秒速5センチメートル は、ふたりが分かち合った一瞬の想いが永遠に生き続けることを描いた切ない初恋の物語

秒速5センチメートル は、ふたりが分かち合った一瞬の想いが永遠に生き続けることを描いた切ない初恋の物語

“秒速5センチメートル”とは、2007年に公開されたアニメーション映画です。秒速5センチメートルとは桜の花びらが落ちる速度のことを指しているようです。精密な作画と情感に満ちたBGMが登場人物たちの想いを緻密に描写していくのが見所だと思います。

桜花抄

東京に住む小学生の遠野貴樹と篠原明里は幼馴染ですが卒業を期に明里は栃木へ引っ越して離れ離れになります。
中学生になってから半年後、明里から手紙が送られてきて、貴樹は文通を始めます。

ですが、今度は、中学二年生になった貴樹が鹿児島の種子島へ引っ越しして転校することになりました。貴樹は引っ越し前に栃木に住む明里のもとへ会いに行く決意をします。

貴樹は学校が終わってから半日もかからず栃木の明里へ会う予定でしたが、冬の積雪に阻まれて電車が動かず、会いに行く道中、列車の中で立往生します。見知らぬ土地で強い不安に駆られた貴樹はただひたすら列車が動き出すのを苦痛の中で待ち続けます。

ようやく列車が動き出して目的地の駅に着いた頃は深夜でした。

駅の改札を抜けて待合に立つと、憔悴しきった表情で目を閉じている明里が椅子に座っていました。

震える思いで貴樹は明里に声を掛けると、明里は驚いたように目を開け、貴樹のコートの裾を握り締めて涙を落としました。

二人は再会を果たし、待合で明里の作ってきた弁当を食べたあと、雪が積もる駅舎の外へ歩き出しました。
幹と枝だけの桜の大木の下で雪の中、二人はくちづけをかわします。

農家の納屋に入って二人は毛布に包まり、長く話した後、疲れきって眠り、そこで夜を明かします。

翌朝、発車間際の列車で二人は言葉を交わしますが、お互い用意していた手紙は二人とも渡せずじまいでした。

コスモナウト

貴樹は鹿児島県の種子島の中学校に転校し、その島の高校へ進学します。弓道部に入部し、あの日のことを想いながら矢を射ます。
そこへ同級生の澄田花苗が通りかかり挨拶を交わします。

中学二年生に転校してきた貴樹に一目惚れした花苗は、高校進学の際に貴樹と同じ高校に入りたくて猛勉強して無事に同じ高校に入学します。

高校三年生を迎えますが、好きなサーフィンがうまく出来ずに、卒業後の進路も決まらず、教師や親を心配させます。

それもこれも花苗は貴樹に想いを寄せていて、待ち伏せして貴樹と共に下校していても、自分の気持ちをうまく伝えられなくて、恋煩いに苦しんでいるからです。

いっぽうで、貴樹は出す当てのない携帯電話のメールを打っては消去し、宇宙に想いを馳せては初恋の相手である会えない明里との距離を重ねあわせ、貴樹は東京へ進学することを目標に、無意識に明里との再会を夢想しては、宇宙の中へ飛び出すロケットの探査機のように心細さと孤独の中で新しい境地を目指すことに心を奪われていました。

花苗は貴樹と下校時に何度か言葉を交わし、花苗は貴樹の何気ない言葉に勇気付けられ、サーフィンがうまく出来るようになった日、花苗は貴樹に愛の告白をしようと勇気を振り絞りますが、いつもの一緒の下校時、うまく言えなくてあふれる涙を隠します。

そのとき通学用の単車が故障して、花苗と貴樹は一緒に歩いて帰りますが、うまく告白できない理由がわからずに、苦しくて花苗は再び涙を落とします。

貴樹はそれに気付いて言葉を掛けようとしますが、そこへ種子島のロケット発射台から一基のロケットが轟音と大量の煙と共に発射されて、宇宙無に向ってぐんぐん透き通った空に飛び出していきます。

あっけに取られて二人はその様を見ていましたが、その瞬間、花苗は貴樹が、自分が貴樹を見ていても、貴樹は自分を見ていなくて、もっとずっと遠くの何かを見ていて心がここにないことを悟るのでした。

