ユーフォニアム 実物

『響け!ユーフォニアム』による「ユーフォノミクス」に関する考察(その2)

前回(その1)に引き続き、「 響け!ユーフォニアム 」による楽器販売ブーム…今風に言えば、「楽器業界版ユーフォノミクス」の可能性について考察します。まずは、前回取り上げた3種類のユーフォニアムについて、いくつかの視点で比較検討してみましょう。

候補モデルのおさらいと評判

前回は、いわゆる「黄前久美子仕様」の実物候補として、以下の3製品を挙げました。

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【図1】ユーフォニアム作中登場製品候補
左からYAMAHA YEP-621、J.Michael EU-1500、Kaerntner KEU120

Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでは、KaerntnerどころかJ.Michaelでさえ作りが粗雑という意見を見かけますが、チューニングが狂い易いなど演奏する際のデメリットに関する話なので、飾るだけならKaerntnerでも大丈夫でしょう。

製品本体の色調について

上の図1ではEU-1500の色が他より暗めに見えますが、撮影時の照明の当て方や、サイト掲載時に全体の統一感を保つため、あえて本来の色より暗め、または明るめに仕上げるといった画像加工の影響によるものと思われます。

どの製品もイエローブラス素材とクリアラッカー仕上げなので、実物の色はほとんど同じ…

いや、そもそもアニメの絵と完全に同色の実物など存在しません。本体色は素材と仕上げだけ確認すれば大丈夫でしょう。

各部の色と形状について

下の図2を見ると、ピストン(奏者が指で押す部分)の色などに相違があるとわかります。ただし、これら細部の相違は、多少詳しい人でも現物を並べて見較べない限り判別は難しいでしょう。

交換可能な部品の色であれば、寸法が同じ別製品の補修部品を取り寄せて交換するか、少々荒技ですが自分で彩色するという手もあります。

実物ユーフォニアム 各部の相違
【図2】外観の相違
図1同様、左からYAMAHA YEP-621、J.Michael EU-1500、Kaerntner KEU120
・青色点線部分: YEP-621は金色、他は銀色。
・赤色点線部分: YEP-621は銀色、他は金色。
・灰色点線部分: 各製品の縞模様がそれぞれ異なる。

製品本体の刻印について

下の図3で、実製品本体にうっすら見えるロゴ刻印が、メーカーを見分ける最大の手がかりと思われます。ここに「北宇治高校吹奏楽部備品」と書いたガムテープを貼って隠しちゃえば、もはや見分けることなど…

実物ユーフォニアム ロゴ刻印の相違

【図3】実製品とアニメ版ユーフォニアムの比較
上側の赤色点線部分がロゴ刻印。下側の同じ部分は無地。

そして、部品の色については、管楽器用塗料にゴールドラッカーという種類があって、YEP-621の銀色部分に塗れば、ほぼ黄前久美子仕様と呼べるモノが出来上がります。ラッカーの塗り直しについては、楽器店にご相談ください。

アニメ関連記事なのに、今回は作品名を入れても作品関連の単語が3つだけ…申し訳ありません。次回は、もう少しアニメに関連する話と、そろそろ総まとめに入りたいと思います。

『響け!ユーフォニアム』による「ユーフォノミクス」に関する考察(その1)

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