『刀剣乱舞の楽曲は歌詞の言葉選びが綺麗で聴くと優しい気持ちで満たされる!』

2016年に第1期、2018年に第2期が放送されていたテレビアニメ「刀剣乱舞-花丸-」シリーズ。キャラクターである「刀剣男士」たちが歌う楽曲。

歴史がテーマの作品なだけあって昔の言葉も多く歌詞に使われています。そのため、表現に温かみがあり優しい気持ちで心が満たされました。そこで、私的おすすめ3曲を紹介していきます。

ちなみに刀剣男士は主(あるじ)である審神者(さにわ)の持つ『物の心を励起する技』によって人の姿を与えられた刀や剣の神様のことです。これは「眠っている物の想い、心を目覚めさせ、戦う力を与え、振るわせる」という力です。人の姿になると、それぞれに自我が芽生えています。

心を持った刀たちの励ましを聴いてポジティブな優しい心を育てよう!

使う方も使われる方も感謝が肝心刀剣乱舞-花丸-テーマソング「花丸印の日のもとで」

刀剣乱舞-花丸-第2期第1話オープニングテーマ。歌っているのは沖田総司の愛刀・大和守安定(市来光弘)・加州清光(増田俊樹)。

Aメロ「案ずるよりもそうさ信じること いつも心と気はゆたか日々前を向こう」

刀剣男士たちが畑仕事・料理・掃除などいろんなことをして自由に過ごしているシーン

歌い始めにある「案ずる」という言葉には現代で言う「考える」という意味があります。そして、最後に出てくる「心と気はゆたか」には現代で言う「力に満ちている」という戦いに向かう者としてふさわしい意味が込められています。

さらに刀剣たちそれぞれがバラバラに動きながらも家事はきちんとこなす姿を見せてくれます。こうした違った考えを持ちながらも根本的な思いである仲間との助け合いをするために鍛錬を忘れない。そんな彼らの優しさに心を打たれました。

サビとラスト

サビ「笑い泣いて 心置きなく 晴れ晴れとした空の下で」

刀剣男士たちが和気あいあいとお花見を楽しんでいるシーン

明るく楽し気な情景。そして現代で言う「心配せず」という意味の古語である「心置きなく」という言葉が使われたこのシーン。刀剣たちからの主(あるじ)に対する感謝が感じられ、聴くと優しさで満たされます。笑顔になれる好きな場面です。

ラスト「さあ進み行こう 一歩ずつ 銘々花ひらく(おーふぅ)」

清光と安定が集まっている男子たちの所ににこやかに走って行った後に二人でポーズを決めるシーン

刀にも場面によって使い分けが大事です。なので、男士たちの集まっているところから清光と安定だけが強調された描写。また「一人一人別々」という意味の「銘々」という古語の表現。それが、個性を発揮しつつも協調性を忘れない男士たちのカッコよさを強調している好きな部分です。

兄弟の絆は距離の違いなんかでは崩れない/刀剣乱舞-花丸-第2期第1話ED「天と暦」

刀剣乱舞-花丸-第2期第1話エンディングテーマ。歌っているのは源満仲の愛刀・髭切(花江夏樹)・膝丸(岡本信彦)。

Aメロ「移ろうひとときを 慈しみゆるりと超え 月の澄んだ夜半曇らせないように」

桜が舞う背景から髭切のシルエットが浮かび上がってくるシーン

「夜半」は「夜中」を指す古語でそこだけを聴くと暗いイメージを持ちます。しかし、言葉の前に「月の澄んだ」という言葉を使い、桜が舞う明るいシーンになっています。このシーンがこの曲で一番心に残った映像でした。日々はすぐに過ぎていくけど辛いことがある時はゆっくり前を向くための準備をしたらいい。そう、髭切なりに聴く人を励ましていると思えるからです。

サビとラスト

サビ「ともに信ず 覚ゆかけら 待ち過ぐす月日」

歌詞に長い期間同じ場所でいたことを指す「待ち過ぐす」。思い出を表す「覚ゆかけら」といった古語が使われでいます。ここは、髭切だけが盛りの中で雪に振られているシーン。

