アニメや漫画のキャラクターたちの、現実離れした口調や外見。例えばジャンプ で連載されていた「黒子のバスケ」。キセキの世代は全員特徴的な語尾や一人称である。また、名前になぞらえた髪の色は、特撮ヒーローなんとかレンジャーのようである。
漫画やアニメ感丸出しのジャンプ 系キャラクターたち
こんな非現実的な奴らに感情移入なんてできないよ! 最初はみんなそう言う。シリアスなシーンでこんなとぼけた口調で話されたら?こんな服装で愛を語られたら?きっと吹き出してしまうかもしれない。なんでこんな現実離れした設定にしちゃったの!?と思うかもしれないが、しかしそれは、根拠があって作られた設定なのだ。
ジャンプ 歴代人気作に見られるキャラクターたちの特徴
例えば、同じくジャンプ原作漫画で、未だに伝説的人気を誇る「封神演義」の主人公・太公望。
彼は少年に見える外見をしている。しかし、仙人であるため中身は人間で言うと72歳のおじいちゃんだ(しかし仙人の中では断然幼いが…)。
太公望の一人称は「わし」。また、それに加えて「〜だのう」「〜じゃ」という、顔に似つかわしくない爺くさい語尾。
しかしこの口調、物語が進み膨大な数のキャラクターが登場した時に真価を発揮する。この口調のセリフは太公望のものだと瞬時に把握することができるのだ。同作品で未だ衰えない人気を誇る黄天化も一人称が「俺っち」語尾が「〜さ」という特徴的な口調、そして鼻の頭には横一文字の傷。この3点さえ揃えば、漫画・アニメ大国日本で数えきれないほどいるアニメキャラクターの中で、紛れもなく黄天化ただ一人を指すとわかる。
シンプル、だけど強烈な印象
特徴的な語尾や外見は世界的人気を誇る「NARUTO」でも見られる。主人公・うずまきナルトは黄色と「〜だってばよ!」だけで連想できる。「るろうに剣心」の緋村剣心に至っては、頬の十字傷から海外でも「サムライX」と親しまれている。赤毛に緋色の着物と全体的に赤系統の色合いは、渋い色合いが多い明治の日本風景のなかで際立つ華やかさがある。そのため、カラーイラストやアニメでは一目で剣心を見つけられる。
日本人に珍しい赤毛については特に出生に秘密が隠されている描写はない。特異な外見に特別根拠が無いからこそ、剣心が類稀なる剣士であると印象づけられる。「地獄先生ぬ~べ~」に至っては、左手に手袋をはめるだけで子供たちでも簡単に真似できる。これは、抜群の親しみやすさだ。
どうして非現実的なキャラが私たちの心に深く根付くのか
一見現実離れしたこのようなキャラクターたちは、たったワンポイントの特徴だけで「あ、あのキャラだ」と連想されやすい。心理学的にも、何度も接している人ほど印象が好転していく傾向があるという。
奇抜な特徴が、いつの間にかあなたの心を捉えて離さない、なんてことがあるかもしれない。だから、「やばいこのキャラ、頭オカシイ」なんて思わずに、しばらくそのキャラを観察してみてはいかがだろうか。
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