ベルサイユのばら オスカル マリー

今蘇る「ベルサイユのばら」。その衰えない魅力は?

今年、連載開始50周年を迎えるという「ベルサイユのばら」。
それを記念して、今回、完全新作の映画アニメの公開が発表されました。

そこで、50年経っても、いまだ人気の衰えない、その魅力を考察してみたいと思います。

50年前の少女マンガは外国ものが多かった

今から50年前、週刊少女マーガレットで連載開始された「ベルサイユのばら」。
当時の少女マンガは国内が舞台のものより、外国が舞台の作品が多く描かれていました。また、国内が舞台でも、日常とかけ離れたような世界が主体でした。瞳に文字通り星が入っていた時代です。

「ベルサイユのばら」が、他のものと一線を画していたのは、その時代考証の正確さでしょうか。
そこに架空の人物、オスカルと、それを取り巻く人々が加わり、物語性が格段に増しています。
このオスカルが男装の麗人という設定も、少女たちの心をがっちりとつかみました。これは、今も変わらぬ魅力の一つだと思われます。

宝塚歌劇で「ベルサイユのばら」が舞台化、大ブレイク

連載が終了した翌年に宝塚が「ベルサイユのばら」を舞台化しました。この時の公演はマリー・アントワネット編。
そうです。実は「ベルサイユのばら」の主役はオスカルではなく、マリーアントワネットの方なんです。
漫画でも、オスカルが戦死した後も、ストーリーはマリーアントワネット中心で進んでいきます。その部分までを描いたのが宝塚の初演「ベルサイユのばら」でした。

この初演が大ヒットしたことから、続いてオスカル編が上演されます。こちらはオスカルとアンドレを主軸においた演出で、こちらもまた、大ヒットしました。

当時の少女漫画独特のキラキラ感。そして、宝塚歌劇の女性だけが演じることで醸し出される美麗感。この二つが見事にマッチした結果でしょう。
この宝塚でのヒットが、後のアニメ化や劇場アニメ化へと繋がっていきます。

TV版「ベルサイユのばら」

TVで最初にアニメ化された時の制作会社は東京ムービー新社。「ベルサイユのばら」が製作される少し前に「新・エースをねらえ!」、少し後に「明日のジョー2」を制作した会社です。

当時としては群を抜いてキレイな作画で、とてもきれいだとおもっていたのですが、今見るとやはり線が太いですね。
この頃はまだアナログ撮影の時代なので、セル画に線を描くという行為を考えると、それでもかなり健闘していたと思われます。

漫画では所々にギャグ要素が出てきましたが、アニメではそのあたりを削り、シリアス重視のストーリー展開となっています。ただ、原作と違う点も多々見受けられ、原作者の池田理代子氏があずかり知らぬ所で設定が変更されており、原作者が不満を漏らすといったこともあったそうです。

完全新作アニメは映画で公開

2022年9月17日(土)から東京、2022年11月30日(水)から大阪で開催される誕生50周年記念 ベルサイユのばら展。
この展示に合わせて新作映画のティザービジュアルが発表されました。企画展では、アニメキャラクターの設定画や、背景の一部資料も展示されるそうです。気になる方は、展示会へ赴いてみてはいかがでしょうか。

ベルサイユのばら オスカル マリー

イラスト:朝矢

 

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劇場版アニメ「ベルサイユのばら」公式サイト

 

 

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