『NO.6』男同士の友情以上を描き、理想社会への疑問を投げる

男性キャラ同士の、友情以上愛情未満の不思議な関係が描かれていて話題になった作品「 NO.6 」
だが描かれるのは、主人公たちを代表とした現代社会でもありえるもっと根深い問題なのだ。

no-6

退屈な日常に訪れた衝撃

NO.6 に住む紫苑。
エリートの一家に生まれ、何不自由なく育つも、同時にそんな生活に窮屈さを感じてもいた。
そんなある雨の日、ネズミという同じ年頃の少年と出会う。ネズミは怪我をしていたため紫苑は介抱するのだが、ネズミは凶悪犯罪を犯しているため国から追われており、匿ったことで紫苑は NO.6 を追放される。そしてその4年後にネズミと再会し、ネズミとともに西ブロックで生活することを決める。

管理された社会で

社会の秩序を乱す思考・行動を行った者を即刻排除することで、平和が成り立っている世界。

優秀な遺伝子を持った者のみが住むことを許されるNO.6と、犯罪を犯した者などが住む西ブロックとでは天と地ほど生活は違う。国によって管理された人間たちは「不正因子」と判断されてしまったら、西ブロックに逃げ込むか、国によって「排除」されるかのどちらかの選択しかなくなる。その後NO.6に戻ることは二度と出来ない。

優秀な因子とそれ以外の因子での差別は、現代社会にも言えることだと思う。

どれだけ人が減ろうとも、いじめや犯罪はなくならないと言われる。それは人間はどうしても強者と弱者のヒエラルキーを作ってしまうからだ。自分より弱者を作り出すことで安心する。
NO.6はまさに理想都市で、強者しか存在することができないから犯罪など起こらない。
現実の社会でもそのように人間を管理したほうが幸せだと感じる人も少なからずいるだろうし、この理想都市が間違っているとは言えないのかもしれない。