先日、ブルーレイディスク一枚に「 うみねこのなく頃に 」全話が収められた全話いっき見ブルーレイが発売されました。 全26話が一万円足らずで手に入るのです。
この機会に「うみねこ」に手を出してみようと思った方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は隠れた名作「うみねこのなく頃に」の魅力を存分に紹介したいと思います。
「 うみねこのなく頃に 」とは?
「うみねこのなく頃に」は「ひぐらしのなく頃に」の作者である竜騎士07氏が描くミステリー作品です。
この二作品、タイトルは似ていますが、全く別の作品です。 もちろん、「ひぐらし」を知らなくても「うみねこ」は楽しめます。 (「ひぐらし」を知っているとニヤッとできるシーンもちらほらありますが…)
「うみねこ」最大の特徴はその世界観です。 普通、ミステリーの世界では探偵と犯人がただ一つの真実をめぐって争います。
しかし、「うみねこ」の世界で探偵の敵は魔女です。 この世界で探偵は自分の親族を惨殺した魔女を否定するために知恵を絞ります。
探偵の勝利条件は犯人を見つけることではなく、犯人が魔女でないことを証明することなのです。 そのために、主人公の右代宮戦人は魔女ベアトリーチェと壮絶な推理バトルを繰り広げます。
「うみねこ」の舞台とあらすじ
では、次に「うみねこ」の舞台設定とあらすじを見ていきましょう。
物語のほとんどは伊豆諸島の架空の島、六軒島を舞台として進行します。 六軒島は戦後頭角を現した大富豪の右代宮家が領有しており、彼らは年に一度、10月にこの島で親族会議を開きます。
特に、物語の舞台となる1986年は当主金蔵が余命三か月を宣告されており、この年の親族会議は右代宮家にとってかつてないほど大きな意味を持つことになります。
そんな中、突如訪れた台風で六軒島は出入りが不能に…。
台風で閉ざされた絶海の孤島で魔女伝説をなぞる連続殺人事件が幕を上げます。
黄金の魔女ベアトリーチェ。
六軒島には彼女にまつわる伝説が語り継がれています。
島にある館の入り口には当主金蔵の命令で、ベアトリーチェの肖像画とともに彼女が金蔵に授けたという10トンの黄金の隠し場所を示す碑文が掲げられています。
殺人はこの碑文に沿って行われていきます。 島に閉じ込められたのは18人。 碑文殺人の犠牲になるのは13人。
普通のミステリーではありえない数の登場人物の中から犯人を見つけ出すことはできるのでしょうか?
そもそも、推理は可能なのでしょうか?
主人公戦人と視聴者を蝕む「永遠の拷問」が今始まります。
他にはないミステリーの定義を覆す名作
うみねこ最大の魅力はミステリーとしての楽しみを最大限に引き出しながら、他のジャンルの魅力も兼ね備えていることでしょう。
結論から言うと、「うみねこ」の真相は一つではありません。 何通りもの解釈が可能なのです。
視聴者自らが探偵となり、事件の謎を解くという楽しみがあるのです。
さらに、自分の推理と友達の推理を比べ議論するのも「うみねこ」醍醐味の一つです。
「うみねこ」にはこういった楽しみ方をするための工夫が随所に施されています。
例えば、物語の中盤から登場する「赤き真実」のシステムです。 作中で「真実と確定されていること」は赤い文字で示されます。 (「赤字」がどのようなものなのかはぜひアニメを見て確かめてください!)
例えば、赤字で「〇〇が殺害されてからこの部屋を出た人間はいない」と宣言されれば、秘密の通路の可能性などを考える必要がなくなるのです。
これにより、視聴者は普通のミステリーではありえない量の情報を持って謎に挑むことになります。
何度も言うようですが、「うみねこ」は単なるミステリーではありません。
他にも様々な楽しみ方があります。 例えば、ヒューマンドラマ。
「うみねこ」の登場人物たちはみな様々な事情を抱えて生きています。 母親のDVのさらされながらも幸せを信じ続ける少女。 使用人との恋を成就させようとする男。 兄の死の真相を追い続ける妹。
こういった登場人物たちの心情がミステリーではありえない密度で描写されています。
さらに、「うみねこ」にはファンタジーとしての側面もあります。 作中では魔女や悪魔が壮絶な異能バトルを繰り広げるのです。
手に汗握る展開は西洋ファンタジーのものといっても過言ではありません。
タイトル | うみねこのなく頃に |
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監督 | 今 千秋 |
放送期間 | 2009年7月 30分×26話 |
主な声優 | 小野大輔,大原さやか,堀江由衣他 |
製作会社 | スタジオディーン |
その他の情報 | http://umineko.tv/web/main/index.html |