9月も終わりそうなこの時期、すっかり朝晩は秋の様相を呈してきましたが、まだまだ日中は暑い日がありますね。
でも、外を歩くのにも、何をするにも快適なこの時期ですが、あえて熱く!寧ろ熱っ苦しく!という感じで熱いアニメ作品を今回はご紹介いたします。
今回取り上げる作品はこちら!『 サイボーグ009VSデビルマン 』です!
この「熱血アニメ列伝」は、比較的昔の作品が多い連載コラムですが、今回は上映が2015年と、かなり新しめの一本です。「石ノ森章太郎」先生と「永井豪」先生のレジェンド作品二つのコラボレーション!
その事実だけで、もう熱い感じがある、今回の作品。では、いつもの通りあらすじから。
二つのレジェンド作品がある日突然交わる!『 サイボーグ009VSデビルマン 』のあらすじ
時は現代。謎の秘密結社「ブラックゴースト」によって、自分の意思に反して「サイボーグ」に改造されてしまった、「島村ジョー」をはじめとする9人の戦士たち。
彼らは、「ミュートス・サイボーグ」と呼ばれる、自分達よりもハイスペックな「ブラックゴースト」側のサイボーグ達との戦いに挑み、これを何とか倒すことに成功します。
一方、古代より生息していた「デーモン族」に対抗するため、人間の意志を残したまま、デーモン族の「勇者アモン」との合体を果たし、「悪魔人間(デビルマン)」として、日々デーモン族との戦いを繰り広げる「不動明」。
彼はデーモン一族の中でも、最も「エグい」その能力で、明にトラウマに近い感情を植えつける、そんな敵「ジンメン」との戦いに、傷つきながらも何とか勝利。
次の戦いが待っている、二つのヒーロー達。そんなタイミングの中、彼らは邂逅してしまいます。それも最悪の状況で。
ジョー達「ゼロゼロサイボーグ」はメンバーの一人「001(ゼロゼロワン)」こと、イワンの「悪魔が来る!」という予言によって、調査を開始。
イワンの予言から、情報を集めた彼らは、街やネットに「悪魔を見た」という目撃情報があるのを知ります。そして、その目撃情報の中には、デビルマン「不動明」が変身した姿も。
デビルマンの姿は、伝説に描かれる「悪魔の姿そのもの」である為に、最初ジョー達は彼が「悪魔そのもの」であると勘違い。
そして、ある日の夜。デーモンを追い(明とそのパートナー「飛鳥了」はこの「デーモン狩り」を日常としています)、これを倒したデビルマンと、「009(ゼロゼロナイン)」島村ジョーがそんな勘違いから対峙し、激しい戦いを繰り広げてしまいます。
一方、「002(ゼロゼロツー)」ジェット・リンク、「004(ゼロゼロフォー)」アルベルト・ハインリヒ、「008(ゼロゼロエイト)」ピュンマは、ブラックゴースト側のサイボーグの3人、通称「ハイティーンナンバー」と対峙。これと激突します。
ブラックゴーストと、デーモン一族。二つの悪意はどう交わるのか?ジョー達と明、二つのヒーローはこのまま対立してしまうのか?
二大ヒーロー達の激しいバトルが今始まります!
イメージコンセプトは「劇場版マジンガーシリーズ」?夢のコラボはやはり熱い!
