『純潔のマリア』神聖にして真性の処女な魔女の物語

魔女というとどういうイメージをお持ちでしょうか。「まどマギ」のようなおぞましい感じでしょうか、それともキャルルン可愛い感じでしょうか?
しかしこの作品は中世、100年戦争中のフランスが舞台。こういうと一気に、黒装束にとんがり棒の老婆が連想されるのが凄いですよね!
ですがまぁ主人公のマリアは若々しく、肌にハリもある少女!ですがあの時代の魔女で連想される、不貞というイメージは当てはまりません。
このストーリーの根幹を支えているのは、彼女が「処女」であるということなのです!

純潔のマリア

これだけ声を大にして処女処女言う作品も珍しい

この作品のキービジュアルを見て、「なんかこの子、発酵蔵とか根城にしてそうだな」という感想を持った人も少なくないかもしれません。
それもそのはず、この作品の原作者は発酵食品の緻密な解説で話題になった「もやしもん」の原作者と同じなのです!
なのでそのイメージの強い人は、ファンタジー色の強い本作に意外さを感じるかもしれません。
魔女だけでなくみんな大好きサキュバスや大天使ミカエルなども登場しますから、中二病を患った経験のある人はワクワクするかもしれません。
そして「処女」だの「童貞」だの、そういった言葉が梅雨の雨の如く飛び出してきます。あとこの時代の聖教者は同性愛者まみれだとかそういうのも出てきます。腐女子的にもいろいろ知識が得られそうな良作です。

どちらが聖か、どちらが公平か

この作品は、先述のとおり戦乱に揺れるフランスが舞台となっています。そんな戦乱の世で、主人公マリアは搾取され、結果として虐げられるばかりの民衆に強く味方し、助けを求める矢文が届けば戦争に直接介入し、それそのものを消滅させてしまいます。

民衆にとって、このマリアこそが正義。まさに救いの主です。

しかしカトリック教会や天界はそうでなく、「人の世の理」を重んじるためそれに介入するようなことはありません。公平であるためにどちらにも与せず、ただ見ているのみ。人ならざる力を用いて誰かに加担すれば世界の均衡が崩れるためです。
それを理解しながらも、繰り返される戦争による悲劇を肯定しているような教会や天界を、マリアは毛嫌いしています。もちろん、逆もまたしかりです。
目先の悲劇を放っておけないマリアは民衆にとっての正義でしょう。しかし天界側もまた、大きな視野から見ればこの上ない正義です。

某ジャンルの二次創作界隈で不本意な知られ方をしたこの作品ですが、その面白さは折り紙つき。ぜひ冬アニメで視聴ください!