このオタク社会、同人誌は至る所に溢れている!
本屋に行けば二次創作同人誌を集めた商業アンソロジーが棚に並び、夏と冬はニュース番組でコミケが取り沙汰される。
でも「漫画や小説は書けるけど、同人誌ってどうやって作るの?」という人に、まずは一番手軽なコピー本の作り方を軽くご説明!
コピー本なら描く道具はなんでもOK!
一般的に、印刷所で印刷、製本をしてもらう場合は専用の原稿用紙に書く必要がある。
その上で鉛筆、ボールペンなどで描かれた状態での入稿はご法度だ。その他にも、いろいろと細かな制約がある。
しかしコピー本なら、コピー機で再現できる、もしくは自分の納得できるクオリティが維持できるのであれば、道具はなにを使ってもお咎めなしだ。
そう、例えチラシの裏や書類の裏、テスト用紙の裏であろうとも、自分が満足できているのならそれで原稿として成立しているのである!
ただし印刷にはコツが必要
だが、原稿完成後は印刷所にすべての工程をお任せできるオフセットやオンデマンド製本とは違い、コピー本はすべてを自分でこなさなくてはならない。
その時一番厄介なのが印刷の工程だ。
なぜなら本には読む向きというものがある。そして両面印刷する際には、上下も気にしないといけない。
仮に1冊10部作るとして、コピー機のガラス面に並べて即10枚印刷してしまうと、ほとんどの場合左右が入れ替わっていたり、裏面の上下が逆さになっていたりで廃棄しなくてはならない事態になりやすい。
そこで頼りになるのが手のひらサイズの紙で作るミニ本と、「ノンブル」と呼ばれる、原稿に割り振るページ数の表示だ。
ミニ本は、作りたい本のページ数に合わせてコピー用紙を等分に切ったものを重ねるだけでいい。24ページの本なら6枚、32ページの本なら8枚だ。
これを二つに折り、ページ数を書くだけ!そうすると、コピー機にどのページをどう並べればいいのかパッと判断できるというわけだ。
表紙だけは豪華に!なんてことも
コピー本を作るのは決して難しくはない。しかしモノクロコピーだと、どうしても地味で目立たない。かといってカラーコピーも、なんだか色が薄かったり濃かったりで思い通りにはなかなか……
そんな人には、同人誌印刷所の「表紙だけ印刷」というのがオススメだ。その名の通り、なんとコピー本の表紙だけ、印刷所で刷ってもらえるサービスだ。
もちろん相応の対価は必要だが、本全体をお願いするよりずっと手軽に、そして美しい表紙が出来上がる。
もっとも、今はデジタルで原稿を作り上げる人も多い。そんな人にはコピー本はさらに身近な存在だ。ページ順に並べたデータをコピー機に転送するだけで、ホチキス止めまでこなしてくれるコピー機がそこかしこに置かれている。
イベントにサークル参加するのは、なにもオンデマンドやオフセットで印刷した本でなければいけないなんて決まりはない。もしあなたが興味があるのなら、手軽なコピー本でサークル初参加を飾ってみよう!
この記事のライティング担当:井之上