アニメ「魔女の旅々」第3話『花のように可憐な彼女』『瓶詰めの幸せ』

アニメ「魔女の旅々」第3話『花のように可憐な彼女』『瓶詰めの幸せ』【感想コラム】

アニメ「魔女の旅々」第3話『花のように可憐な彼女』『瓶詰めの幸せ』 あらすじ  

旅の途中で美しい花畑に降り立ったイレイナは、そこにいた少女から花束を預かる。花が美しいと思われることが大事で、誰でもいいから渡してほしいという不思議なお願いと一緒に。イレイナは近くの国へと向かうが、何故か門番に入国を止められてしまう。 イレイナは、瓶の中に幸せを集めている少年・エミルと出会う。彼は、自分の家で働く使用人のことが好きで、いつも暗い顔をしている彼女を幸せにするため、その瓶をプレゼントしようとしていた。

第3話は短編話の2話構成となっており、結論から言うと少しダークで救われない、だけどなんだか深いお話の2本立て。でもこれも「魔女旅」っぽさ満開のストーリーだと感じるお話となりました。

花畑と毒の花

アニメ「魔女の旅々」第3話『花のように可憐な彼女』『瓶詰めの幸せ』
画像引用元:© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会

旅を続けるイレイナが、ふと旅の途中で綺麗な花畑を見つけます。しかし、「美しいものは時として、触れるものに牙をむくこともある…」と不穏な語りとBGM…。 そんな綺麗な花畑で花を摘んでいる少女を発見します。ただ花が好きだという彼女からイレイナは「次に行く国の誰でもいいので、この花束を届けてほしい」というもの。 特に不思議に思うこともなくそのお願いを聞き入れたイレイナ。そんなイレイナがとある国に到着すると門番の男から物凄い形相で「その花束はなんだと」詰め寄られてしまいます。

彼は最近、妹が行方不明になって以来そうなってしまったという…。さらに、花には毒があるとして没収されてしまう。 魔法使いには無害だけど、魔法を使えないものにとっては精神を蝕む毒があるという花束。

その毒に魅入られたものは、蜜に群がる虫のように花が咲いているところに導かれてしまうのだという。 イレイナは昔読んだ本から、花が魔力を吸って自我をもって暴れまわるという話を思い出し、なにかに気が付きます 翌日、もう一度その花畑に行くと、なんとも衝撃の光景が広がっていました。

それは、妹をようやく見つけたと言って大事そうに花を抱きしめる門番の男の姿 やがて男は自我を持った花に養分として吸われ続けてしまいます…その光景にイレイナも言葉を失くします。

さらに焼却処分した花の煙は街中に広がり、その花畑を目指して街中の人間がゾンビのように歩き始めるのでした…。

奴隷少女の降伏

アニメ「魔女の旅々」第3話『花のように可憐な彼女』『瓶詰めの幸せ』
画像引用元:© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会

またまた旅の途中で、イレイナは大きな瓶を抱えた少年に呼び止められます。 その少年は、「人や動物が幸せを感じた瞬間を魔力に変えてそれを瓶に集める」ということをしていて、それを好きな子のために集めているのだという。

イレイナは少年の話を聞き「病気で寝たきりの妻のため、各地の冒険で得た景色を魔法で複製させる夫の話」を思い出し、少年は「きっと妻は幸せに違いない」んだと信じます。 その少年が好きだという少女・ニノは少年の家の使用人。料理でもてなすとイレイナを家に招待します。 明るい少年とは対照的になにかにおびえるように暗い表情のニノ。東の国から拾われたというニノは「少年の父親には優しくしてもらっている」となんだかびくつくように話します。

少年が二ノにプレゼントをするというと、ニノは「勝手なことをすると怒られる」と拒否しますが、お構いなしにプレゼントを押し付けようとする少年。 少年の父親の話を聞くと二ノは拾ったのではなく奴隷として買ったと話始めます。気立てがよく家事もでき、将来美人になるからというなんともクズな発言。 しかしこれは少年の話となんだか差異があるような違和感を感じるイレイナ。 二ノはビクつきながら家事をこなしていましたが、ある拍子に瓶を割ってしまう失態を犯すと、人が変わったように怒り立て始める父親。 明らかに優しくしてもらってるとは思えない光景に思わずイレイナも杖をあげそうになりますが、グッとこらえ壊れた瓶を直し始めます。 イレイナは落ち込んでいるニノに今こそプレゼントをあげるべきと促し、「他人の幸せが詰まった瓶」をプレゼントする少年。

アニメ「魔女の旅々」第3話『花のように可憐な彼女』『瓶詰めの幸せ』

画像引用元:© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会

そこには幸せそうな家族の光景が魔法で広がります。 その光景にニノは涙を流してしまいます。それが悲しみの涙なのか嬉しい涙なのか少年は気づかないまま。イレイナは昔読んだ物語の続きが「病気の妻のためによかれと思ったことが、かえって妻を不幸にしてしまった」というオチを思い出すのでした。

その後の、ニノと少年がどうなったかは分かりませんが、奴隷として買われたニノの過去が壮絶だったということは筆舌に尽くしがたいこと、そのニノが絶対に手に入らなかった幸せをまざまざと見せつけられたその後は一体どうなったのでしょうか…。

誰もその後は分かりません。 後ろ髪ひかれながらも、イレイナは再び旅へと出発するのでした…。

アニメ「魔女の旅々」第3話『花のように可憐な彼女』『瓶詰めの幸せ』
画像引用元:© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会

「幸せってなんじゃろな!?」

はい、今回は「幸せってなんじゃろな!?」というお話。 一本目では幻覚の中で、なにも知らずに花を妹と思い込み続ける男…という、傍から見るとなんとも哀れで居た堪れない男のお話 ではありますが、実際その男の立場になって見ると行方不明で必死に探していた妹と会えたわけです。 「

知らぬが仏」という言葉はありますが、気づかない限り男は、一生妹と一緒にいられるわけです。

実はそれも一つの幸せの形なのでは?

というメッセージを感じますね。 そして、二本目では人を幸せにしようと思ったことがかえって人を不幸にしてしまった話。まあ普通に考えりゃ分かりますよね~これは。

範馬勇次郎がその場にいたなら間違いなく「イヤミか貴様ッッ」と叫んでいたことでしょう。 感想を見ると「後味が悪い」とか「胸糞」なんて言葉を見かけますが、うーん、もっと深いメッセージ性の話をしているストーリーに感じましたし、これが「魔女旅」なんですよね。実は原作ではもっとエグイですよ。

 

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