『有頂天家族』観ているとだんだん京都に行きたくなるアニメ

昨今、『けいおん!』をはじめとして京都をモデル、舞台にしたアニメが数多い。

その中で現代に寄り添いながらもほんの少しの不思議と家族の絆を見せてくれるのが『 有頂天家族 』だ。

有頂天家族

京は人と狸と天狗の街

ほぼ毎回、主人公の下鴨 矢三郎(しもがも やさぶろう)は冒頭でこう口上する。

「平安遷都この方続く、人間と狸と天狗の三つ巴。それがこの街の大きな車輪をぐるぐると廻している」

そう、この物語において普通の人間は脇を固める役でしかない。主人公を始めとして中核にいるのは狸、そしてヒロインは天狗の力を得た人間である。

下鴨神社を住み家とする狸の下鴨家、

下鴨家と対立する夷川家、

桝形商店街近くに居を構える天狗の赤玉先生こと如意ヶ嶽薬師坊、

美貌を武器に赤玉先生から能力も道具もすべて貢がせた美女、弁天こと鈴木聡美、

弁天の所属する「金曜に集い、年末には必ず狸鍋を食べる会」、普通の人間達で構成される金曜倶楽部。

この五つの勢力が京都の街を舞台に物語を展開していく。その流れは決して激しくはないが、穏やかに、しかし惹き付けてやまない魅力を見せる。

面白きことは良きことなり

表題もまた、矢三郎がことあるごとに口にする言葉だ。面白きこともなき世を面白く、と高杉晋作の句をも引用するわけだが、この精神は作中の下鴨家でもおよそ矢三郎だけが持ち合わせている。

生真面目な長男の矢一郎、父の死をきっかけにカエルに化けたまま珍皇寺の井戸に引きこもっている次男の矢二郎、そして優しいばかりで気弱な末っ子の矢四郎からは、変わり者、少し困った癖と認識されている。

それもそのはず。表立って「狸を食べる」ことで知られる金曜倶楽部に所属し、なおかつ天狗の能力まで得ている弁天と好き好んで交流を深めているのは、狸の世界では矢三郎くらいのものだった。

弁天は美貌の持ち主であるが様々な方面に知識も富み、そして冷酷な面を隠さない。

しかし彼女は恐ろしいばかりではない。楽しいことは大いに楽しみ、悲哀の表情は複雑な内心を滲ませる。天狗の力を持っているとは言っても、だからこそ抱える悲しみもある。

この物語のキャラクターは、多かれ少なかれそういう悲しみを内に秘めて日々を過ごしている。

その悲しみを含めたすべてを、渦中にいながらにして客観的に眺め、矢三郎はこう評する。

「廻る車輪を眺めているのが、どんなことより面白い」

京の街で廻るドタバタとした日常を描くこの作品は、なんとなく自分の身の上に起こりそうな親近感すら沸かせてくれる。

実在する場所が登場するのもその一因かもしれない。

大文字の送り火を見に行く機会があれば、是非夜空を見上げてもらいたい。もしかしたらそこには、狸たちの納涼船が賑やかに空を浮遊しているかもしれない。

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