『 サイボーグ009VSデビルマン 』のあらすじは前述の通りです。
自分はアラフィフのただのおじいさんな年齢のオタクですが、小学生の頃から当たり前にあった、二大レジェンド級作品の夢の共演と言うことで、視聴前は色々と「あの部分はどうなるんだ?」と考えた事が多かったのですが。
その最たる部分は009の特殊能力「加速装置」の扱いでした。
後に色々な作品で似たような能力が描かれることの多い、『サイボーグ009』という作品を代表する要素の一つと言っても良い、サイボーグ009こと島村ジョーの必殺技である「加速装置」。
今回の作品の中で、視聴する前は
「このチート能力に対して、デビルマン側は一体どう対処するのか?」
という部分が正直一番ひっかかっていました。この能力は同じ「石ノ森作品」でもある「平成仮面ライダー」の、『仮面ライダー555(ファイズ)』の「アクセルフォーム」と『仮面ライダーカブト』の「クロックアップ」を思い浮かべる方も多いかもしれませんね。

平成ライダーシリーズでは、大体「同じ能力を有してないとほとんど勝負にならない」という設定でしたが、「持ってない場合はどうするか?」という点の一つの答えを出したのが『仮面ライダーディケイド』でした。
ディケイドは、平成ライダー10周年を記念して作られた作品で、過去のライダーの能力を主人公ライダーディケイドがその特殊能力によって使える設定でした。
ディケイドが、この加速装置的な能力を持つ相手に対して使ったのが『仮面ライダークウガ』のペガサスフォームの能力でした。
ペガサスフォームの能力は、様々な知覚能力を極端にあげる事で長距離精密射撃などを行うものでしたが、この加速装置的な能力に対しても、その超知覚能力で対処が出来ていました。
さて、この『 サイボーグ009VSデビルマン 』において、デビルマン側はどんな風にこの「加速装置」に対処したか?は、ネタバレになるのであえて書きませんが。上記の平成ライダーの話が少しヒントになるかもしれません。
ちょっと長くなりましたが、こういう「夢のコラボ」な作品の場合、最も熱い部分って、こういう「あの能力はこの場合どうなるのか?」と言うのを、妄想したり予想したりする事かもしれません。
今回の作品のように、2大ヒーローが単純に同じ作品の中で戦う、というだけでも勿論熱いのですが、上記のような部分をちゃんとエピソードの中でクローズアップして丁寧に描くと、更に「熱血度」は増すように自分は感じます。
小見出しにも書きましたが、今回の作品を視聴していた時に思い浮かべたのは、以前この連載でも取り上げた『劇場版マジンガーシリーズ』でした。
・最初に二大ヒーローが何らかの形で邂逅を果たす
・中盤はそれぞれの敵とそれぞれが戦う
・最後は二大ヒーローが協力して巨悪に立ち向かう
と言うストーリー展開は、以前自分が書いたコラムを読んでいる人にはどの作品に最も近いかは分かるかもしれません。そう、今回の『 サイボーグ009VSデビルマン 』に一番近い展開は『マジンガーZ対デビルマン』なのです。
恐らく、製作者側も『劇場版マジンガーシリーズ』のことは頭にあったと思います。特にその作品に「デビルマン」が出てくる『マジンガーZ対デビルマン』はかなり制作時に意識したのではないかと、個人的には予想しています。
でも、最終決戦の時に、それぞれのヒーローが、昔の作品のように「お前なかなかやるな!」「お前こそ!」「わーはっは!」みたいにあんまり仲良くなったりはしないのが、イマドキの作品、と言う感想を少し持ちました。
そうそう。今回の『 サイボーグ009VSデビルマン 』は、あらすじにも書きましたが、設定がちゃんと「現代」になっています。つまり、インターネットが普通に普及していて、スマートフォンを皆持っている「今」の中でヒーロー達は戦っているのです。
敵を追う時に、インターネットの目撃情報などを参考にしている部分なんか、原作で描かれていた時代にはちょっと考えられなかった描写でもあるので、この辺はとても新鮮に感じました。
こんな良い形での「リメイク」的部分の今作品の魅力の一つなので、両作品が好きな方は、そんな部分も楽しめるのではないかと思います。
上質なリメイクはそれだけで熱い!そして熱い思いは他にも……?

『 サイボーグ009VSデビルマン 』は「Netflix」等での動画配信や全三巻のDVDレンタルなども行われています。全編を見ても1時間半ほどと、忙しい方でも簡単に見られると思いますので、興味を持った方は是非!
この「熱血アニメ列伝」において、今までリメイク作品は『宇宙戦艦ヤマト2199』だけでしたが、その時にも書いた事ですが、「良質のリメイクである」という事実だけで元作品のファンの胸を熱くさせる事が出来ると思います。
今回の『 サイボーグ009VSデビルマン 』も、(前章でも書きましたが)全体として「リメイク作品」としてもとても丁寧に作られているのを感じました。
そして、ネタバレになるので、多くを語れませんが、このコラボ作品、続編も期待出来る終わり方をしているな、と思ったのは自分だけではないと思います。
それぞれの作品のラスボス的な存在を思い浮かべた時に「あ、だからこの2作品のコラボなのか?」などと思ったりもしたので。
特に『デビルマン』に関しては、原作漫画の完全再現の作品が未だないという状況でもあります。70年代に作られたアニメは完全に設定的にも別物でしたし、後にOVAで作られた原作漫画のアニメ化作品はシレーヌ篇でリリースが止まってしまいました。
『デビルマン』は特に終盤の展開が、本当に色々な意味でレジェンドになっている作品ですが。この部分を完全にアニメ化された作品はないんですよね。色々な映像作品が作られているにも関わらず!
ただ、この『デビルマン』の全編のアニメ化は既に制作が決まっています。この作品も、あるいは今後この「熱血列伝」で扱うかもしれません。
とにかく、今後、これらのような良作の「リメイク作品」がどんどん作られていく事を、熱血アニメ好きとしても、勿論単なるアニメ好きとしても、願わずにはいられません。
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