2人は兄弟にもかかわらず戦の状況によって別々の場所に出陣することがあります。時には、雪が降り帰れないこともあるでしょう。お互いを忘れないためにも寂しくなったら歌っているのではないかと思ってしまい、見るたび胸が苦しくなります…。

ラスト「また廻りあうため 坂のこわき登り 強くあろう」

金色の背景をバックに髭切と膝丸が前後で並んでポーズを決めているシーン

2人が同じ場所で共に過ごしたり戦える瞬間が長くあるとは限りません。だからこそ、「強くあろう」と決意を口に出し、記憶に残りやすい目印がある場所で2人で思い出を作っているのが絆の深さを感じます。仲よしなままでいてほしいと親心が湧いてきました。笑

大切な人やものへの愛は忘れないで/刀剣乱舞-花丸-第1期第10話ED「心馳せから縁あり」

第1期第10話エンディングテーマ。歌っているのは愛染明王の加護を持つ・愛染国俊(山下誠一郎)、来国俊作の大太刀・蛍丸(井口祐一)、来国行によって作られた太刀・明石国行(浅利遼太)。

Aメロ「自然に身を任せ降り積もる 淡雪のようにゆるりと舞いましょう」

国俊と蛍丸が国行の手を引いて和室を出ていくシーン

「自然に身を任せ」や「ゆるり」という「くつろぐ」という意味を持つ古語が使われた歌詞。それだけ聞くと、国行の性格は自由気ままなように思います。

でも、共に過ごすことが多い国俊たちが無理やりにで外にも連れ出し、面倒見がいい彼の性格を他の人にも知ってもらいたい。そんな健気さが見えて仲間同士の優しい心がけにほっこりした気持ちになりました。

サビとラスト

サビ「傍らでお互いに 支えてゆけば胸に秘めて」

国行が蛍と無邪気に戯れている蛍丸と国俊の姿をほほえましそうに眺めているシーン 

国行は2人にとって仲間かつ保護者のような存在でもあります。しかし照れ臭さから笑顔だけみせているところが、本当はこのまま平和な時間が続いてほしい。そんな本心の表れに見えてもっと周りに甘えた新たな姿も見たいと思いました。

ラスト「遠くまで見渡せるさ」

キラキラと光る刀がアップで映るシーン

一瞬だけの場面ですが、男士たちにとって刀や剣は自分の命が宿るものです。ですから、普段から綺麗にして離さず持っていたい。そんな好きなものへの愛情の深さが身近な考え方で私自身もすごく共感できたので選びました。

刀剣乱舞 の古風な雰囲気と明るいメロディーが合わさると心を癒す柔らかい曲になる

今回「刀剣乱舞」という作品を初めて知りました。歴史ものなので気難しく曲も暗いものが多いイメージでした。しかし、個性豊かな男士たちと同じように楽曲もそれぞれ印象が全く違っていて、初めて聴いたのにすぐ口ずさんでいたほどです。古風な中にもキャッチーさがあることに驚きつつ気分が上がりました。

ちなみに私が好きだと思った男士は清光でした。そのため彼がメインで歌うパートが多い曲を一曲目に選んでいます。笑

特に気に入っている部分は、1曲目に紹介した「花丸印の日のもとで」。その2番サビ前「縁を感じたのならば 面と向かい合い 遠慮せずに笑おう さすれば楽しき仲となる」

 途中にある古語「楽しき仲」は現代で言う「ライバル」に近い言葉だと思います。そんな日本らしい柔らかい表現が聴き手にも楽しさが伝わってきて印象に残っています。

この歌詞には男士たちが共に一つの場所で過ごす時間の中で知った想い。「初対面の印象がよくなかったとしても互いに感情をぶつけ合えばいい関係性を築ける」。そんな純粋な思いが感じられます。私も見た目も人間性も意識できる大人な心を持ちたいと思いました。

思いやりを持つ日本人なら武士だけじゃなく、武器にも思いやりを持って力を出し切れる戦いをしたいな!

文章:あそしえいつ T.A

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アニメ続「刀剣乱舞-花丸-」公式サイト

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