あの時のゴールドシップが、そこにいた

ウマ娘のゴルシを見た瞬間、私は思いました。

「あの時のゴールドシップがそこにいる」って。

芦毛に赤い勝負服、他のウマ娘より背の高い体格。

なんだかとてつもないことをやってくれそうなあの感じ!

『ウマ娘 プリティーダービー Season3』第3話は、そんな感情を一気に呼び起こす神回でした。

この回で描かれるのはゴルシの引退。

それと同時に、ゴールドシップという競走馬が私に残してくれた記憶がまた色を持つのを感じる時間にもなりました。

白いの来たで白いの

 

ストーリー

菊花賞で勝利し、有馬記念に出走できることを喜ぶキタサンブラック(キタサン)

その様子を柄にもなく思いつめた表情で見ていたゴールドシップ(ゴルシ)は、突然記者会見を開き、有馬記念をトゥインクルシリーズでのラストランにすると宣言する

心配するキタサンに、ゴルシは自分のレースができなくなったと気持ちを打ち明ける

有馬記念当日、一番人気のゴルシは最後方からレースをスタートする

1000mを過ぎたとことでしかけるが順位を上げることはできず、8着でゴールする

慣習はゴルシへの感謝や労いの言葉を叫び、それはやがてゴルシコールになっていく

そしてゴルシは次の夢へ挑戦することを宣言するのだった

 

ゴルシの表情に感じた思い

ウマ娘に登場しているキャラは、実際の競走馬に似せてデザインされているそうです。

アニメのゴルシも、自由で面白い行動をしていてどこか掴みどころがありません。

そのゴルシのゴルシらしさを見て、私は自然と現役時代のゴールドシップを思い出して笑ってしまいました。

ゴルシに思いつめた表情は無縁。

そう思っていたのに、キタサンの背中を見つめるゴルシの表情がどこか切なく見えたのは、きっと私が「ゴルシの引退」という言葉を重ねて見てしまったから。

この時、史実ではゴールドシップ5歳。

後輩のキタサンブラックは3歳で、ちょうど伸び盛りの時期です。

勝てなくなりつつあるゴルシと、勢いに乗るキタサン。

その対比が、アニメでも静かに描かれているように感じられました。

 

走り出す記憶

レースが始まると、黒い布をかぶって静かにゲートに入るゴルシ。

その姿を見ただけで、胸がいっぱいになりました。

史実でもゲートに入るのを嫌がり、入るだけで拍手が起き、開いた瞬間に立ち上がるという事件まで起こしたゴールドシップ。

あの姿を知っているからこそ、ウマ娘のゴルシが何事もなくゲートインする様子に、私は「覚悟」を見てしまったのです。

史実のゴールドシップは、驚くことに素顔でラストランを走ってくれました。

だからこそ、アニメに描かれたように静かな決意の中で最後のレースにのぞんだのかもしれない。

そう思わずにはいられませんでした。

最初からクライマックスだよ

 

追い込みに託されたもの

レースが始まり、ゴルシは最後方から走ります。

史実のゴールドシップといえば、後方から一気に馬群を抜き去る追い込みで、何度もファンを熱狂させてきた馬です。

「最後尾からぐーっと上がって、まとめてぶっちぎる」

アニメで語られるその言葉に、私は何度も見てきた豪快な走りを重ねました。

きっと私だけじゃない、ゴールドシップに魅せられた人はみんな同じ気持ちになるんだと思います。

だから、もう一度あの走りが見たい!

お願いします!走ってください!

最後の追い込みを見て、そんな気持ちが自然と湧き上がるのです。

気分はノリさん

 

それでも、夢は終わらない

全力でしかけるゴルシ。

でも、かつてのようにまとめて抜き去ることはできません。

その瞬間、ゴルシはそっと目を閉じます。

自分の限界を理解して、静かに受け入れた。

そんな表情のまま、最後まで走り切ったのです。

そして、その姿を黙って見守るあの厩務員さん。

言葉はないけれど、そこには確かに「夢が形を変える瞬間」があるように感じられました。

私はこの場面で、かつてのゴールドシップの最後のレースをもう一度見た。

そう思えて涙が止まりませんでした。

このラストランをもって、ゴルシはドリームトロフィーリーグへ進みます。

第3話のタイトル「夢は終わらない」は、キタサンの新しい挑戦であると同時に、ゴルシがこれからも輝き続けることへの願いのようにも思えました。

 

ありがとう、ゴールドシップ

競走馬ゴールドシップは2011年7月に2歳でデビューし2015年12月、5歳で引退するまでにG1レース6勝を含む通算13勝の成績を残した強い馬です。

身体が大きく足元に不安のあった母親の弱点を克服するために、小柄でスタミナはあるけれど気性が個性的だった父親と配合。

でも誕生したのは予想を超えた大柄な馬体、期待以上のスタミナとスケール感、個性的な気性を持つゴールドシップでした。

私はこの話しを聞いて、生まれた時から伝説なんだなと和んで一気にゴールドシップが好きになりました。

騎手さんや厩務員さんたちとの逸話も大好きで、その話しにツッコミを入れているファンの方々の話しを聞くのも楽しくて。

金太郎飴みたいにどこを切り取っても、ゴルシが好きって気持ちが感じられて最後には一緒に笑えるんです。

強いからだけじゃない、個性的な気性を持ちながらも不思議な魅力で愛される伝説の競走馬。

変わり者で、気まぐれで、それでも気が向いたときには誰よりも強い。

そんなゴールドシップにウマ娘でもう一度出会えたことが、私はただただ嬉しいです。

競馬を知らなくても楽しめるアニメ、ウマ娘。

でも、もしゴールドシップを知っているなら、第3話はきっと特別な時間になると思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた!