坂道のアポロンは、親の都合で横須賀から長崎へと、一人で引っ越してきた少年が主人公です。
田舎から都会に上京してきたときは、人の多さと電車の数に驚いたものです。
ここでは野犬に襲われることはありません。ヤンキーに絡まれて逃げた先に、全く別のヤンキーに絡まれるという負の連鎖が発動することもないでしょう。
とはいえ、田舎はいいものです。
コンクリートジャングルに疲れたあなたも、田舎に住んでいるあなたも、
坂道のアポロン の昭和で田舎な雰囲気に癒されながら爽快なジャズに酔いしれましょう。
坂道のアポロン の舞台は1960年代
横須賀から長崎県・佐世保市の高校に転校してきた西見薫は転校するたびに吐き気がする癖があり、気分転換に屋上に向かった。その途中で大柄で喧嘩っ早い川渕千太郎と出会う。
しかし、ぎくしゃくした二人。その間に千太郎の幼馴染・迎律子が入ることで何とか仲を取り持つことができた。
クラシックピアニストである薫がクラシックのレコードを探していると、律子の実家がレコード店だと知らされ案内される。そこには店の地下でドラムを叩く千太郎の姿があった。
ジャズドラマーである千太郎のソウルフルな演奏に目を奪われた薫はジャズに興味を持ち始めるのだった……。
違和感のない方言
長崎が舞台なのに標準語であっては意味がない。かといって、付け焼刃の方言では余計に世界観を崩してしまう。だが、そこは抜かりなく。
律子役の南里侑香さんは佐世保市出身。ナチュラルな方言で世界観を盛り上げます。昭和に生きる純粋無垢な女の子で方言女子。最強に可愛いです。
千太郎役は細谷佳正さん。こちらは広島出身ですが、大阪弁や福井弁もこなす方言キャラのプロです。佐世保弁も九州人が聞いても違和感がないくらい上手いです。
坂道のアポロン で表現されるこだわり抜いた演奏シーン
音楽は『カウボーイビバップ』や『創聖のアクエリオン』の菅野よう子さんが担当。OPの「坂道のメロディ」ではJUDY AND MARYのYUKIさんとコラボしています。アニメを観終わると歌詞の意味が理解できる仕掛けになっているのも憎いです。
肝心の演奏シーンですがなんと、ピアノなら押した鍵盤の音が、ドラムなら叩いた部分の音が実際に出る音と完璧に一致しているのです。
リアルな演奏が感動を呼び、第7話ではそれがピークに達します。
普段ジャズを聴かない人でも、観た後は必ずジャズってカッコイイなと思えるオススメの作品です。
アニソンもよかばってんが、ジャズも聞かんといかんばい。