結局、花苗は貴樹に愛の告白も出来ず、その夜、寝床で静かに涙を流しながら貴樹への愛は伝わらなくても、これからも貴樹のことを好きでいるだろうと枕の中で悲しみながら眠るのでした。

秒速5センチメートル は、ふたりが分かち合った一瞬の想いが永遠に生き続けることを描いた切ない初恋の物語
画像引用元:(C) Makoto Shinkai / CoMix Wave Films

秒速5センチメートル

成人した貴樹は東京の自宅で、パソコンを使った朝の仕事に区切りをつけ、散歩に出かけます。

桜の花びらが舞い散る中、踏切を渡る際にすれ違った女性に何かを感じ、踏切を渡り終えた後に振り返ります。女性も振り返ろうとしますが、あいにく列車が通過してその姿はかき消されました。

雪の舞い落ちるなか、貴樹は仕事帰りで携帯電話が鳴りますが、電話を取る気になれない貴樹は今、交際している女性とうまく行ってないようです。

成人した明里は、朝の電車のホームでご両親に見送られて電車に乗り込み、都会で待っている婚約者のもとへ戻ります。

翌日、自宅のベランダで煙草を燻らせている貴樹の携帯電話にメールが入ります。交際している女性との別れのメッセージが送られていました。

そして、貴樹は日々の暮らしに自分の心が限界に気づいて会社を辞めました。

雪が降りしきる中、夜の繁華街をさまよい、失った自分を探すかのように、13歳の明里と自分の姿を無意識に探し求めます。あの雪の桜の大木の下で口づけをかわしたときに確信に満ちた感情を忘れられずにバーで酒を飲みますが、その確信に満ちた感情の正体やどこへいけばその感情に再びめぐり合えるのか、途方にくれて心がすさんでいきます。

明里は愛する人のもとへ辿り着き、熱く抱擁を交わして幸せな暮らしを手に入れたようです。両親に見送られた後の電車の中で、ふと13歳の自分と貴樹を思い出しますが、再びめぐり合いたいという気持ちは無く、大切な思い出として心に仕舞っているようです。

ある桜舞い落ちる朝、住宅街を通る踏切で二人はすれ違います。けれども、お互い振り返ろうとしますが電車が通過して互いに面影を確かめることも出来ず、電車が去った後、女性は踏切から立ち去っていました。

そして貴樹は少し吹っ切れたような笑みを浮かべて、同じく踏切から立ち去り、物語は終わります。

秒速5センチメートル は、ふたりが分かち合った一瞬の想いが永遠に生き続けることを描いた切ない初恋の物語
画像引用元:(C) Makoto Shinkai / CoMix Wave Films

秒速5センチメートルを視聴して感じた「もう二度と帰ってこない一瞬」のかけがえのなさ

想いを寄せる心の距離と物理的な距離のアンバランスさの中でもやもやした気持ちに主人公は長い年月の間に陥りますが、あんがい、実生活でもそういう恋愛経験、特に初恋という特別な経験を潜り抜けてきた人も多いと思います。その初恋の入り口は様々ですが、その出口もまた人の数だけあるのではないかと思う点で、こういう結末も充分ありうるといえるのではないでしょうか。

作品中に出てくる宇宙と宇宙船をモチーフに、主人公の心の中で過去と現在が等価に存在していることを描ききったのは斬新な切り口だと思います。

もう二度と帰ってこない一瞬の確信に満ちた思い出だからこそ、これからも永遠に心の中で生き続けるのかもしれません。

文章:drachan

 

『秒速5センチメートル』ピュアで切ない恋を思い出したい時の名作映画

映画「 君の名は。 」は、セルフオマージュを取り入れた究極のすれ違いを描いた作品!?

(C) Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
ホームページ:秒速5センチメートル

この記事のライティング担当:あにぶ編集部

秒速5センチメートル は、ふたりが分かち合った一瞬の想いが永遠に生き続けることを描いた切ない初恋の物語
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YOUTUBEを、もう一回はじめたんスよ。

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