2023年夏アニメいくつかをまとめて紹介する第2段の今回は、こちらの3作となります。

「AIの遺伝子」

22世紀後半。化学が進歩した世界では、人格を持ったヒューマノイドにも人権を与え、共存しています。ところで、ヒューマノイドは破損したボディを交換することは可能ですが、記憶=頭脳だけは複製(バックアップ)が禁止されています。

主人公の須藤光はヒューマノイド専門医として働いています。彼は過去、何か重篤な病状にあったようで、彼を引き取り育てていたヒューマノイドの母親は、高額な医療費を払うことができず、途方にくれていました。ある日、その手術を治験という形で無償で行うと言われた母親は、医療関係者らしい男たちにそそのかされ、自身のバックアップを許してしまいます。その結果、母親は逮捕され収監されてしまいます。大人になった光は表の医者の他に闇医者としても活動し、母親をだました組織を追っています。どうやら母親のバックアップされた記憶が、別のヒューマノイドに移植されているようで、そのヒューマノイドを探しているようです。

1話では、そうした過去と共に、現在の光の行動が描かれています。闇医者としての依頼で出向いた先には、体の不調を訴える女性型ヒューマノイドがいました。彼女は夫により違法にバックアップを行った際、ウイルスに侵されていました。感染していないバックアップを使って元通りの健康体になるか。記憶を忘れずにそのまま頭脳の停止を受け入れるか…人間の子供を引き取り育てていた夫婦は、悩みそして結論を出します。

夏アニメの中でも異色の舞台設定

原作は「少年チャンピオン」で連載されていた同名漫画。この原作者・山田胡瓜氏は、IT雑誌の記者を務めた職歴を持ち、その時に執筆して得た知識などが、後に漫画家として連載する「AIの遺伝子」に大きな影響を与えているそうです。浦沢直樹氏に憧れていたそうで、絵柄が若干浦沢氏風。筆者は最初、浦沢直樹さんが原作なのかと錯覚していました。IT知識が豊富な方が描いただけあり、かなり緻密な設定がなされています。原作は第21回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。ITに興味を抱いている方におすすめと感じました。

アニメーション制作はマッドハウス。CGを取り入れたOPの赤ちゃんは正直、ちょっと怖いです。しかしストーリー的に、この先のミステリーとしての部分を象徴しているようで、興味をひかれます。なお、ほとんど人間と変わらないヒューマノイドと人間の見分け方は、瞳の瞳孔なようです。人間は瞳孔が縦長ですが、ヒューマノイドは横長です。ヒューマノイドと人間のわずかな違いにも注目して、今後のストーリーを楽しみたいと思います。

夏アニメ「AIの遺伝子」は、7月7日より、MBS/TBS系の”アニメイズム”枠他で放送中です。SFと人々(ヒューマノイド含む)の心理劇が好きな方は、ぜひご覧ください。

「スプリガン」

超古代文明を悪しき者から守り、封印するために組織された「アーカム」。そこに所属する特殊エージェント「スプリガン」の少年・御神苗 優(おみなえ ゆう)を描くSFアクションです。第1話では、富士の樹海で発見された古代文書を解読するため呼び寄せられた言語学の天才・山菱理恵を優が警護することに。しかし、この古文書や、超古代文明の力を手に入れたい二大国により、理恵は危険にさらされます。

理恵は現在はアメリカに引き取られ生活していますが、元々は日本の施設で育った過去を持っています。その時に同じ施設で暮らしていた少年を「恩人」だと言い、その消息を探しています。その事を探している少年だと気付かず優に話す理恵。「いや、目の前の子だよ、面影あるでしょ!」と思わず画面の前で悶えてしまいました。

なんと30年以上前に連載された漫画が原作

原作は1989年から1996年まで「少年サンデー」で連載。たかしげ宙氏・著、皆川亮二氏・絵の同名漫画になります。実は一度アニメ化もされています。今回、数十年ぶりにアニメ化された今作。正直、絵柄は古臭いのですが、ストーリーは色褪せない面白さがあります。

アニメーション制作はdavid production。「うる星やつら」の再アニメ化版や、映画「あんさんぶるスターズ Road to Show!!」を制作した会社です。特筆すべきは、その音楽のカッコ良さ。OP、EDももちろんですが、劇伴も素晴らしく、それらすべては岩崎太整氏により作曲されています。岩崎氏は「血界戦線」の音楽も担当されていた方なので、思わず納得のカッコ良さです。

「スプリガン」は、7月7日よりTOKYO-MX、BS11他で放送開始されています。またNetflixで独占配信されています。アクションや古代文明系の話が好きな方、そして往年のファンの方もぜひご覧ください。

「デキる猫は今日も憂鬱」

最後はほのぼの非現実的日常アニメ。仕事はできるが家事全般が苦手な会社員・福澤幸来。ある冬の寒い日、凍死寸前の子猫を拾います。さて、月日が経ち、諭吉と名付けられたこの子猫は、成人男性並みの大きさまで育ちました。二足歩行する諭吉は、家事が苦手な飼い主の為に、掃除、洗濯、料理にご近所づきあい、全てを完璧にこなすデキる猫に育ちます。そんな諭吉と飼い主幸来の、まったりのんびり同居ライフを満喫するアニメです。

うちの猫、少し他と違う気がする…」と思いつつ、諭吉にがっちりと胃袋を掴まれている幸来。猫が二足歩行してても動じず、ご近所づきあいをするお隣のおばあさん。また、諭吉がよく買い物に行くスーパーの猫好き店長。諭吉が来ると挨拶をしに行き、いつか諭吉がアルバイトしてくれることを夢見ています。とってものんびりした住人に囲まれて諭吉は今日も幸来の世話を焼く…という、なんとも癒される展開です。

夏アニメ一の癒しアニメ

めちゃくちゃ大きい諭吉は、立っているだけで癒しです。普段はどちらかというと目付き悪めな諭吉。しかし、幸来のためのお弁当が上手にできるとにんまりと笑います。その笑顔がまた、なんとも癒しなのです。

原作は山田ヒツジ氏による同名漫画。現在、講談社発行のシリウスワイドKCにて7巻まで刊行されています。アニメーション制作はGoHands。「K」シリーズを手掛けた会社です。また声優陣も豪華で、諭吉を安元洋貴氏、幸来を石川由依氏。小さい頃の諭吉を知っている幸来の上司・織塚 馨を小西克幸氏。猫好き店長を入野自由氏が演じています。

「デキる猫は今日も憂鬱」は、7月7日よりMBS/TBS系のアニメイズム枠で放送中。配信サイトでも順次配信されています。猫が好きな方はぜひご覧になって癒されてください。

 

夏アニメ。とりあえず初回を観てみた第1段

TVアニメ「デキる猫は今日も憂鬱」公式サイト

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