅力はぜひ夏からのアニメや原作をチェックして確かめて欲しい。