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『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』力強く生き抜く少女たちの戦いを声優御三家と豪華メンバーで

『 クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 』は2014年10月から2015年3月まで半年にわたって放送された、ガンダムシリーズで有名なサンライズと、キングレコードの共同制作による、オリジナルロボットアニメです。キャッチコピーは「世界を壊して、私は生きる」。

監督には『魔法少女まどか☆マギカ』の作画を担当した芦野芳晴さん。音楽は志方あきこさん。そして、作品全体の「クリエイティブプロデューサー」(CP)として、『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の監督であった福田己津央さんが総合的なプロデュースを行った作品です。

普通のロボットアニメは男性キャラクターが多くそれに女性のヒロインなどが登場しますが、この作品はパイロットのほとんどが女性という、ロボットアニメの方程式をあえて壊した作りになっています。主人公アンジュを演じるのは「水樹奈々」さん。

 

「差別」をめぐるパラダイムシフト

この作品の舞台は、「マナ」と呼ばれる情報伝達・物質精製技術が発達し、戦争や環境問題がなくなったとある世界です。世界の人たちがみんな魔法使いだと考えていただければイメージしやすいと思います。

そうした世界の中で、まれに「マナ」が使えない人間が突然変異的に生まれます。そのマナを使えない人間は「ノーマ」と呼ばれ、反社会的な存在として差別され、「アルゼナル」という基地に隔離されます。なぜか、ノーマは女性ばかりであり、これはこの世界の創造に関わる問題なのですが、アルゼナルにおいて女性ばかりのノーマは、「ドラゴン」と戦うことを強いられています。

主人公の「アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ」は世界を統べるミスルギ皇国の第一皇女でしたが、その16歳の洗礼の儀(成人式のようなもの)において、ノーマであることが暴露され、一転して、アルゼナルへと隔離され、ノーマ「アンジュ」として戦うか死かの選択を突き付けられます。これまで、世界を統治するために生きてきたアンジュリーゼが、一転して、この世の最下層に否応なしに転落し、アンジュとして生き抜かなければならなくなります。

物語の序盤は、そうした彼女のパラダイムシフトの過程が描かれていて、どのようにして真逆の世界でいくことになるのかが注目です。ただし、アンジュの性格は、よくある女性主人公のそれではなかったのです。かなり苦労はするのですが・・・、これは見てからのお楽しみです。

直球の表現を好きになれるのかどうかがこの作品を楽しめるかの分かれ目

ほとんどが女性キャラクターとはいっても、「日常系」のような「やさしい世界」ではありません。福田CPほか制作陣に意向が多分に反映され、いわゆるB級映画のお約束である「エロ・グロ・バイオレンス」をそのまま、女性が主体となったストーリーに置き換えたもののようになっています。次項で述べる豪華声優陣ですが、それまでの作品のイメージとは全く異なる方向にベクトルを振り切ったキャラクターを演じています。

下の動画の内容を見て、耐えられないようなら、おそらく以降のストーリーもついてこれないといいますか、拒否反応が出る人もいる作品で、決して万人向けではありません。

しかし、「好きな人はとことん好きな内容」で、女性ファンも多くいます。アンジュたちキャラクターの描かれ方に共感できる女性も(男性も)多いのです。添加物たっぷりのジャンクフードのような作品と例えることもできます。決して、きれいで穏やかなものではなく、刺激も強いので、内容以前にこの表現に好き嫌いが分かれてしまいます。

ただし、あちらこちらに刺激な表現を含みながらも、本筋は極めて王道で、踏み外したところがありません。BD/DVD版ではさらに、いろいろ修正、追加されています。

 

「御三家」ほか豪華声優陣の夢の競演

この作品は、もともと、声優「御三家」と呼ばれる、水樹奈々さん、田村ゆかりさん、堀江由衣さんに共演してもらい、ロボットアニメを作りたいという、サンライズとキングレコードの構想から始まりました。

そのため、その3人はもとより、キングレコードのレーベルから曲を出している声優さんの多くが出演しています。宮野真守さん、喜多村英梨さん、小倉唯さん、石原夏織さん、上坂すみれさんなど豪華なキャスト陣、さらに、アンジュの母親役では林原めぐみさんも演じておられます。

上でも書きましたが、作品中のキャラクターは、その声優さんのこれまでのイメージとは大きく異なる性格になっています。声優さんのイメージをいい意味で裏切られること請け合いです。

 

ストーリーはアルゼナルから異世界、そして、この世界の真実へと進んでいきます。「予想にならない予告」も有名で、次回のストーリーが毎回ミスディレクションされます。いい意味で裏切られる快感を楽しんでください。

ロボットのアクションは、福田CPが関わっているだけあって、シーンこそ少ないものの、非常によく演出されています。これもまた必見です。

最終回まで見終わったとき「クロスアンジュ」の本当の意味が分かります。とにかく、1話を観ていただき、視聴を判断してください。ものすごくカタルシスが得られる作品です。

バンダイチャンネル:1話無料

 

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