2018年7月から 9月まで放送されていたテレビアニメ「ハッピーシュガーライフ」より「愛」という感情を理解できず、男遊びを繰り返す虚しい生活を送っていた女子高生・松坂さとう、さとうと同居している謎の少女・神戸しお、しおの捜索チラシを町に貼っているフードを被った傷だらけの少年・神戸 あさひについて紹介していこうと思います。
さとうはしおと暮らし始めたことで今まで自分が知らなかった「愛」を知るのですが、そのことをきっかけにさとうは彼女に愛情を注ぎながら幸せな時間の邪魔をする者を排除しながら日々を過ごしていくのです。
「愛」にはいろんな形があるから、表現方法も人それぞれ違うのも当然なんです！
しおと出会いから「愛」を知る女子高生・松坂さとう
元々愛で満たされる感覚が理解できず、男遊びを繰り返していたが、神戸しおに出会ったことで愛を知り、マンションの「1208号室」で彼女と二人暮らしをしている女子高生。
美人で思いやりがあり愛を偽らなければ何をしても許されると考えているため、幸せな生活を守るためならしお以外の人間への殺人や危害を加えるなど手段を選ばない。
しかし、自分の行動や言葉でしおとの幸せな生活を失うことには恐怖心を抱いていて、彼女が苦しそうにしていると激しく動揺し、拒絶されると精神崩壊寸前まで追い込まれてしまう。
しおといるときの幸せな気持ちを「甘い」、逆に自分やしおに害を与える者の言葉や行動に感じる苦しい気持ちを「苦くて吐きそう」と表している。
さとうのことが大好きな無知な少女・神戸しお
さとうのことを「さとちゃん」と呼んで慕い彼女と一緒に暮らす8歳の少女。
母に兄とは違って手のかかる娘として認識されていたため、8歳になったころに外へ置き去りにされてしまった直後、帰宅していたさとうに連れて行かれたときから家族に関わる一切の記憶を失ったが、精神的に不安定な状況になると実母の幻覚を見ることが増えたのをきっかけに徐々に記憶を思い出すが「実母よりもさとうと一緒に暮らしたい」と強く思うように変わっていく。
連れ去られた当初は無知で純粋な性格だったので、さとうから「外は危険なものが沢山あるから」と家の外には出してもらえずにいた。
しおのことを一生懸命探している実の兄・神戸 あさひ
しおの捜索チラシを町に貼っているフードを被った傷だらけの兄。
小さい頃から苦労する母を気にかけていたため手のかからない子供と認識されていたが、実父が家庭内暴力を振るうようになってからは母と生まれたばかりのしおを守るために自宅に一人残り、3人での幸せな暮らしができることを夢見て虐待に耐え続けていた。
5年後に実父は死亡したため2人を迎えに行こうとしたが、実母がしおを外に置き去りにしたことを知って行方不明になった妹を探し続けている。
家族を大切にする優しい性格だが、虐待を受けたこととしおの捜索に警察が協力してくれなかったことから大人を醜く汚れたものとして嫌い、一切信用しない冷たく暴力的な一面を覗かせることもある。
愛は楽しさも苦しみも教えてくれる不思議な感情
さとうはたまたま愛情を注ぎたいと感じた相手が女の子でしたが、相手を大切にしたいという思いに一瞬でも気づけたのは彼女にとっては大きな成長ではないかと私は思いました。
感情を味覚で表現することを、このアニメを見て初めて知りましたが、想像しやすいから気持ちが伝わりやすそうですね。
『愛』というものは幸せをもたらす感情と認識しがちですが、表現の仕方によっては自分の中で苦しみを生むきっかけにもなりうるもの。だから「陽」と「陰」な感情なのではないかと思いました。つまり「愛」ゆえに相手を深く傷つけ、自分をも傷つけてしまう・・・。ときには命を奪い奪われることさえも起こりえます。
そんな「陽」と「陰」の部分をそれとなく見せてくれる「ハッピーシュガーライフ」。とてもシュールで面白いアニメです。
文章：あそしえいつ T.Ａ
