皆さんは、何かスポーツをされたことありますか? 今回ご紹介させていただくのは、テニス話題材にした昭和の名作『 エースをねらえ! 』です。
『 エースをねらえ! 』とはどんなアニメ?
『エースをねらえ!』は山本鈴美香さんのスポーツ漫画で、1973年~1975年および1978年~1980年「週刊マーガレット」に連載されました。その人気を受けてアニメ化。放送が始まると、日本全国の少年少女たちが『 エースをねらえ! 』に夢中になりました。
当時、多くの少年少女たちが『 エースをねらえ! 』に熱中し、日本国内にテニスブームを引き起こしたスポ根アニメのひとつでした。
その後、テレビアニメ版第2作として『新・エースをねらえ!』や『エースをねらえ!2』も放送され、更には実写ドラマ化や劇場版アニメまでが制作されていて、当時の人気がうかがえます。
『 エースをねらえ! 』の主人公である「岡ひろみ」は、高校でテニスクラブに入部するところからストーリーが始まります。そのテニスクラブには、ひろみが最も憧れているテニスプレイヤーのお蝶夫人こと「竜崎麗香」が所属しているテニスクラブに入部しました。
ちょうどその頃、同じテニスクラブに就任した新任のコーチ「宗方仁」は、新入部員の岡ひろみの素質を見抜き、過酷な指導と練習の末に世界のトップテニスプレイヤーに育っていく、昭和のスポ根アニメなストーリーになっています。
『 エースをねらえ! 』の登場人物
1. とにかく努力を積み重ねる主人公「岡ひろみ」
西高校一年生。お蝶夫人に憧れてテニス部に入部するが、新任コーチの宗方から入部早々に異例の代表選手に抜擢されてしまう。それによって生活が激変する。
実力を妬む他の選手からを受けながらコーチの厳しい指導の指導に耐え、天性運動神経と持ち前の根性により自身の才能を開花させていきます。強烈ないじめとシゴキに耐える根性を見せますが、普段は明るくて性根の優しい女の子です。
2. コーチとしても素晴らしい「宗方仁」
西高校の新任のコーチ ひろみの隠れた素質を見抜き、いきなり代表選手に抜擢して猛特訓を開始する異端児系コーチ。彼自身もトップのテニス選手だったが、22歳の時に練習中に倒れ選手としては再起不能となる過去を持つ。
「宗方仁」は病気を患い、その死期を自覚している彼は残りの人生の時間すべてを尽くして「岡ひろみ」をトップテニスプレイヤーに育てる為に尽力する。
3. ひろみを立ち直させる「桂大吾」
「宗方仁」の死後に登場する人物で、ひろみを立ち直させて世界に羽かせると約束する。「宗方仁」とも古くからの親友で、「宗方仁」の再起不能の宣告後に自身もテニス界から引退する。
4. 実力もテニスにかける想いも一流 「竜崎麗香(通称 お蝶夫人)」
庭球協会理事の娘であり、超高校級の実力者。プライドは極めて高い。テニスの実力は十分に高い彼女だが、ひろみが代表選手に抜擢されてからは、ひろみをテニスから追放しようとまでします。
加賀高校の試合あたりから、ひろみに対する気持ちに徐々に変化が現れ、緑川からひろみがサーピスエースを取ってからは、彼女の実力認めるようになってきました。
その後は、ひろみを全力でサポートしていく立場に変わり、テニスにおいても生活においても、いろいろとひろみを助けていくことになります。
そんな中でかつての敵である2人の熱いエピソード。竜崎麗香は自分の持っている技術をすべてひろみに伝える為に、手加減なしの本気の勝負を挑みます。ひろみも竜崎麗香のその気持ちに応えようと、2人は手加減なしの決死の試合をプレイします。この試合結果は、ひろみの完敗に終わります。
最後に「ありがとうございました。」とお蝶夫人と握手をいます。
かつては妬ましく消してしまいたかった存在である「岡ひろみ」。そして今、その彼女と精神的な和解を果たして自分の持つすべての技術と知識を伝授する「竜崎麗香」。このシーンをみて、「ひろみ、最後までよく頑張った」、そして「お蝶夫人、今とっても綺麗だよ」と思い、胸が熱くなるほどに感動しました・・・(泣)
異端児コーチ「 宗方仁 」のひろみに託した想い
西高校の男子テニス部のキャプテン尾崎勇。実は藤堂はひろみに恋愛感情を持つのですが、異端児コーチ「 宗方仁 」はその恋愛を認めません。
そんな中、猛訓練中のひろみが練習中に倒れてしまいます。ひろみに心を寄せる藤堂は、異端児コーチ「 宗方仁 」の指導するハードな練習に対して
「胃液を吐いてまでする必要があるでしょうか?」
と強く詰め寄りますが、「 宗方仁 」は藤堂に一言、
「岡には女を超えてもらう」
異端児コーチ「 宗方仁 」は、ひろみに男子以上の実力を身に付けて欲しかった、いや、付けさせるつもりだったのかもしれません。自分には時間が限られている中で、ひろみを出来る限り、自分の手で世界最高のテニスプレイヤーに育てていこうとしていたのでしょうね。
もちろんですが、ひろみは異端児コーチ「 宗方仁 」の理想と期待に応えようと、耐え抜いていきます。
やがて、5人の選手たちが世界に渡米する前日にコーチが入院することに。見舞いに行ったときに藤堂だけを病室へ呼び戻したコーチは、「岡を頼む」と伝えます。その翌日、コーチは静かに息を引き取ります・・・(泣)
しかし、5人の選手たちは宗方仁の死を知らされていないまま、世界の舞台へと旅立っていきました。
「 エースをねらえ! 」で感じた勝負の世界
スポーツには、安全が保証されたルールのある戦いの世界です。単独で戦うもの、複数で戦うもの、いろいろとあります。テニスでは仲間と協力したり、時には自分自身との戦いの中で、孤独感との戦いのや恐怖や挫折しそうにる事もあると思います。
そんなリアルな感情を描いてくれるのが、この『 エースをねらえ! 』です。たしかに、昭和という時代だからこそ!という部分と、平成の現代では通用しないしごきや特訓の表現も出てきます。「女を越える」なんて表現も、現代ではかなりでNGな感じです。
しかし、そんなNGオンパレードな表現があったとしても、この『 エースをねらえ! 』を見終わった時に胸にこみ上げる、得体の知れない熱いモヤモヤとしたものは一体なんなのか?暴言を吐きかけられ、殴られ、叩きつけられても、なんだか温かいのはなぜなのか?
その理由は、平成生まれの私にはわかりません。わかりませんが、この暖かさこそが、昭和アニメの良さではないかと思っています。
この『 エースをねらえ! 』、困難を克服しようとする努力が必要になったとき、ぜひ見てほしいアニメです。
文章:あそしえいつTY