出る杭は打たれる日本社会。そんな日々に差し込む一筋の希望のようなアニメ。それが『僕らはみんな河合荘』である。一人暮らしアパートと言いつつ、その実態は、今話題のシェアハウスに近い。実際、シェアハウス暮らしをしていた筆者が言うのだから、間違いない。この物語は、シェアハウスの魅力的な点を最大限に表しているアニメである。

『僕らはみんな河合荘』は、飛ばさずOPを見てほしい

『僕らはみんな河合荘』を見て最初に驚かされるのは、背景イラストの美しさ。例えば、無機質な生活に慣れてしまった現代人にとって、おはじきや日本家屋などを美しく見られるだけでかなりの癒し。ヒロインのりっちゃんは、OP冒頭では、一見ただ無表情で本を読んでいるだけだが、徐々に彼女の想像がビジュアル化し、サビ部分で本に見入る彼女の想像力が爆発。様々な物語の主人公になりきる彼女は、決して無表情でつまらない女の子ではない、むしろ、とても魅力的な女の子なのだ。果たして、本編でこの女の子は、どんな風にその豊かな面を見せてくれるのか。これだけで楽しみが広がる。

『僕らはみんな河合荘』の個性的な同居人たち

シェアハウスの最大の特徴は、「同居人は選べない」こと。個々の干渉を控える日本社会において、真っ当に一人暮らしをしない人たちが集まるのだから、自然と個性的な人が集まる。このアニメに登場する同居人たちは、その個性を一際、いや最大限に誇張したような人々だ。弱者を弄ってストレスを発散するダメ女OL、恋愛沙汰を引っ掻き回して快感を得る女子大生、ドMの謎のニート男など……、一見ダメ大人に見える同居人たちだが、そこは腐っても大人。おバカな行動に散々振り回されたと思いきや、ふとした瞬間、深い発言をする。かと思えば、それが単なるおちょくりだったり……、油断も隙もあったもんじゃない。しかし、そのテンポの良さを心地よく感じたら、あなたもきっと「河合荘」の住人である。

シェアハウスでなければ絶対見られない他人の素

ウチとソト、ヨソを巧みに使い分ける日本人。まして、核家族化やネット社会が進む中、自分以外を「ソト」としてしまいがちな現代人にとって、家族以上に素をさらけ出せる、「ソト」であり「ウチ」でもある人間がいるのも悪くないかもしれない。そう思わせてくれるアニメ『僕らはみんな河合荘』(2014年4月~6月放送)、ぜひご覧ください。

「僕らはみんな河合荘」公式サイト

(あにぶ編集部/稲本)